店員は分身ロボット「OriHime-D」、外出困難な人達の社会参加を促すカフェをオープン!アニメ「イヴの時間」とコラボ

分身ロボット「OriHime」の開発、提供を手掛ける株式会社オリィ研究所は、日本財団、一般社団法人分身ロボットコミュニケーション協会と、難病など様々な事情で外出困難な人が、ロボットを遠隔操作して働くカフェ「DAWN ver.β」を東京・赤坂の日本財団ビルにオープンする。
アニメ「イヴの時間」とコラボし、期間は2018年11月26日~30日、12月3~7日の10日間限定。

更に、2020年に寝たきりの人達でも当たり前に社会に参加している未来の実現することを目指し、仲間、支援者を募集するクラウドファンディングを開始した。カフェを利用できるのは最大240席と限られているので、必ず体験したい、と言う人はクラウドファンディングを確認した方がよさそうだ。


OriHime-Dとは

同社の「Orihime」はジェスチャー等によって遠隔からコミュニケーションをとることはできるデスクトップ型のロボットだ。寝たきりや外出が困難な難病の人などのテレワークを可能にすることで注目されている。「Orihime」を改良し、移動ができるようにしたのが「Orihime-D」だ。移動機構を取り入れることで、従来は困難だった案内や接客など、身体を動かしてのテレワークも可能にする。更に約120cmと身長が高く設計され、より存在感を得るとともに、実際に人がいるかのように業務がこなせるよう工夫されている。
また、オリィ研究所は普段からALS協会など難病支援団体と連携し、眼球しか動かすことができない患者でも視線で入力できるインタフェース「OriHime-eye」を開発している。これは2017年から購入補助制度対象の意思伝達福祉機器として全国のALSをはじめとした神経難病患者らに提供されている。


この技術により、今年夏には、ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者が視線入力だけで「OriHime-D」を操作し、近くの人に珈琲を運び、手渡す実験にも成功した。

視線入力インタフェース「OriHime-eye」

今回の実証実験カフェ「DAWN ver.β」では、2018年11月26日~30日、12月3~7日の合計10日間だけ開店する。分身ロボット「OriHime-D」を使い、10数名のリモートワーカーが3~5台のOriHime-Dを入れ替わりで遠隔操作して接客を行う。「OriHime-D」にはカメラとマイクとスピーカーが内蔵されており会話も可能で、難病などで発話が困難な従業員には接客時用の発話パネルを用意し、それを指や視線などで入力する事で合成音声での案内を行う予定だ。

OriHime-Dが働くイメージ

また「DAWN ver.β」の実験を行うにあたり、様々な大学、企業とのコラボレーションを募集したところ、既に国内大手を含む企業数社が協力を表明し、今回初実験となるカフェ「DAWN ver.β」の内装には、アンドロイドと人間模様を描き2008年にインターネット公開、2010年には映画にもなったSFアニメ作品「イヴの時間」とコラボすることが決定した。


オリィ研究所は、2020年には寝たきりの人達でも当たり前に社会に参加している未来を目指し、そのための仲間、支援者を募集している。同プロジェクトのクラウドファンディングが2018年10月4日、makuakeにより開始した。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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