株式会社HatsuMuvは、一般社団法人AIロボット協会(AIRoA)が主催する「国産汎用ロボット開発コンペティション」への採択が決定したと発表した。同コンペティションはNEDO委託事業の一環として実施されるものであり、日本のロボット産業の国際競争力強化を目的としている。

コンペティションの概要とNEDO委託事業との連携
「国産汎用ロボット開発コンペティション」は、双腕モバイルマニピュレーター型汎用機の開発・実用化を推進する取り組みだ。
HatsuMuvは人間サイズの同型機体を開発し、NEDO委託事業「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ロボティクス分野の生成AI基盤モデルの開発に向けたデータプラットフォームに係る開発」におけるデータ収集用ロボットとしての活用を目指す。
アニメ×ロボット技術で積み上げた開発実績
HatsuMuvは2021年の設立と同年に、アニメキャラクターを体現するヒューマノイド「Hatsuki(ハツキ)」に関する研究論文をACM CHI 2021で発表した。
以来、早稲田大学との共同研究を軸に「VRデバイスを用いた直感的な遠隔操作」「収集したモーションデータを活用する模倣学習(Physical AI)」などの成果を重ねてきた。
その集大成として生まれたのが、2次元キャラクターを150cm等身大で顕現させる「Cutieroid(キューティロイド)プロジェクト」だ。AI・ロボティクス・メタバース技術を組み合わせ、動いて喋るアニメキャラクターを現実に生み出すことを目指している。
前身プロジェクト「Hatsuki」から発展したCutieroid Projectは、コトブキヤの人気IP「フレームアームズ・ガール」とのコラボレーションにより、轟雷の実機化を実現。2025年10月開催の全日本模型ホビーショーでの150cmモデル完成・初披露を目標に掲げたクラウドファンディングを開始し、330名の支援により目標額の165%を達成して終了した。轟雷役声優・佳穂成美さんの専用ボイスを搭載した150cmスケールの轟雷をコトブキヤブースにて披露し、来場者から反響を集めた。

蓄積された主な技術領域
一連のプロジェクトを通じて同社が蓄積した技術領域は多岐にわたる。機構設計では150cm級の人間サイズ機体の設計・製造を実現し、複数種類の動作ポーズと自然な腕・頭部の動きを可能にした。ソフトウェア面ではゲームエンジンベースの制御システムを構築し、自社開発プラグイン「DynamixelForUnity」によるモーター制御を実現。遠隔操作ではVRデバイスによる全身動作の直感的な遠隔制御とリアルタイムノイズ除去技術も開発した。さらに自社製5本指ロボットハンド「HatsuHand」の開発も手がけている。

今回の採択について、CEO・陽 品駒 氏は「同社の技術がエンターテインメント領域にとどまらず、AI研究および汎用ロボット開発の文脈で期待されていることの表れと受け止めている」とコメント。今後はAI学習に適したロボットプラットフォームの開発を通じて、人とロボットのインタラクションをより自然にし、日本発のロボット技術の発展に貢献していく方針を示した。



