NTT×トヨタ×NTT東日本のロボットが「R-env:連舞(れんぶ)」で連携パフォーマンス!NTT東日本のロボットは初公開

会話が得意なロボット、モノを取ってくることができるロボット、ダンスが得意なロボット・・・
それぞれのロボットが協働することで素晴らしいパフォーマンスが実現できる。
NTTの「R-env:連舞(れんぶ)」は異なるロボットでも連携して制御できるツールだ。

左の会話ロボット「Sota」が来場者に話しかけて、右の「HSR」にペットボトルを取ってきてもらうロボットの協働がテーマだが更に・・

日本電信電話株式会社(NTT)は「2017国際ロボット展」で、会話ロボット「Sota」(ソータ)と、トヨタ自動車が開発している生活支援ロボット「HSR」が連携し、Sotaの指示でHSRがペットボトルを机から取ってくる間、NTT東日本が開発中のロボットがダンスパフォーマンスを披露する、そんなデモを展示している。

ストーリーとしてはこうだ。
会話が得意なコミュニケーションロボットの「Sota」が来場者に向かって話しかける。喉が渇いたのでペットボトルの飲み物が欲しいがSotaは動くことができない。そこで二足歩行の2体のロボットにペットボトルを取ってきて欲しいと頼むが、2体のロボットも「重くて持てないよ」と応える。

そこで「Sota」がHSRに相談するとHSRは快諾してくれる。そこで、HSRがペットボトルを取ってきてくれる間、Sotaは2体のロボットに得意なダンスを披露して、HSRを応援して欲しいと頼む。HSRが机まで移動し、腕を伸ばしてペットボトル取ってくる間、2体のロボットは軽快に恋ダンスを披露する。

軽快に踊る2体の二足歩行ロボット

こうしてプレゼンテーションするSota、ダンスをする二足歩行のロボット、ペットボトルを取ってくるHSRの協働が実現する。

HSRはモノをつかんだり、運んだりが得意な生活支援ロボット

NTT研究所が開発している「R-env:連舞」を使うと、複数の異なるロボットを手軽に制御できることを紹介したものだ。

■NTT、トヨタ、NTT東日本の3社のロボットが協働するデモ(動画)

また、今回のブース展示では2体のコミュニケーションロボットがダンスパフォーマンスを行っているが、このロボット、NTT東日本が研究開発している本邦初公開のロボットだ。


NTT研究所が開発している「R-env:連舞」と「corevo」とは

今回の展示ブースのポイントを日本電信電話株式会社、NTTサービスエボリューション研究所 ネットワークドロボット&ガジェットプロジェクト グループリーダ 主幹研究員 布引純史氏に聞いた。

布引氏

今回はメーカーが異なる3種類のロボットが連携しています。Sota、HSR、NTT東日本が研究開発中のロボットたちです。今回はロボット展ということで、”R-env:連舞”を使うとこのように異なるロボットの連携ができて、簡単にシナリオを作ったり、連携したデモが可能になることを紹介しています。

“R-env:連舞”を使うとどのように簡単になるかと言うと、例えば今回のデモで言うと、来場者とSotaが会話するシナリオ、HSRがペットボトルを取ってくるシナリオ、2体のロボットがダンスパフォーマンスをするシナリオをそれぞれ簡単な操作で作成できます。そしてそれらを繋げるシナリオを作ると、今回の一連のデモが簡単に作成・編集することが可能になります。操作はブラウザ上でブロック配置や接続する要領でロボット連携サービスが開発できます。

“R-env:連舞”の操作画面の例

「2017国際ロボット展」の展示ブースでは、ロボットたちのデモだけでなく、”R-env:連舞”を使ってシナリオを作成している操作画面もご覧頂けます。ロボットメーカーやアプリ開発会社、SIer、業務での活用を検討している企業の方々からのご相談をお待ちしていますので、展示ブースではお気軽にお声かけください。



「R-env:連舞」は近日中にトライアルが開始になるので、だれでも試してみることができる。詳細はR-env:連舞の公式ホームページで案内される予定だ。
同社は、AI関連技術「corevo」(コレボ)も開発していて、音声認識、音声合成、音声対話、雑談、質問応答などのコミュニケーション技術も含まれている。ロボットへの応用も可能で、。”R-env:連舞”を使って、コミュニケーションロボットのバックエンドで「corevo」と連携すればより自然で高精度なコミュニケーションがロボットとの間で実現できるだろう。




最後に、気になるNTT東日本製のコミュニケーションロボットにも触れておこう。
今回展示しているロボットは研究開発中のもので、発売時期や価格、詳しい仕様などは未定だ。電話を掛ける機能がある。ロボットと人が会話することを重視すると、コミュニケーションには言葉だけでなく、身体や顔の動きによる表現が大切になる。そこでこのロボットには現状で21個のサーボモーターが搭載され、滑らかな動きを実現している(センサーは11個)。今回のダンスパフォーマンスでも滑らかな動きを披露している。


頭脳や会話技術の部分はNTT研究所の「corevo」と連携する予定で、ロボットのコミュニケーション能力向上を研究課題として、今後は更に相づちや顔を見るしぐさなども技術的に取り入れていく方針だ。

MikuMikuDanceでモーションを簡単に作成できる

会場に出かける機会があれば、本邦初公開のロボットとそのパフォーマンスをお見逃しなく。(東6ホール SR-07 のi-RooBO Network Forumのブース内)


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ロボスタ編集部

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