アールティが四足歩行ロボット「Mujina」を発表、2025国際ロボット展で初披露予定

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人型ロボットやフィジカルAIの研究開発で実績を持つ株式会社アールティは、国産四足歩行ロボットの実用化プロジェクトを正式に始動したことを発表した。

その第一弾として、研究開発用モデル「Mujina(ムジナ)」を、2025年12月3日(水)から6日(土)に東京ビッグサイトで開催される「国際ロボット展」で公開する。

高まる国産化への期待 背景に海外製ロボットの課題

世界の四足歩行ロボット市場は2030年に数千億円規模への急拡大が予測され、米国や中国を中心に開発競争が激化している。一方で、国内企業が実証実験などで海外製ロボットを使用する際、データ管理の経路がブラックボックス化していることや、セキュリティ、サプライチェーンの透明性といった、海外製には対応しづらい課題が顕在化している。

アールティが2024年12月に行ったアカデミック用途のロボット開発に関する発表では、国内の重要インフラ事業者や製造業など20社以上から反響があった。中でも「海外製ロボットのデータ管理やメンテナンス、カスタマイズに不安がある」といった声が多く寄せられたという。

こうした背景から、重要インフラや製造ラインでは国産であることが導入の条件となりつつあり、国産ロボットへの需要が急速に高まっていると判断し、プロジェクトの開始に至った。

プロジェクト第一弾「Mujina」と共創パートナーシップ

今回公開される「Mujina」は、プロジェクトの初期段階に位置づけられる研究開発用モデルである。巡回・点検・測量といった軽負荷の用途における「技術検証」を目的としており、耐久性や量産仕様ではない開発機だ。開発環境にはROS 2をベースとしたオープンハードウェア構造を採用し、開発のしやすさを特徴とする。

アールティは、Mujinaで得られた知見を基に、将来的には敷地の広い現場向けの「大サイズ」、工場内点検向けの「中サイズ」、室内や隘路巡回向けの「小サイズ」といった産業用国産シリーズを構築し、量産化を目指す計画だ。

プロジェクトの推進にあたり、同社は用途開発と実用化を共創するパートナー企業の募集を開始した。海外製ロボットでの運用実績がある企業や、点検・巡回業務の自動化を目指す企業、ロボット用部品メーカーなどを対象に、ターゲットソリューション開発やデータ管理・安全基準の共同策定などを進める。

2025年国際ロボット展で初披露 主要部品の国産化も推進

「Mujina」は、2025年の国際ロボット展で初めて展示され、点検・巡回デモンストレーションも実施される予定だ。同展示会では、製造用途向けのROS 2連携人型ロボットも展示される。「Mujina」は受注生産にて、同展示会より提供が開始される。

さらにアールティは、現在国内での入手が困難とされるAIロボット向けモーターについても、同社主導のパートナーシップにより国産化開発に着手している。1~2年後のテストユースを経て、量産化を計画しており、基幹部品から国産化を進める姿勢を示している。

《ロボスタ編集部》

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