遠隔操作のショベルカーで除雪作業 ロボット技術を活用 三菱電機とSE4が岩手県で

株式会社エスイーフォー(以下 SE4)は、三菱電機による協力のもと、岩手県滝沢市にて同社初となる実機を用いた遠隔操作技術の実証実験を実施したことを発表した。

実証実験では、SE4が現在開発を進めているロボット遠隔操作技術を搭載したショベルカーを用いて、遠隔操作による除雪作業を試行した。同社は新たに得られたデータをもとに、掘削や整地等の主に建機を使用した作業に必要な技術精度の向上にむけ、研究開発を促進していくとしている。


ロボットが自律的に作業、ティーチングして柔軟に対応できるSE4の技術

SE4では、自社で開発したソフトウェアを建機や双腕型アームロボット等へ搭載し遠隔操作を行う技術開発を進めており、このソフトウェアを搭載したハードウェアを総称して「ロボット」と呼んでいる。

従来の遠隔操作技術では、ユーザーの動きを模倣するタイプの技術の場合、細かく複雑な作業には適しているものの、常時ロボットの動向を見守る必要がある為ユーザー自身に高い技術力と集中力が求められる。所定の作業をあらかじめプログラミングし実行させるタイプの技術では、一定の作業を繰り返し行う事には長けていても、イレギュラーな事態が発生するとその都度プログラミングをし直す必要があるためタイムリーな対応が困難。

SE4の技術では、VR空間に生成された現場の様子から、ユーザーが作業領域を指定する等の必要な情報を直感的な操作で判断・指示し、ロボットが自律的にタスクを実行する。また、現場や土壌の状態等複合的な要素から作業方針を決める等、総合的な判断が必要な場合は、ユーザーがマニュアルモードにて作業を実行。もしくは改善策をロボットへティーチングし作業を継続させることができる。特に不確定要素の多い掘削作業においては、このような柔軟性が不可欠だという。


VR上にて作業領域を指定している様子。青のボールは除雪したい箇所、赤のボールはすくい上げた雪を置きたい箇所を示す。

ショベルカーがユーザーの指示通りに作業を実施する様子。

この技術を用いることで、建機を始めとするロボットを利用した様々な作業を、遠隔地から効率的に行うことが可能。除雪作業においては、作業時間や、一人では作業が困難な高齢者宅での負担減等、人的負担の削減が見込まれる。


左 従来の除雪作業、 右 VRでショベルカーに除雪の指示をする様子

滝沢市によると、個人宅や個人商店の駐車場スペース等除雪車を使用することができない場所では、人の手による作業が行われており、かかる負担も非常に大きいとのこと。このような特に手作業が必要な現場においては、技術導入の高い需要が見受けられるという。

SE4は、人とロボットが協働する未来を目指して技術開発に取り組んでいる。将来的には同社技術を宇宙でのインフラ構築に利用することを目標に、まずは地球上のあらゆる環境において実証実験を開始している。なお、今回の実証実験では、三菱電機においてオープンイノベーションの推進を担当する未来イノベーションセンター、滝沢市のコミュニティスぺース「ビッグルーフ滝沢」に会場提供、及び協力してもらい、SE4は実際の作業環境を想定した屋外の現場にて、実機を稼働させる初の試みを実現した。

同社はプロジェクトにおいて新たに得られたデータをもとに、掘削や整地等の主に建機を使用した作業に必要な技術精度の向上にむけ、研究開発を促進していくとしている。

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山田 航也
山田 航也

横浜出身、1998年生まれの20歳。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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