ロボットの国際競技大会「WRS 2020」ジュニアのトライアル大会開催 小学生女子チームも参加!競技ルールや採点方法は?

経産省とNEDOが主催する「World Robot Summit 2020」(WRS 2020)。その「トライアル競技会2019」が8月9日、相模女子大学で開催されました。おこなわれた競技は19歳以下のジュニアカテゴリー。ソフトバンクロボティクスの「Pepper」(ペッパー)を使ったスクールチャレンジです。


今回のトライアル競技会に出場したのは「Yamamon JAPAN」(広島)、「OK!Google」(兵庫/大阪)、「Margaret Girls」(神奈川)、「Team α」(米国)の4チーム。女子だけで構成された小学生チームも参加しました。

「Yamamon JAPAN」(広島)

「OK!Google」(兵庫/大阪)

「Margaret Girls」(神奈川)

「Team α」(米国)

「トライアル競技会」は本番に備えてテスト的におこなわれる競技会で「予選」ではありません。WRS 2020本番への参加募集はまだ始まっていないので(募集開始時期も現在まだ未定)、今回のトライアルやこの記事を見て、本番に出場してみたいと思った参加者や教育者のみなさん、十分間に合います。ロボットの国際的な大会に出場できる絶好のチャンスです。



Pepperで4つのタスクに挑戦

では、どのような競技内容なのでしょうか。
取材したのはスクールロボットチャレンジの「スキルチャレンジ」で、「Pepper」をプログラミングして、4つの「タスク」に挑戦します。タスクとは次の4つです。


タスクA: Pepperが人を見つけて会話する
タスクB: 人に向かって向きを変えて会話をする
タスクC: 人の後ろをついていく、人を誘導する
タスクD: チームで作成したタスクを実行する(オリジナルのプログラム)

これらのタスクをこなす上で、いくつかの細かなプログラミング技術の組み合わせが必要となり、それが採点基準となります。
例えば、「Pepperが人(顔)をみつけることができるか」「Pepperが人に向かって近付くことができるか」「Pepperから挨拶することができるか」「人の話す言葉を聞いて会話にこたえられるか」などです。クリアできれば細かく加点(得点)されます。

Pepperが人の顔を認識して挨拶や会話をしたり・・・

後ずさりする人を追尾したり・・・

Pepperは一定の間をあけてついていかなければいけません

人が見せたマークを認識して、今度はPepperが先導して案内します

国際大会ということもあって、会話はすべて英語でおこなう必要があります。今回のトライアル大会にはありませんでしたが「プレゼンテーション」も英語でおこないます。チームに英語が上手なメンバーがいるとなお良いかもしれませんね。

競技会に出場するチームは、パドックやスタンバイエリアと呼ばれる場所でPepperのプログラミングや調整をおこないます。

ソフトバンクロボティクスの関係者やスタッフなどがメンターとなって相談に乗ります

いつものプログラミングの成果を見せよう

Pepperの動き、ジェスチャーも念入りにチェック

発表は広いアリーナでおこないます。Pepperが移動したり、人が立つエリアなどは細かく決められています。


トライアル大会での発表は、各チーム1回10分間、それが3回、発表時間として与えられました。時間内にA~Dのどのタスクを発表するかを宣言します。どの順番で発表しても構いません。Pepperは審査員を相手に、話したり移動したり、ジャスチャーをしたりと動作します。







■ 動画 World Robot Summit 2019 junior トライアル競技会




競技結果

最優秀賞は米国から個人で参加した「Team α」が受賞しました。


モスト・イノベイティブ・ソリューション賞は「Yamamon JAPAN」です。昨年東京で開催された「WRS 2018」にも参加した実力のあるチームです。


もちろん4チームともとても頑張りました。
全体としては、Pepperがプログラミングしたとおりに上手く動作しない時間も多かった印象です。発表時間は10分間と決められているため、Pepperは複数台がバックアップとして待機していて、申告によっていつでも入れ替えることができます。それでも、プログラミングした成果を思い通りに発揮できなかったチームが多かったのは残念です。ただ、そうしたトラブルや悔しさも子ども達にとっては貴重な経験であり、きっと将来の糧になるはずです。

参加者と審査員、みんなで記念撮影。参加者同士の交流も生まれると良いですね

「WRS 2020」の本戦は2020年の秋、愛知県で10月に開催されます。パソコンやタブレット等でプログラミングをしたことがある、という程度の経験であっても「やる気」さえあれば大丈夫。挑戦してみてはどうでしょうか。

■ スクールチャレンジ紹介動画


【World Robot Summit 2020】
愛知県国際展示場
2020年10月8日(木)~11日(日)
主催:経済産業省、NEDO
ホームページ: https://worldrobotsummit.org/

また、WRS 2020では、ジャニアだけでなく、様々なカテゴリーでロボット競技がおこなわれます。それぞれの概要や動画が公式ホームページで確認できます。

※トライアル協議会
主催 WRSジュニア競技委員会
共催 相模女子大学、玉川大学 学術研究所 先端知能・ロボット研究センター
後援 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
協力 ソフトバンクグループ株式会社

ABOUT THE AUTHOR / 

神崎 洋治
神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

PR

連載・コラム