世界初!ZMPが公道で営業走行する「自動運転タクシーサービス」に自腹で乗ってみた

2018年8月27日、世界初となる自動運転タクシーの公道での営業運転が行われました。ZMPと日の丸交通による実験で、移動手段のない交通弱者を交通「楽」者にするというビジョンに向けての実験となっています。
というわけで、私たちも早速、スマホで自動運転タクシーを予約!自腹で!
六本木ヒルズから乗って、めざせ大手町! 自腹で!


今回の実証実験では、まだ普通のタクシーのように任意の場所を指定するのではなく、六本木ヒルズから大手町ファイナンシャルシティグランキューブの間を運行する固定ルートとなっています。決められたルートをシステムが学習しているため、安全に運行できるということでした。
とはいえ、交通量の多い都内の公道。本当に大丈夫なのでしょうか?


予約した乗車地、六本木ヒルズに到着。
親切なスタッフの皆さんに渡された、実験の内容や禁止事項の説明が書かれた資料を事前に読んでおきます。
自動運転タクシーの技術的なしくみやこれから乗り込む車に搭載されているモニタ表示の解説なども書かれていて、なかなか読み応えある1枚ですよ。

ちなみに予約はスマートフォンでかんたんにできます。こんな画面。
乗りたい場所と目的地、予約した時間等が表示されていますね。画面では「乗車」と出ていますが、予約時間になるまでは、何分後に乗車できるかがカウントダウンされています。

自動運転タクシーでもいつか乗車地と目的地が自由に選べる日が来るといいですね(そんな未来を想像するとすごく便利だろうなぁ、と感じます)

早くこないかな、と待っていると、いよいよタクシーがやってきました!


自動運転タクシーがやってきた




さて、自動運転タクシーが到着しました。ベースはトヨタのエスティマハイブリッドですが、ノーマルとの違いをチェックしていきます。


まずフロントのバンパーに二次元レーザセンサー(LiDAR)が3箇所に設置されているのが目立ちます(中央に1つ、左右に2つ)。グリル中央部分にはミリ波レーダーが内蔵されているようです。


車内にもフロントウインドウに距離測定用のステレオカメラ、白線・信号検知用の単眼カメラがとりつけられています。リヤウインドウにもカメラが1台がありました。他、車内にいくつかの小型カメラが設置されていました。


ルーフ上にも3次元レーザセンサーが取り付けられています。


リヤバンパーにも二次元レーザセンサー(LiDAR)が左右に2箇所、設置されます。またトランクには自動運転用コンピュータが搭載されます。



乗り込むのもスマホで!

乗り込むのも未来な感じです。アプリでQRコードをスキャンさせることでドアが開きます。

タクシーのドアにQRコードがあって・・

それをスマホの画面に写すと・・

タクシーのドアが開いて乗り込める状態に!

今回の実証実験では自動運転といえども安全のため、プロのドライバーが運転席に座ります。また自動運転をチェックするオペレーターも助手席に座っています。乗客は4名、2列のリヤシートに座る形でした。


ドアが開いたら乗り込んで出発です。なお車内の様子は撮影禁止でした。車内では助手席背面にタブレットが設置されており、シートベルトの確認や出発の確認、ルートの確認が可能です。

また運転席背面には少し大きめのディスプレイで自動運転の様子がリアルタイムに表示されます。隣に車がくるとワイヤーフレームの車が表示されたり、車線の様子が情報として表示されます。

また自動運転中は「AUTO」、手動運転中は「MANUAL」と表示されるので今の状態がわかるのもおもしろいところです。基本的には自動運転でいくのですが、停車車両が動かなかったり、横の車がずっといて車線変更できないといった場合にドライバーが運転を介入する場面が何度かありました。


約5.3kmの道のりをおよそ30〜45分で走行してゴールに到着。最後にアンケートに答えて終了です。これで料金は1,500円。通常メーターの料金表示は3,000円を越えていましたが、一律1,500円の支払いとなります。お得っ!


初めて公道で体験した感想

以下、乗ってみた体験者の感想です。

西田:

公道を走れる許可を得ているだけあって、トラブルもなく普通に目的地まで着いたのにビックリ! 車内にあるモニターに周辺の様子などがワイヤーフレームで映し出される演出が楽しかったです! わーわー。

神崎:

取材を通して自動運転車は見たり乗ったりしてきましたが、決められたコースとはいえ「都内の公道」。交通量が多いのに周囲の車や歩道を歩く人を正確に認識して、これだけの速度とレベルで既に走れるというのは感動しました。課題はやはり駐車している車や幅寄せしてくる車ですね。でも、予期せぬことはどんどん機械学習での経験によってクリアされるのでしょう。これからのブラッシュアップが楽しみです。また、タクシー代が劇的に安くなることを期待します。

北構:

乗る前は正直言うと不安に思っていたのですが、乗ってみると不安を感じさせない運転で安心して乗ることが出来ました。都内の交通量が多い道路や人が歩行している交差点も問題ありませんでした。もしサービススタートしたらまた乗ってみたいです。

中橋:

交通量の多い都心の区間を普通に運転する様子は感動を覚えました。若干ブレーキがラフかなと思うこともありましたが、チューニングされていくのは時間の問題なのだろうと思います。本当に楽しかったです。


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ロボスタ編集部

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