先端技術を⽤いて、ロボットによる新しい社会実装モデルをショーケース化する。
そして東京の未来の姿とそれを⽀える⽇本の技術⼒を国内外へ発信する。
それが東京都が実践しようとしている「Tokyo Robot Collection」の⽬的だ。東京都内に社会実装モデル実証フィールドを設定、ロボットと人間の共存を実践し、実際にサービスを提供することで、東京都の抱える社会的課題である労働力の確保、移動手段の充実、外国人観光客の受け入れ環境の整備などを解決し、その姿を国内外へPRしていくとしている。
この度、この事業の正式名称が「Tokyo Robot Collection」に決定したこと、Pepperやロボホン、OctoChefなどロボット等の選定が完了したことなどが特設ホームページで発表された。株式会社NTTデータ経営研究所がプロモーターとして東京都より受託され、ホームページの運営も行っている。
ロボットと人間の共存を東京都が実証実験
将来、社会実装が可能な東京都内の実証フィールドにおいて、各実証テーマに沿って、人間と共存しつつサービスを提供するロボット(産業用ロボットは対象外)を公募し、外部の有識者等による審査を経て選定、ロボット等の詳細を「Tokyo Robot Collection」公式ホームページにて公開した。
■Tokyo Robot Collection ティザームービー
主なロボットは下記の通り。
A.コミュニケーションAI育成
都内の主要交通機関として日々都民の生活を支える「駅」を中心としたフィールド。通勤、通学での利用のみならず、国内外からも多数の観光客を迎える重要な交通手段を提供するフィールドとなる。
2019年にはラグビーワールドカップ、2020年にはオリンピックやパラリンピックを控え、海外からも多数の訪日客を迎えることになる。日本人利用者の他、訪日観光の方向けに多言語での質問等への対応が強く求められており、駅社員の仕事をサポートするさまざまなロボット活用が検討されている。一般の人が多数利用する空間であり、便利で快適な、かつ安全なサービスを、AIロボットを用いて提供する実証を行う。
実証フィールド提供者:東日本旅客鉄道株式会社
実証日時: 2019年7月22日(月)13:00~17:00、 23日(火)10:00~17:00
実証内容 :
多様な利用者が想定される駅において、利用者からの質問対応を行うAI案内ロボットの実証実験を実施。雑音等が想定される駅の実空間において、AIシステムを用いた対話の精度、音声認識、発話機能の評価など、駅での導入に向けた基礎評価を行う。
■選定ロボット
B.街全体のロボット実装化に向けた実証
2020年に向け、東京の空と海の玄関口に位置する竹芝地区では、都市再生ステップアッププロジェクトをベースとして、スマートシティ、スマートビルを形成することで国際ビジネス拠点を目指した開発を進めている。将来は、街づくりにロボット等の次世代先進技術を活用し、街の活性化や課題解決を目指していく。
同エリアで行われる竹芝夏ふぇすは、竹芝ふ頭を活用するイベントとして2015年より実施され、本年度で5回目の開催となる。地域活性化を目的とし、音楽ライブ及び飲食空間(ビアガーデン)の提供、プロジェクションマッピングを実施するほか、本年度は、会場のあらゆる場所でロボット実証を行う。来場客数は6000人程度を見込んでおり、多くの来場者にロボット事業のPRが可能。
実証フィールド提供者:一般社団法人竹芝エリアマネジメント
実証日時: 2019年8月21日(水)~23日(金) 17:30~21:00 ※雨天中止
実証内容:
本実証は夏ふぇすと同時開催であるため、課題解決に資するものだけでなく、エンターティメント性に富んだ実証を行います。
・飲食調理・移動販売・客引き、案内等のコミュニケーション・警備・パーソナルモビリティ
・その他、夏ふぇすと関連性が高い実証
■選定ロボット
C.ロボットとエレベータが連動した次世代型施設管理構築
三菱地所株式会社が所有又は管理する丸の内・大手町・有楽町周辺のオフィスビルを使用する。実証フィールドとなるビルは決定後に調整。実証フィールドでは、オフィスビルへの訪問者、従業員等が共生する空間での実証を想定。ただし、ロボットのエレベータ乗り込み時や乗降時は、安全配慮から実証関係者のみの制限を設ける可能性がある。
実証フィールド提供者: 三菱地所株式会社
実証日時: 2019年12月中旬頃を予定
実証内容:
将来的に複数のロボットが完全自律でエレベータ移動を行うことを見据えた実証を行います。オフィスビル内エレベータとロボットを連動させ、ロボットが自律してエレベータに乗り込み、他階へ移動し、乗降することを想定します。
■選定ロボット