会話をデザインするNTTドコモの「セバスチャンハッカソン」が開催! 音声UIに向き合う2日間 #ロボスタ勉強会

6月23日(土)、24日(日)の2日間、ロボットスタートが主催するセバスチャンハッカソンが開催されました。

セバスチャンとは、ドコモが作るAIエージェント基盤のこと。あらゆるモノに会話機能を搭載することを目指して展開されており、会話のメインを司るメインエージェントと、そのアプリケーションとしてのエキスパートエージェントの2つの構造で成り立っています。今回のハッカソンでは、メイン/エキスパートエージェントのいずれかの作品を提出。プレゼン審査を経て、最優秀賞を決めました。

この2日間で、果たしてどのような作品が作られたのでしょうか。



会話を駆使したハッカソン

インプットタイムやアイデアソン、ワークショップ、パネルディスカッションを経て、チームの方向性を決めた1日目。1日目の後半からハッキングタイムに入り、2日目も引き続きチームごとに開発が行われました。

ハッカソンタイムが終わったのは、2日目の14時30分。発表は15時から行われましたが、各チーム時間ギリギリまで開発を続けました。





開発だけでなく発表準備まで。限られた時間の中で、最後まで追い込みます。


最優秀賞に輝いたチームは?


2日目の15時から行われた作品発表。5分間のプレゼンとデモを通じて、審査が行われました。審査基準は、「アイデア」・「完成度」・「面白さ」・「審査員票」の4つ。審査員票は、それぞれの審査員が独自の視点でポイントを入れていきます。合計得点が一番高かったチームが優勝です。



審査員は、「PROJECT:SEBASTIEN(プロジェクト・セバスチャン)」を率いるNTTドコモの秋永和計さん、ロボットパートナーとして活躍する太田智美さん、ロボットスタートでエバンジェリストを務める西田寛輔の3名。




商品は、my daizなどに使えるドコモの「シンプルマイク01」、発売されたばかりのデュアルリスニングイヤホン「ソニー SONY イヤホン STH40DJP」、MacBookも充電できるモバイルバッテリー「cheero Power Deluxe 20100mAh」、スマスピなどから制御できるスマートコンセント「TP-LINK HS105」、二個つなげるとステレオにもなるダンボーのスピーカー「cheero Danboard Wireless Speaker」、携帯できるホワイトボード「CANSAY nu board ヌーボード NGA403FN08」、防水スピーカー「Anker SoundCore Sport」、「Raspberry Pi 3 Model B(JP)」の中から、順位が上のチームから選んでいきます。1位のチームにはシンプルマイクを含めた計3つの賞品が、2位には2つ、3位に1つ、努力賞の2チームにも残った賞品がそれぞれ贈られました。

それではここから、順位とともに作品をご紹介していきます!


第1位 青空セバスチャン


チーム「ドローンズ」が開発した「青空セバスチャン」が第1位でした! おめでとうございます!



「青空セバスチャン」は小説や台本をセバスチャンが読み上げてくれるというもの。メインとなる登場人物の性別を変更できるほか、登場人物やナレーターごとに違う音声で物語を読み上げます。



スマート照明の「Hue」や「ドローン」と連携して、物語に合わせて電気がついたり、風が起きる描写の時にはドローンが飛んだりと、外部の機器との連携したエフェクトにより、楽しく小説を聞くことができます。

メインとなる登場人物の声を落ち着いた男性の声か可愛い女性の声か選択することができるため、気分を変えて物語を楽しめるほか、読み聞かせなどでは子供の性別に合わせて音声を切り替えることで感情移入がしやすくなる工夫がされています。


メインエージェントを搭載したラズベリーパイで各機器をコントロールさせるだけでなく、シナリオに合わせた効果音を再生したり、話者選択のシーンなどでは、柔軟な音声認識にも対応するなど細部まで作り込まれている作品でした。

今回連携したのはHueとドローンだけでしたが、様々なスマート家電と連携して、家中のモノを使った読み聞かせに発展するとさらに面白そうですよね。審査委員長の秋永さんからも「2日間にも関わらず完成度が高い」とのコメントも。まさしく「未来の読み聞かせ」でした。おめでとうございました!


第2位 吉田さん誘拐事件


惜しくも2位となったのは、チーム「犯人はヤス」が作った「吉田さん誘拐事件」でした。おめでとうございます!



「吉田さん誘拐事件」は、音声で操作する謎解きアドベンチャーゲーム。吉田さんを探すために、様々なエージェントを呼び出してヒントを集めていき、最終的に吉田さんを見つけることができるか、というもの。



複数の登場人物の話を元に、吉田さんを誘拐した犯人を見つけて、吉田さんを見つけていきます。スラックと連携をしたり、アイデアも面白かったりと評価は高かったのですが、なにぶん「プレゼンがわかりにくい」という意見が審査員から立て続けに…。(笑)



エキスパートエージェントの応答の仕組みをうまく利用した、犯人逮捕のロジックはよくできていると思いました。



また実はこのチームにはスピンオフして開発が進められていた謎解きゲームも用意されていました。シナリオ自体は同じだったのですが、「メインで開発をしているプロジェクトの開発が間に合わなかった時の保険として」簡易的なものを平行に開発したとのことです。こちらも、デモができるくらいまでちゃんと作り込まれていました。


審査委員長のNTTドコモ・秋永和計さん

登場人物を全員別のエキスパートエージェントで実装するというアイデアは、審査委員でも賛否両論でしたが、「エージェントを呼ぶ」という行為が加わることにより捜査している感覚が出せる点、マジックワードを使ってシナリオを構成しているため、複数のエキスパートエージェントを横断したキャンペーンなどで実際にビジネスに応用できそうな点が評価されていました。

審査委員長の秋永さんからは、「ゲームの要素として複数人数が出てきて呼ぶという世界観はすごく良かった」とコメントがありました。セバスチャンは発話する音声を51種類の声から選択することができるため、各チームこの声の違いを活かしたアイデアが出されていましたね。


第3位 ビルちゃん


チーム「Sake fun fan」が開発したビルちゃんが第3位に! おめでとうございます!



ハッカソンの初日のチームビルディングの際、より良いチーム作りをするためには「お互いを知ることが大切」とフィールドワーク(飲み会)に出向いた「Sake fun fan」のみなさん。

そういった初対面の飲み会で遠慮がちになることを想定し、会話の微妙な間にセバスチャンが反応してくれたら…と考えて作られたのがビルちゃんです。


ビルちゃん

お酒の由来やオススメの食べ物を教えてくれたり、乾杯の言葉に反応して、「今日の出会いに乾杯!」など飲み会を盛り上げてくれます。周囲の騒音具合(デシベル)を感知して、話が盛り上がっているか、変な間(ま)は空いていないかなどを読み取って発話することを目指していましたが、2日間ではその開発までは難しかったようです。

秋永さんからは、「今までは対話が入力のトリガーになっていましたが、人が寄り添いやすいシステムは間合いを理解しタイミングをみたシステムです」「かなり難しいことにチャレンジしている。なかなか難しいだろうなと思いました」とのコメントも。


努力賞は2チーム


残念ながら3位までに入れなかった残りの2チームにも努力賞という形で賞が贈られました。



1つはチームCの「筋トレ君」。これは筋トレに付き合ってくれるメインエージェント。筋トレをしたいと伝えると、トレーナーを「さとる(男性)」か「あかり(女性)」か選ぶことができ、それぞれの声で筋トレをサポートしてくれます。

「いーちにーさんしー」と読み上げる「筋トレ君」。いやいや数えるスピード速すぎだろうと全員が思った瞬間がハイライトでした。

メインのアイデア自体の目新しさはないものの、サーバーと連携した運動回数の管理や消費カロリーの計算などはよくできていました。シナリオやサーバー側の機能がある程度できていただけに、時間内に完成できなかったのは惜しかったです。



そしてもう1チームが「パーソナルトレーナーあおい」を開発した「チーム・ちゃんとやったの?」。目標を達成するためにパーソナルトレーナーが目標を管理してくれるというもの。複数トレーナーがアメとムチで目標達成をサポートしてくれます。ビジネスで利用することを想定して作られており、目標設定を促したり振り返りを促すことにより、マネージャーなどの管理職の負担を軽減するという目的で作られていました。

残念ながら部分的なモックだけの公開となりましたが、LINE連携の開発はできていたとのこと。こちらも、時間内に完成できなかったのが残念です。



まとめと懇親会


今回のハッカソンは音声UIを使った、難易度の高いハッカソンでした。あえてロボットのような見た目を作らず、各チームとも音声での表現をメインに作品を制作していたのが印象的でした。音声でのやり取りを追求するというのは、かなりレベルが高い要求だったのではないかと思います。しかしそんな中で半日で学んだセバスチャンで素晴らしい作品を作られた参加者の皆さま。どの発表も聞いていて面白かったですし、素晴らしいアイデアもありました。


お酒片手に懇親会。懇親会ではデモを体験することもできました

あらゆるモノに会話機能を搭載することを目指すセバスチャン。今後あらゆる製品の裏側でセバスチャンが使われているということが起きていくでしょう。喋らせたいモノがあれば、ぜひ活用を検討してみてください。

そんな注目のセバスチャンについては、ロボスタで行なった勉強会のレポートを今後掲載し、その魅力を掘り下げていく予定です。ぜひそちらもお楽しみに。



2日間ご参加頂いたみなさま、スタッフのみなさま、お疲れ様でした!

関連サイト

PROJECT:SEBASTIEN



関連Facebookコミュニティ
my daiz / sebastien fan club japan


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ロボスタ編集部
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