本日3月30日午前1時より、「Amazon Echo」「Echo Dot」「Echo Plus」のスマートスピーカー3種の一般販売が開始された。出荷は4月3日が予定されており、その同日から全国の家電量販店1000店舗以上で、店頭販売が開始される。
販売前日となった昨日(3月29日)、アマゾンジャパンが報道陣を集めて事前説明会を開催。昨年11月の招待販売開始から、本日一般販売開始までの約4ヶ月間を振り返り、利用スキルのデータやその進化の軌跡を紹介した。
スキル数は600超え、4ヶ月で2倍以上に

Amazon Echoが招待制での販売を開始したのは昨年11月15日のこと。世間を驚かせたのは、発表と同時にすでに265ものスキルが開発されていたことだった。発売前に水面下で各社にアプローチし、ニューススキル、スマートホームスキル、ゲームスキルなどあらゆるジャンルのスキルを揃えていたのだ。この発売後から、Alexaのスキル開発は多くのエンジニアにとって気になる分野になったことだろう。実際にアマゾンジャパンが主催したイベントなどで、勉強会やビジネス説明会に参加した人数はすでに1000名を超えるのだという。
先週からは公式のオンラインセミナーである「Alexa道場」も開始され、自宅にいながらスキルを学ぶことができるようになった。
そんなAlexaスキルは現在その数を600以上まで伸ばしている。11月15日からおよそ4ヶ月間で、2倍以上のスキル数になった計算だ。とはいえ、米国のAlexaスキル数である「3万」という数字には程遠い。米国では、Alexa対応のスマートホームデバイスがすでに1200ブランドから4000商品販売されているといい、Alexaがいかにマーケットにとって無視できない存在になっているかがわかる。
日本でも米国と同じように、本日の一般販売を機に数多くのスキルが新たに生まれてくることだろう。
スキルの利用データで、ライフサイクルが見えてくる
アマゾンジャパン・Alexaビジネス本部 本部長の柳田晃嗣氏はAlexaスキルの動向と共に「Alexaスキルの時間別の利用データ」を、平日と休日の2パターン紹介した。
柳田氏

11月から招待制という形でEchoはもう一人家族が増えたかのように、家庭内に置かれるようになりました。ではどのように使われているかを、少しデータを交えながらご紹介したいと思います。
こちらのデータは、平日の利用データを時間別に見たものです。
もしかするとベッドの中に使っているのかもしれません。やはり「ニューススキル」や「スマートホームスキル」は、朝起きてすぐに使われている傾向があります。その後、音楽スキルがよく使われています。日中は家にいない方も多く、活発な動きはありませんが、夕方くらいからゲームスキルが使われ始めます。16時くらいから使われ出し、20時には一番使われていますよね。これを見ると、家族で楽しくゲームをしているのかなと想像することができます。
そして、なぜかライフスタイル系のスキルが寝る前に最も利用されています。調べてみると、しっかり睡眠を取りたいということで、夜寝る際に睡眠系のスキルが使われているということがわかりました。ということはもしかするとベッド脇に置かれているのかなと推測できます。
こちらは休日のデータです。休日はやはり、起きる時間が少し遅くなるみたいですね。それでも朝はニュースや天気が使われています。スマートホームや音楽、ゲームは日中ずっと使われ続けています。そして夜は平日と同じようにライフスタイル系のスキルが使われています。
こういったデータを見ると、アレクサが家族の中で便利に使われているんだなと想像できます。Echoを販売した11月以降、皆様のライフスタイルを少しでも良くすることができているんじゃないかなと感じています。
「日本人は礼儀正しい」この4ヶ月のAlexaの進化の軌跡
この4ヶ月の招待制での販売を通じて、Alexaは様々な進化を遂げてきた。ここで一般販売に際して発表された、アマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長の言葉をご紹介する。
この言葉の冒頭にあるように、4ヶ月間招待制で販売をしてきた中で、日本人の特性を把握し、自然な会話にも対応できるよう進化をしてきたのだ。Amazon Alexa担当シニア・マネージャーのカレン・ルービン氏は、その中で日本人ならではの礼儀正しい「音楽の止め方」について触れた。
カレン・ルービン氏

初めの頃、Alexaの音楽やスキルの止め方は、「アレクサ、ストップ」や「アレクサ、止めて」にしか対応していませんでした。しかし今では「アレクサ、もういいよ」と言っても停止できるようになりました。日本人の自然な言い方に対応できるようになったのです。
そして、「アレクサ、ごめん止めて」と気を遣って話しかけるお客様も多くいらっしゃることがわかりました。礼儀正しい日本人ならではの特徴と言えます。
このように自然な会話や、日本人ならではの「礼儀正しい止め方」にも対応するなど地道な機能改善に加えて、新しい機能を追加することでユーザビリティを高めてきた。
新機能について、順番に紹介していく。
Kindle本の読み上げに対応

Alexaは、読み上げ機能(Text to Speech機能:TTS)に対応した電子書籍のKindle本を読み上げることができるようになった。Kindleストアで本を購入したお客や、「Kindle Unlimited」や「Prime Reading」の読み放題サービスの利用者は、文芸書やビジネス書などの文字主体の書籍で読み上げ機能に対応しているタイトルでこの機能を楽しむことができる。 Alexaに「アレクサ、本を読んで」「アレクサ、『銀河鉄道の夜』」を読んで」等と呼びかけるだけで本の読み上げを楽しめる。英語の本にも対応しているため、英語の学習にも使えるかもしれない。
「おはよう」で天気やニュースを読み上げて、お湯を沸かす
おはようと言えば、朝の必要な情報を教えてくれて、電気をつけて、お湯を沸かしてくれる。そんな一連の動作を「定型アクション機能」を使って作ることができるようになった。
これは、事前登録した一連の日課を一つの音声コマンドで自動的に行えるようにできるというもの。定型アクションの内容は独自に設定でき、指定時間、あるいは音声コマンドで実行することができる。
特定のスキルでの通知機能
特定のスキルで最新情報やメッセージなどの通知をオプトインすることで自動的に受け取ることができるようになった。通知機能は現在、「Yahoo!天気・災害」「JR東日本 列車運行情報案内」「全国タクシー」のスキルで利用可能。Echoデバイスに新着情報が届くと、Echoのライトリングが黄色で点滅、あるいは通知音が鳴り、「アレクサ、保存されている通知はない?」「アレクサ、通知は何?」との発声で届いた通知を聞くことができる。例えば、全国タクシーを使ってタクシーを呼び出す際、到着時刻などが決まったら通知が来るというものだ。
マルチルームミュージック機能

自宅にある複数のEchoデバイスをグループ化し、各部屋の音楽ストリーミングを同期化させることできる「マルチミュージック機能」が追加された。Alexaアプリを用いて2つ、もしくはそれ以上のEchoを「全部の部屋」等の名称でグループ化した後、「アレクサ、『全部の部屋』で80年代のJポップをかけて」等の呼びかけで、マルチルームミュージックを楽しむことができる。「Amazon Music」で購入した楽曲や「Amazon Music Unlimited」や「Prime Music」の聴き放題サービス、あるいは「dヒッツ® powered by レコチョク」、「うたパス」など、さまざまな音楽ストリーミングサービスで利用できる。
一般販売時には、このマルチミュージック機能を楽しんでもらう目的で、「Echo Dot」を2つ購入すると3000円引きになるキャンペーンも準備されている。
Amazon Echoついに一般販売
本日よりついに一般販売を開始した「Amazon Echo」。3種のEchoは、それぞれ以下のページより購入することができる。
手にとって直接見てみたいという人は、本日より二子玉川の蔦屋家電にて、Echoシリーズを体験できる「タッチ&トライ・コーナー」が期間限定でオープンする。お近くの方は出向いてみてはいかがだろうか。
また、全国でも店頭販売が間近となっているため、あと数日もすればお近くのエディオン・ケーズデンキ・ジョーシンなどの家電量販店の店頭で体験することもできるようになる。
日本人の良さを吸収し、特有の進化を続ける「Alexa」を一度体験してみてはいかがだろうか。








