日本初、観光地の公道で自動運転バスが走る!江ノ島で小田急と江ノ電、SBドライブが実証実験を公開

小田急電鉄と江ノ島電鉄は、神奈川県と連携して江の島周辺の公道において、自動運転バスの実証実験を実施することを発表し、報道関係者向けに体験会を実施した。自動運転バスはSBドライブと先進モビリティとの協力によって実現している。
江ノ島にある小田急ヨットクラブで式典が行われ、神奈川県知事の黒岩氏や藤沢市長の鈴木氏、小田急電鉄の星野氏、江ノ電の楢井氏、SBドライブの佐治氏らによるテープカットが行われた。

写真左から、SBドライブ株式会社 代表取締役社長兼CEO 佐治 友基氏、藤沢市長 鈴木 恒夫氏、神奈川県知事 黒岩 祐治氏、小田急電鉄株式会社 取締役社長 星野 晃司氏、江ノ島電鉄株式会社 取締役社長 楢井 進氏


観光地の公道は日本初、24時間で450席が満席

今回の実証実験は、自動運転バスが公道を走行するもので、「観光地」で行われるという点では日本初となる。江ノ島で11日より開催される「セーリングワールドカップシリーズ 江ノ島大会」に合わせたもので、大会開催中の11〜16日までの間、片瀬江ノ島駅周辺の「江ノ島海岸バス停」〜「小田急ヨットクラブ」を往復運行する(徒歩で片道約15分の距離)。450名の一般乗車を公募したところ24時間で満席となり、世間の関心の高さを示した。


式典では黒岩氏と星野氏がコメントを発表した後、実際に自動運転バスに乗車してコースを一周した。バスを降りた後、黒岩氏と鈴木氏は記念撮影を行い、電動車椅子型のモビリティ「WHILL」を乗車体験し、報道陣が待つ記者会見場へと向かった。

黒岩氏と鈴木氏が用意されたSNSパネルでツーショット撮影

モビリティ・ロボ「WHILL」を操作して記者会見場へ(「WHILL」については関連記事「【未来的】モビリティ・ロボ「WHILL」に研究開発モデル登場!オムニホイール機構、遠隔操縦、分解などを体験してみた」を参照)


2020年の東京五輪で「レベル4」の自動運転を実現させたい

神奈川県の黒岩知事は、報道関係者から「乗車した感想」を聞かれると、
「非常にスムーズな走りでした。ドライバー席を見ると運転手さんが手を放していることがわかったが、それを見ていなければ乗り心地は普通のバスとまったく変わらない、自動運転とは気付かなかったでしょう。また、運転だけでなく、車内の乗客の安全性にも配慮されている点に感心しました。バスの走行中に席を立ち上がったら、それを検知して「立ち上がらないでください」と自動でアナウンスされました。しかも、その車内の様子を遠隔地からちゃんと見ていて走行が管理されているということです。
神奈川県はさがみロボット産業特区として新しいロボットを誕生させてきました。自動走行システムもロボット技術のひとつで、ロボットタクシーやロボネコヤマトの取り組みを行ってきました。また、神奈川県はたしか5年前に世界に先駆けて高速道路で実証実験を行いました。今や自動運転は世界の潮流になっています。次の大きな目標は2020年の東京オリンピックで「レベル4」の自動運転を、ここ江ノ島で実現したい、そう考えています」
と力強く語った。



■ 動画 小田急と江ノ電が江ノ島で自動運転バスの公道実証実験


路上駐車の対応が課題か

今回の実証実験では、公道であるため安全を考慮し、小田急の運転手が運転席に着座し、一部の区間を「レベル3」で自動運転を行う。いざというときや、一部の安全確認区間のみ運転手が操作を行うレベルだ。
ただ、道路幅が充分に広くないこともあり、路上駐車が大きな課題となった。路上駐車のある場所ではドライバーが常に運転を引き継ぎ、横断歩道では必ず一時停止し、横断者がいないことをドライバーが目視て確認してスタートする安全性第一の運転で実施されている。
また、SBドライブではお馴染みの遠隔監視システム技術「Dispatcher」や社内の乗客の安全を監視するシステムなども運行に重要な役割を果たしている。

江ノ島ヨットクラブの前を走る自動運転バス

小田急電鉄では、小田急沿線で生産人口の減少が進み、2025年以降は自動車の保有人口も減ると見ている。交通弱者が増加する反面、バスのドライバーの充分な雇用の確保も難しくなる。「日本を代表する観光地での実装を通して、自動運転バスの社会受容性を高める」としている。
小田急では黒岩知事のコメントのとおり、2020年にはここ江ノ島で「レベル4」の自動運転バスを実現する考えだ。

なお、今回は報道関係者向けの体験会も行われた。その様子は下記の記事につづく。
> 【動画あり】江ノ島の公道を走るSBドライブの自動運転バスに乗ってみた


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神崎 洋治
神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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