【新型コロナ影響の検証】アパレルや雑貨店の来店者数の動向とAI分析結果をABEJAが公表 3月2週から回復の兆しか?

株式会社ABEJAは、小売店舗向けにカメラとAIを使った動線や顧客属性などを分析するマーケティングを主力サービスのひとつとして提供している。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、同社の小売店舗向け解析サービスABEJA Insight for Retail 導入店舗を対象に検証を行った結果、3月第1週時点の小売店への来店者数が前年より大きく減ったことを【第1弾レポート「新型コロナウイルス感染拡大、全国700店舗の3月第1週の来店者数、前年の56.3%まで落ち込む」】で発表した。

また、その後の動向も加え、さらに詳細に検証した結果を3月25日に第2弾として発表した。

ABEJA Insight for Retailとは
同社はAIの社会実装事業を手掛ける企業。2018年12月に、米Google社より日本で初めて出資を受け成長を加速させている。
ABEJA Insight for Retailは、小売店舗向け解析サービス。これまで小売流通企業を中心に120社700店舗以上に利用されており、ミック経済研究所による調査結果をまとめた「AI(ディープラーニング)活用の画像認識ソリューション市場の現状と展望【2019年度版】」(2019年9月17日発刊)の「AIマーケティング市場」及び「小売卸AI市場」ではシェア1位となっている。




前年比60.6%まで減った後、緩やかに回復傾向

今回の調査では、同社の小売店舗解析サービス「ABEJA Insight for Retail」を導入している店舗のうち、任意で抽出したアパレル・雑貨の企業計43社の468店舗を対象に実施。新型コロナウイルスの国内初の感染者が確認された1月第3週(13ー19日)から3月第3週(16-22日)までの期間の傾向を分析。その結果、3月第1週にいったん前年比60.6%まで減った「アパレル・雑貨」の店舗への来店者数の減少ぶりが、その後和らいでいることが分かった。また、エリア別では東日本の店舗の方が、西日本より来店客の落ち込みが大きい傾向があり、店舗形態別では「路面店」が、他の形態より落ち込みが目立った。


今回の調査結果を受け、同社のABEJA Insight for Retailカスタマーサクセス担当である小林航氏は以下のようにみている。

ABEJA Insight for Retailカスタマーサクセス担当 小林航 氏

今回の調査を通じ、来店者数、店前通行者数、店舗売上額、全てが3月2週目以降に回復傾向にあることが分かりました。店前通行者数よりも来店者数の減り幅が大きいことから、ふらりと入店してくる『ウインドーショッピング層』が減り、代わりに最初からこれを買う、と決めている『目的購買層』の割合が増加していることが推察されます。個別の店舗のデータを見ても、入店率や買上率が上がっている店舗が多く存在していました。こうした時期に店舗を訪れるお客様は、欲しいものが明確にあるなど、購買意欲が高いのでしょう。SNSを活用した情報発信などで店舗からお客様へのコミュニケーションを増やすことで、 目的購買層を増やすことができるかもしれません。



また、ABEJA Insight for Retail 事業責任者 伊藤久之氏もは次のようにコメントしている。

ABEJA Insight for Retail 事業責任者 伊藤久之 氏

全国的に来店者数の落ち込みに回復の兆しが見えてきたことは、小売・アパレル企業の皆さまにとっては朗報になるかと思います。ですが、新型コロナウイルスへの警戒をゆるめることができる状況では依然としてありません。3月19日、政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議で「地域の実状に応じた対策の必要性がある」との見解が示されました。アパレル企業の皆さまにおかれましては、各地域毎のウィルス感染状況と店舗毎の経営状況を踏まえた、冷静な判断が求められている状況かと思います。私どもは今後も、小売・アパレル企業の皆さまのデータに基づく意思決定を支援していきます。




データ分析結果について

全体の傾向としては、「来店者数」は1月第3週以降、90%から緩やかに減少していたが、全国の公立学校の休校が始まった3月第1週に最も落ち込み、前年の60.6%にとどまった。同月第2週に入ると、前年の67.7%にやや持ち直し、同月第3週も同様の傾向が続いている。「店前通行者数」は、2月第1週以降、緩やかに減少していたが、政府による時差出勤やテレワークの推奨があった2月第4週に78.5%まで下がり、3月第1週には69.5%まで落ち込んだものの、3月第2週には75.9%にやや持ち直した。第3週はほぼ横ばいの傾向が見られる。「店舗売上額」に関して、2月第3週までは前年と同じ傾向だったが、2月第4週に入ると前年の90%を割り、3月第1週には同64.2%に落ち込んだ。同月第2週には、70.8%とやや持ち直し、同月第3週には85.6まで持ち直している。店舗業態別、エリア別の傾向は以下の通りだ。



店舗形態別の傾向

「来店者数」はすべての店舗形態で、3月第1週に軒並み大きく落ち込んだ。なかでも「路面店」が前年比55.8%と落ち込みが目立ったが、その後は同月第2週で58.0%、同月第3週で61.4%と少しずつ持ち直し基調に入っている。また「商業施設内店舗」も3月第1週に前年の59.1%まで落ち込んだが、第2週には67.4%、第3週には68.6%と持ち直しつつある。なお、店舗形態別の「店前通行者数」「店舗売上額」は母数が少ないため分析していない。




エリア別の傾向

「来店者数」はすべてのエリアで3月第1週が最低となり、西日本より東日本の落ち込みが大きい傾向がみられる。特に、2月末に知事が緊急事態宣言を出した「北海道」は3月第1週が49.1%、「関東7都県(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川)」は同時期58.9%に落ち込んだ。また「中部9県(愛知、岐阜、石川、富山、長野、静岡、三重、山梨、新潟)」も57.2%まで落ち込んだ。同月第2週に入ると、どのエリアも来店者数の減り幅は和らいだが、第3週はエリアによって増減が分かれた。なお、エリア別の「店前通行者数」「店舗売上額」は母数が少ないため分析していない。また、今回の対象店舗の所在地は41都道府県(山形、鳥取、山口、島根、長崎、福井の6県は除外)となっている。



【調査方法】
店舗内に設置されたカメラやセンサーから来店者の情報を把握、新型コロナウイルスの国内初の感染者が確認された1月第3週(13日ー19日)から3月第2週(16-22日)の「来店者数」「店前通行者数」「店舗売上額」の推移を検証。具体的には3つの指標の1週間(月曜~日曜)の平均値を算出、前年同時期と比べた。また、エリア別、店舗形態別でも同様に比較した。

● 指標の定義
来店者数=お店に入ってきた人の数
店前通行者数=店の入口の前を通った人の数(※一部店舗のみ)
店舗売上額=店舗ごとのレジ売上額(※一部店舗のみ)
※「店前通行者数」「店舗売上額」が把握できる店舗は一部となっている。
● 用語の定義
「商業施設内店舗」=いわゆる「駅ビル」やショッピングセンター、百貨店など、様々なメーカー、ブランドが集まっている施設に入っている店舗
「路面店」=街中心部にある、駐車場がなく主に歩いて来店する個店を指す
「ロードサイド(RS)」=大きな駐車場がある郊外の個店
「アウトレット」=ブランド品を割引価格で販売する店が集合する郊外の施設を指す
関連サイト
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ロボスタ編集部
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