【新感覚!】首にかける「AIスマートスピーカー」は自転車でも家事でも使えるウェアラブルスピーカー!「まるで音のヘルメット」

オンキヨーはスマートスピーカー関連製品の開発を積極的に展開している。また、スマートスピーカーだけでなく、AI音声アシスタント対応でさまざな製品を市場投入しようと考えている。

そのひとつ「首にかけるスマートスピーカー」は注目のプロダクトだ。一見「イヤホンとどう違うのか」と感じるかもしれないが、詳しく話しを聞いてみると、そのコンセプトも用途も大きく異なることがわかる。また、一方で肩掛けタイプのワイヤレスヘッドセットがソニーやBOSEなどから発売され、人気が出はじめている。このデバイスはそんな肩掛けタイプのスピーカーに音声アシスタント機能を追加することで、更なる利便性を追求している。今回はこの新しいコンセプトについて解説したい。

オンキヨーの「首にかけるスマートスピーカー」(肩掛けタイプのワイヤレス・スマートスピーカー)。音声アシスタントに対応していて、聴き心地は「音のヘルメットをかぶっているよう」だと言う。どんな感覚なのか、さっそく試させてもらった

その前に、オンキヨーが既に発売しているスマートスピーカー製品について紹介しよう。
スマートスピーカー製品としては、「Googleアシスタント」に対応した「G3 (VC-GX30)」や、「Amazon Alexa」に対応した「P3 (VC-PX30)」を2017年11月から発売している。オンキヨー・ブランドを支持する、特に音質にこだわったスマートスピーカー・ユーザーを中心に好評を得ている(「P3」はAmazon Echoと同様、3月下旬まではAmazonのみの「招待制」の販売が行われていた)。

オンキヨーのスマートスピーカー「G3」。Googleアシスタント対応しているので「OK,Google」をきっかけにして、対話をしたり楽曲の再生を音声で指定できる

「G3」と「P3」については、ロボスタでもレビュー記事で紹介してきたので、詳細はそちらをご覧頂きたい。特に「G3」は、木製のボディを採用し、低音が響くように設計された、筆者もお気に入りのスマートスピーカーだ。スマートスピーカーの利用用途のトップはやはり楽曲やラジオの再生。一日中聴いている人なら特に「高音質のスピーカーで心に響く音楽に包まれていたい」そんな思いは大きいだろう。


AI音声アシスタント対応デバイスを次々に参考出品

オンキヨーはスマートスピーカー製品だけではなく、AI音声アシスタントに対応した様々なデバイスを世界中の展示会等で参考出品ながら次々に発表している。
そのひとつが、首にかけるスマートスピーカー「VC-NX01(仮称)」だ。2018年1月に開催された「CES 2018」で発表して大きな話題を呼んだ。首元センサーを内蔵していて、身に付ける(首に掛ける)だけで起動し、話すと自動的に電源ONになる完全なハンズフリーを実現している。

自転車や家庭、オフィスで楽しむ新感覚ウェアラブルスピーカー「VC-NX01(仮称)」。

さらに2月下旬から開催された世界最大級の携帯電話関連展示会「MWC 2018」(Mobile World Congress)では、新開発の車載用モバイルスマートスピーカーとも言うべき「AIスマートオートモーティブ」を参考出展した。

「MWC 2018」で参考展示されたオンキヨーの車載用スマートスピーカー「AIスマートオートモーティブ」

展示した場所は、同社ブースとトヨタ自動車のSDLコーナー。SDLとはスマートデバイスリンクコンソーシアムの略称でトヨタ自動車と米フォード・モーターを中心に設立した非営利団体だ。クルマとICT技術のコネクテッド環境や安全についての普及活動を行っている。

「AIスマートオートモーティブ」は、SIMとバッテリーを搭載しており、車の中やアウトドアでも活躍するスマートスピーカーの位置付けだ。車載用を意識して、ノイズの多い車内でも高い音声認識率と聞き取りやすいAIアシスタントの音声にこだわって開発された。小型ながらも豊かな低音とサイズ感以上の音量感を楽しめる(音質のチューニングはこれから行われる段階)。

そこで今回、これら参考出品の製品を使わせてもらうとともに、最新技術の取り組みについてオンキヨーのAI/IoT事業推進室の宮崎室長と八木副室長、開発技術部の河村部長に話を聞いた。


いつでもどこでもスマートスピーカー

編集部

スマートスピーカーが日本でも出揃ってきて、今年はより一層注目されるジャンルへの成長が期待されていますね。まずは、既に販売されているスマートスピーカー製品の市場について聞かせてください。

八木(敬称略)

オンキヨーは、昨年のはじめにAmazon Alexaに対応したスマートスピーカーを参考出品しました。その後、11月にはAlexaに対応した「P3」と、Googleアシスタントに対応した「G3」を発売しました。オンキヨーらしい製品を作ろうと言うことで、音質にこだわった製品として市場投入しています。

オンキヨー株式会社 AI/IoT事業推進室 副室長 八木真人氏

宮崎(敬称略)

市場性について言えば、年末商戦を見る限りはまだ、世界中で拡販期であることを感じています。市場の中心はAmazonで言えば「Echo dot」、Googleなら「Google Home mini」と比較的、廉価な製品が牽引している印象です。ただ、利用者の用途としては楽曲を聴くオーディオ製品なので、今後は普及するにつれて音響性能にすぐれた高音質な製品に目が向けられるだろう、と考えています。

オンキヨー株式会社 AI/IoT事業推進室 室長 宮崎武雄氏

編集部

ウェアラブルや車載用のスマートスピーカーといった新しいジャンルへの展開が次々に発表されていますね。

宮崎

オーディオビジネスは従来の枠組みから大きく変わろうとしています。それをチャンスと捉え、「どうやったらこのチャンスをもっと活かせるだろうか」と考えると、ひとつの回答が”使える場所を増やしていきたい”と言うことだろうと思います。今のスマートスピーカーは家の中で使用することを前提にしたオーディオ・デバイスですが、音楽を聴きたいシチュエーションは家の中だけではなく、いろいろなシーンに拡がっています。音声アシスタント対応のデバイスもいろいろなシーンで活用できるものが必要ではないか、という提案のつもりで、まずは「自転車」と「自動車」での利用を想定したデバイスを参考出品しました。




自転車や家庭、オフィスで楽しむ新感覚ウェアラブルスピーカー

編集部

ウェアラブルスピーカーは斬新ですね。編集部でも「ヘッドホンやイヤホンじゃダメなのか?」というツッコミがありましたが、ヘッドホンやイヤホンとは違うものですよね

河村(敬称略)

首にかけるスマートスピーカー「VC-NX01」は、外でも使えるスマートスピーカーデバイスとして市場のニーズを探るつもりで展示しました。音声操作でハンズフリーで使える点を考えて、家の中では主婦の方が家事をしながら利用できること、外では自転車を乗りながら利用できることが開発の原点です。イヤホンと大きく異なる点は、耳をふさがず、周囲の音も聞こえるオープンな環境だということですね。

オンキヨー株式会社 開発本部 開発技術部 部長 河村文昭氏

宮崎

イヤホンで音楽を聴きながら自転車を運転するのは道交法違反になる恐れがあります。耳をふさいだり、周囲の音が聞こえにくい状態だと危ないたからです。首にかけるスマートスピーカーは、それらの点を加味した上で自転車でも安全に利用できる機器として、ひとつの提案ですね。

編集部

なるほど。自転車に乗るときに利用するには、ヘッドホンではなくこちらが正しいデザインなんですね。家の中や自転車での使用では、周囲に音が聞こえるということは問題にはならないでしすし、便利に使えそうです。でも、電車の中では使用できませんよね

河村

電車の中で、首にかけるスマートスピーカーのデザインで音漏れせずに使用するのは現時点の技術では不可能です(笑)。そのため、電車の中でも使いたいという方に向けて、この機器にイヤホンジャックを付けてみました。電車の中ではこの機器からイヤホンを使って利用できるようにしてあります。

ヘッドホンを装着できる出力プラグが装備されている




音のヘルメットをかぶっているような新鮮な体験

さっそく首にかけるスマートスピーカーを実際に試させてもらった。装着して視聴してみると、たしかに新感覚の聞き心地で、「音のヘルメット」とはピッタリの表現だと感じた。この機器から音が聞こえるという感じではなく、顔の周りを音楽が包み込むような感覚に近い。

ロボスタ編集部の旭が装着して試聴しているところ。音のヘルメットを体験したときは、みんなこんな感じで驚きまじりのニヤニヤした表情になってしまう(機器がずいぶん小さく見えるが、それは旭の顔が大きめなため)。

八木

最近ではオフィス内で業務中に社員が各自で音楽を聴いているケースも増えてきました。その場合、イヤホンやヘッドホンだと、社内とのコミュニケーションがとりづらくなるという問題がありますが、これなら音楽を聴きながら仕事をしているときに、周囲の人から話しかけられても会話に応えたり、そのまま会話に入ることができます。

編集部

装着したまま会話しても、外から見て耳がふさがれていないのが解るので、会話がちゃんと聞こえている安心感がありますね


作業中でも会話や情報収集ができる、ビジネス活用にも可能性を感じる

この機器は前述のとおり、AI音声アシスタントに対応しているので、聴きたい楽曲を声で指定したり、知りたい情報をAI音声アシスタントに話しかけて問い合わせることも可能だ。これはビジネス用途でも大きな可能性を持っている。
今はまだそのような使い方が実現してはいないが、作業中に手が塞がっている人が作業の手を止めずに音声で情報を確認するデバイスになり得る。
例えば工事などの作業中に手順を声でAIアシスタントに問い合わせて確認したり、マニュアルの情報を確認するなどのイメージだ。将来は、スケジュール管理ツールやグループウェア等と連携すれば、作業の手を止めることなく予定の確認や登録、コミュニケーションツールの読み上げと回答など、音声インタフェースによる業務の簡略化や効率化を実現するためのデバイスとしても発展できそうだ。現時点では、ウォッチ型のデバイスが有力視されているが、首に掛ける音声操作が主であれば、首にかけるスマートスピーカーの方がむしろ適したデザインだと言えるだろう。

この機器の音声アシスタントには「Onkyo AI」が使われている。「Onkyo AI」は一般的には聞き慣れない名前だが、位置付けとしてはAmazonの「Alexa」、Googleの「Googleアシスタント」、Appleの「Siri」と同様のものだ。

河村

現状のハードウェアのしくみは実はとてもシンプルです。この機器はスマートフォンとBluetoothで接続し、アプリやクラウドとの連携はすべてスマートフォン側でやっています。技術的にはこの機器だけで音声アシスタントと連携したり、音楽を再生するようなデバイスに開発することも可能ですが、本体価格が高額になったり、SIMカードの契約も必要になるので、どのしくみが良いのかは現在、検討しているところです。



首にかけるスマートスピーカーは「音質はまだまだこれからチューニングしていく段階」としているが、「新しい体験」と同時にいろいろな「気づき」も与えてくれた。さらに、音声アシスタントを初めとしたプラットフォーム「Onkyo AI」についても興味がわく。「Onkyo AI」とはなにか、オンキヨーが考えている将来像なども、くわしく話を聞いていきたいと思う。

なお、オンキヨーは2018年4月4日より東京ビックサイトで開催される「第2回 AI・人工知能EXPO」に出展。同社ブースでこれらの製品を見ることができる。

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神崎 洋治
神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。