ライフアンドデザイン・グループは、自社の知見を活用し、Hmcomm(エイチエムコム)が提供する音声認識システム「VContact」を、コールセンターやオペレーター業務向けの業界に特化したサービス「音声認識できるくん」として開発・導入することを発表した。
同社は、コンタクトセンターにおける業務工数削減による人員/業務の最適化を目指し、将来的には業界全体の業務効率化を促進するため、グループ外企業への販売・ライセンシング等も予定している。
なお、Hmcommは産総研発のベンチャー企業として、産総研独自の音声処理技術を用いた要素技術の研究・開発、ソリューション・サービスを提供している。
葬儀依頼後の事務処理の負荷が大きい
葬儀の依頼は電話での受付が主流となっている。そして葬儀業界は近年、高齢化社会に伴い、2018年の葬儀取扱件数は約44万件(経済産業省2018年データ)にのぼり、年々増加傾向にある。葬儀業界においても葬儀の件数に対して、人手不足が深刻な課題となっており、様々な業務で効率性の向上が求められている。中でも、葬儀関連の申込み受付け通話後の事務処理は手間と負荷が大きく、対応内容の見える化も図られていないため、管理が困難という実状に頭を痛めている、という。
ライフアンドデザイン・グループはこれらの課題を解決すべく、これまで管理や事務作業が負担となっていたオペレーター業務の記録業務を、AIにより自動要約する音声認識システム「音声認識できるくん」を開発・導入を行った。
通話内容を自動要約
「音声認識できるくん」は、オペレーターの対応業務での通話内容を音声認識によって自動要約し、本部が一括でコントロールできるシステム。管理者は、リアルタイムで行われているオペレーターと顧客の会話内容を表示できるので即座に対応することが可能。また、音声・要約結果データを保存する日数を指定できるため、管理が簡単になる。
スタッフの通話画面には、左側にオペレーターとカスタマーの通話内容(音声認識結果)が表示され、右側にFAQ画面が表示される。通話画面中において、特定のキーワードが音声認識されると、そのキーワードに紐づいたFAQがリストアップされるようになっている。リストアップされたFAQタイトルをクリックするとFAQを見ることができる。
また、通話内容から、事前に作成した帳票のフォーマットに項目が自動で入力される「自動帳票出力機能」で自動作成が可能。帳票は依頼連絡、供花注文、事前相談の3種類を備え、問い合わせの内容に応じてタブを切り替えることで、任意の帳票を作ることができる。
自動要約の間違いを人が訂正するとAIが学習
さらに、AIによる訂正UI機能を利用することにより、通話内容の誤りを訂正し、音声認識精度を改善させていくことができる。また、各オペレータの音声特性を学習することで、各オペレータに最適化された音声認識精度の向上が可能。
ライフアンドデザイン・グループは、2019年9月よりグループ子会社の葬儀社である洛王セレモニー、神奈川こすもすの2社で導入し、システムの改善を図っていく。また将来的には、グループ外企業への販売・ライセンシング等も予定しているという。
ライフアンドデザイン・グループ
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。