株式会社Doogは、運搬ロボットとして重量物を扱える大型機「サウザージャイアント」を、標準機のサウザーと同様にEシリーズ化し、ベースユニット(型番:RMS-15E1)の受注を開始したことを発表した。
Eシリーズ化によって、重量物の積載や牽引の用途に拡がり、特にパレット搬送においても効果的なシーンが想定される。サウザージャイアントEシリーズの出荷開始時期は、2020年2月頃を予定している。(冒頭の画像がサウザージャイアントEシリーズ ベースユニットのイメージ)
サウザージャイアントとは
サウザージャイアントは、最大可搬重量900kg相当(積載300kg、牽引600kg相当)の高い搬送力を持つだけでなく、高い制動力によって標準機のサウザーよりも安全に重量物を扱えることから、特にパレット搬送において優れた能力を発揮する。同社の発表では、サウザージャイアントの2種類の搬送方法として「ハンドパレットトラック牽引」と「パレット積載型」が紹介されている。
■ハンドパレットトラック牽引
サウザージャイアントの持つ無人ライン走行の機能は、特にある地点から別の地点への長距離の搬送において大きな導入効果が得られる。パレット単位で積載される荷物を、サウザージャイアントがハンドパレットトラックのグリップ部を締結して牽引することで無人搬送することが可能になる。
ハンドパレットトラック向けの牽引金具は、サウザー販売においてインテグレータ事業者が現場の安全な運用に関する説明と共に提供してゆく体制となっている。また、牽引する荷物のサイズに合わせてバンパセンサの信号端子に追加の光距離センサ、超音波距離センサ、ヒゲセンサなどをカスタマイズすることも可能。
■パレット積載型
サウザージャイアントの持つ自動追従走行の機能は、広視野270度のレーザセンサによって狭い場所でも周囲の障害物を検出して衝突回避をしながら適切な軌道を走行できるため、狭い通路でも安全に走行できることができる。この特長を活かし、サウザージャイアントがコンパクトにパレット搬送を出来るようにしたのがパレット積載型。
超大型の荷台で自重と荷重を支えて動くためのキャスターを備えたフレーム台車をサウザージャイアントに被せて結合し、サウザージャイアントは追加フレーム台車を内側から押すことで移動する。周囲にある追加フレーム台車の支柱はセンサデータから取り除き、サウザージャイアントに設定された車体形状も拡大することによって、サウザージャイアントはパレット積載型としてコンパクトに自動追従走行や無人ライン走行をすることができる。
既に試験販売を実施した機体は複数の物流倉庫と工場で運用を行っており、特にパレットピッキングを行う現場で作業性を大きく向上している。まずは、Doogの設計寸法に基づいた1サイズのパレット積載台車が提供され、まもなく発売を開始。また、将来的にインテグレータは各現場で異なる形状の積載台車に関してパラメータ設定を出来るようになる見込み。
サウザーシリーズの特長
サウザーは優れた追従性能と、操作性がシンプルで誰にでも使いやすい点が評価され、これまでに工場や倉庫等を中心に国内外で数百箇所の現場に導入されている。様々な現場へサウザーが導入されているポイントとして、以下の特長が挙げられる。
●簡単に使用できる
ボタン操作がシンプルなため、納品時に専門家の立ち合いやセットアップがなくてもすぐに使用できる。また、ユーザの既存の業務工程を再設計しなくても使い始めることが可能であることから、導入側の負担が少なく、現場作業者から受け入れられやすい。
●用途が広がるカスタマイズ性
荷台への構造部材の追加や、操作ボタンの追加等の簡単なインテグレーションに留まらず、インテグレータがEシリーズを活用することで、牽引運用、バッテリー、周辺機器やネットワークについても各現場の安全や運用に合うよう柔軟に構築できる。
●インテグレーションや保守のサービス
様々な事業者との連携により、現場に合わせた効果的な導入の提案や導入後の保守対応が可能。
・インテグレータ事業者:単に個別部品をモノとして販売するだけでなく、現場の課題をより適切で安全に解決するためのソリューションを提案
・協力事業者:対応周辺機器に自社の強みを活かして取り組む
・保守事業者:全国拠点によるオンサイト保守を提供
Doogがモビリティロボット事業を開始、一人乗り「ガルー」と二人乗り「モビリス」の運用スタート、今後は4人乗りの開発も視野に
人に自動追従したり自律移動する運搬ロボット「サウザー(THOUZER)」がバーコード対応
Doog
ABOUT THE AUTHOR /
山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。