株式会社Space Quartersは、独自開発する軌道上組立ロボットシステム「DAIQ」の地上モデルを用いて、軌道上における建材の組立および溶接動作の実証に成功した。
複数種類の小型ロボットが協調して大型構造物を宇宙空間で建築するというコンセプトの成立性を示すものとして公開された。
ロケットのフェアリング径という根本的制約
従来の宇宙構造物は地上で組立を完了させ、完成品をロケットで打ち上げる方式が主流だった。この方式ではサイズがロケットのフェアリング径に限定されるうえ、打ち上げ時の苛烈な加速度・振動環境に耐える設計が必要となり、大型化・高機能化が困難という根本的な課題を抱えていた。
DAIQを構成する3種類の小型ロボット
DAIQは建材を軌道上で組み立てることでサイズ制約を超える、複合協調型ロボットシステムだ。「取り出し」「設置」「接合」の全プロセスを3種の専用小型ロボットが担う。
六角柱型の「Tree」
建材の取り出しを担い、曲率を持つパネルにも安定対応する。

自走式小型ロボット「Ant」
パネル建材のエッジに設置されたレールを足場に移動し、複数台が協調して建材を運搬・設置する。自ら設置した建材を新たな足場とするため、構造物が大型化してもロボット自体は大型化不要という高いスケーラビリティを持つ。

宇宙溶接ロボット「Spider」
同社のコア技術である省エネルギー・小型電子ビーム溶接技術を搭載し、建材同士の位置をμmオーダーで精緻に調整しながら精密かつ強固な接合を実現する。

2031年の商用化へ向けたロードマップ
DAIQが目指す宇宙インフラは、静止軌道衛星とスマートフォンの高速ダイレクト通信を可能にする大型・高精度アンテナリフレクタ、大型宇宙ステーション、宇宙太陽光発電など多岐にわたる。
同社は2028年の宇宙空間での溶接実証、2029年の軌道上建築実証を経て、2031年の商用化を目指して開発を進めている。




