小型軽量ロボットアーム「COBOTTA」が大注目! 9体が連携するミニ工場など、国際ロボット展で展示

現在開催中の「2017国際ロボット展」にて、特に多くの来場者が訪れているブースがある。それがデンソーウェーブのブースだ。デンソーウェーブは、産業用ロボットなどを開発する会社である。同社のブースでは、計20台の小型・軽量の人協働ロボット「COBOTTA」がその可能性を大いに示している。このCOBOTTAを体験するために、多くの方がデンソーウェーブブースに訪れているのだ。

この記事では、未来の大きな可能性を見せてくれるその「COBOTTA」に迫ってみたい。


展示の案内をして頂いた、デンソーウェーブ ロボット事業部 技術企画部 製品企画室 室長の澤田洋祐氏


9体のCOBOTTAが連携する組立工場


COBOTTAは、株式会社デンソーウェーブと、株式会社デンソーが共同開発したロボットアームだ。

安全柵を必要としない「人協働ロボット」として、本質安全と機能安全の両面からアプローチし安全性を担保している。また、コントローラーを内蔵しながらも重量は約4kgと軽量で、手軽に持ち運びできる小型・軽量ボディであることが一番の特徴だ。どこでも持ち運んで、素早くセットアップ、直感的に操作ができるGUIによって、短時間で作業を自動化することができる。



今回の展示では、即席の「ボールペン組立工場」を作り、そこで作られた専用の3色ボールペンを来場者にプレゼントしている。


好きな色を3色選ぶと、それら3色の専用ボールペンを作ることができる。カバーの色なども決めることができ、好きな文字を印字することができる。

これは、9体のCOBOTTAが連携して行うデモンストレーションだ。一個一個の工程を見ていくと、その繊細な動きに驚かされる。

作業工程はこうだ。

① まずはじめに、来場者が、タブレットで自分の好きな色の組み合わせを選択し、印字する言葉を入力する。

② すると、QRコードと受付番号が書かれた紙が発行され、横にいるCOBOTTAが来場者に直接手渡ししてくれる。

③ その横にいるCOBOTTAがボールペンのカバーを持っており、そこにもう2体のCOBOTTAが順番に適切な色のボールペンの芯を挿入していく。これは人の手でも難しい、細かな作業だ。

細いボールペンの芯を入れていく細かい作業。ボールペンの側面に沿わせるように入れていく。

そして芯を入れ終えると、横のCOBOTTAに渡して、

上のカバーをはめ込み、くるくると回転させて締めていく。

⑤ 続いて、横のCOBOTTAが一つ一つの芯の試し書きを行う。

⑥ 試し書きが終わると、その隣のCOBOTTAが外部デバイスを操り印字を行う。

⑦ そして、隣のCOBOTTAと2体で連携してシールを貼る。

⑧ 最後に、一番奥にいるCOBOTTAに手渡すと、そのCOBOTTAがスタンドにボールペンを並べていき、お客さんがQRコードを見せるとその人が発注したボールペンを手渡す。

以上が、ボールペン組立工場の流れだ。



細かい作業を分担して作り上げていく様子は、見ていてなんだか可愛い。通常、ロボットアームのデモをするときには、ボックスや柵の中で行われることが多いが、それを柵もない至近距離で見ることができるのが今回の展示の一番の魅力であり、それはそのまま「COBOTTA」の魅力でもある。

COBOTTAは、ユニークなアーム構造と鋭利な部分がない外観をしているため、指などを挟み込む心配がない。そして6つの可動部位に内蔵したセンサーが速度とトルクを常に監視することで、機能面での安全性も担保している。だからこそ、この至近距離で来場者がデモを見ることができるのだ。



COBOTTAハッカソンの最優秀作品も初お披露目


ボールペン工場の他にも「COBOTTA」の可能性を示す展示が複数行われている。中でも来場者の多くが足を止めていたのは、先日開催されたCOBOTTAハッカソンで最優秀賞に輝いた「Robo Diorama(ロボジオラマ)」だ。



ロボジオラマは、自分で作成したプラモデルをかっこよく撮影することができるというもの。定点カメラの前でプラモデルをまるで本当に飛んでいるかのように動かすことができ、COBOTTAのカメラを使ってプラモデルから見た映像も同時に録画することができる。プラモデルが好きな人たちの自分が作ったプラモデルをかっこよく撮影したいという欲求を満たすCOBOTTAの活用方法だ。



展示では、ジオラマの横にディスプレイが置かれており、リアルタイムに撮影した映像を見ることができる。そして、その映像に効果を重ねることで、まるでそのプラモデルが銃を打ったり、ジオラマで爆発が起きたりするような臨場感溢れる映像になっている。

Robo Diorama(ロボジオラマ)

COBOTTAハッカソン優勝チームの皆様

後述のCOBOTTAのビジネス活用方法とは違い、ハッカソンで生まれたアイデアだけに斬新で、かつ個人の欲求に根ざしたアイデアとなっている。この最優秀賞以外にもいくつもの個性的なアイデアがCOBOTTAハッカソンから生まれた。今後どこかでそれらの作品を見る機会があるかもしれない。




COBOTTAのビジネス活用

COBOTTAは、ビジネスの現場での活躍も期待されている。特に、現在は人間が自らの手でおこなっている、本来は人間がやる必要のない作業を代替する存在になりうる。


例えば、展示で紹介された一つは、医療・理化学分野の実験で行われる分注作業だ。ピペットで試料となる液体を吸い込み、小さな試験管に分注していく。細胞培養などの時にはこの試験管もかなり小さく、人の手で行うには気が遠くなる作業だ。それをCOBOTTAが代替する。

分注作業を行う専用の機械も販売されているというが、「使い方が難しく、学生が使おうとすると準備に30分かかることもある」のだという。COBOTTAに作業を記憶させておけば、簡単に同じ作業を繰り返しこなしてくれる。加えて、分注作業をしていない時には別の作業をさせることもできる。理化学系の研究室に一台あれば、様々な作業を代替してくれる存在になることだろう。


統合制御抗がん剤調製システムの展示

そのほかにもインクカートリッジ製造工程における画像処理を用いた活用例や、抗がん剤調製時に人に被曝のリスクなく作業を代替する活用例などが示された。

皆様の仕事現場を思い浮かべてほしい。きっと、これは人間がやる必要がないと思う作業がいくつもあるだろう。しかしそれ専用の機械を導入するのは勿体無いと思えば、様々なことを代替可能なCOBOTTAのようなロボットがおすすめだ。



11月29日より受注開始


COBOTTAは、昨日11月29日(水)に受注が開始された。発送は今年の2月が予定されている。

COBOTTAは、簡単な組み付け作業や仕分け作業、検査といった労働集約型の小さな作業を行うのに適している。会社に専用のミニ工場を作ってみてもよし、実際に作業を代替させてみてもよし。人と同じスペースで働くことができ、小さいのでスペースを取ることもない。このロボットは、使い方を考えるだけでワクワクしてくる。

デンソーウェーブの展示ブースは「東1ホール 小間番号IR1-29」。国際ロボット展に行ったら、ぜひ訪れて頂きたい。

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ロボスタ編集部
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