【新型コロナ対策】宿泊感染者の食事やアメニティ類を無人運搬車が客室フロアに運ぶ ZMPが「CarriRo AD」を活用

厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の軽症者等の宿泊療養マニュアル」によると、宿泊療養を行う軽症者については各部屋までの配送ではなく、特定場所に運ばれた弁当などを宿泊軽症者等が受け取りに来るといった運用ケースもある。このようなケースにZMPはCarriRo ADの活用を提案している。「新型コロナウィルス療養軽症者施設向け特別レンタルプログラム」の料金は「CarriRo AD」(自律移動モデル)で月額10万円(税別)程度。

株式会社ZMPは新型コロナウイルス感染症の軽症者等の宿泊療養における関係者の要望を受け、物流支援ロボット「CarriRo」による物資搬送ソリューションを提供することを発表した。CarriRo ADは台車型自動追従ロボットで、自律移動もできるため、所定の場所にお弁当やタオル類等を無人で届けることができる。


宿泊フロアへの搬送をCarriRoが無人で行うことにより、職員が当該フロアに行かずとも物資を搬送することが可能。また施設によっては宿泊軽症者等の滞在するフロアを自動巡回し、各部屋前まで物資を搬送できる。このような運用をエレベーターとの連携や無線通信環境を前提とせず構築できるため、迅速に対応できる。


CarriRo ADで軽症者等の受け入れ施設の運搬業務を省力化

現在、軽症者等の宿泊療養を受け入れる施設や民間のホテルが全国各地の自治体において募集され、決定され始めている。軽症者等の受け入れ施設では、日々の弁当配送やゴミの回収など、多くの物資搬送業務が発生している。このような搬送業務には各自治体の職員が緊急対応するなど、深刻な人手不足が発生しているだけでなく、職員の二次感染など今後施設の拡大にあたっては大きな課題に直面している状況にある。さらに、療養軽症者も施設の閉鎖空間で大きなストレスを抱えているということも課題となっている。

ZMPではこの状況に対して物流支援ロボット「CarriRo」の活用により、医療、運営職員の「感染リスク低減」「心理的負荷の軽減」「運搬業務の省力化」に貢献するソリューションを提供する。ソリューションについては複数の自治体の協力のもと、宿泊療養が計画されている実際の施設で動作検証も行っている。


運用中は「ROBO-HI」で状態を遠隔モニタリングできる。

厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の軽症者等の宿泊療養マニュアル」によると、宿泊療養を行う軽症者等(以下、宿泊軽症者等)については各部屋までの配送ではなく、特定場所に運ばれた弁当などを宿泊軽症者等が受け取りに来るといった運用ケースもある。このようなケースでは宿泊フロアへの搬送をCarriRoが無人で行うことにより、職員が当該フロアに行かずとも物資を搬送することが可能。

■新型コロナウィルス感染者受け入れ施設での物資運搬フロー例
エレベーターにCarriRoを乗せて宿泊フロアへ送り出した後、CarriRoは自動でエレベーターを降りてフロア内で停止。



宿泊軽症者等が物資を受け取り後、一定時間経過後にエレベーターを経由して元の階に帰還。






運用中はCarriRoと接続された管理システム「ROBO-HI」での状態を遠隔モニタリングできる。

この運用ケースにより職員の作業エリアを限定でき、感染リスクの低減とともに運搬作業の省力化が可能となる。また施設によっては宿泊軽症者等の滞在するフロアを自動巡回し、各部屋前まで物資を搬送することも可能。このような運用をエレベーターとの連携や無線通信環境を前提とせず構築できるため、迅速に対応できる。

「物流支援ロボットCarriRo 主な仕様」
・本体重量
55kg
・大きさ
幅61cm×奥行91cm×高さ24cm(ハンドル部96cm)
・最大積載荷重
150kg
・牽引力
250N (300kg相当 *路面状況や台車の状況による)
・充電時間
2時間半
・稼働時間
8時間(*稼働状況によって異なる可能性がある)

さらに同ソリューションは施設外部からの個別配達物を指定フロアへ届けるといった場合にも活用することができるため、家族からの物資受け取りや、宿泊軽症者のネットショッピングを行った場合の受け取りなど、職員のリスクや労力を極力増やさずに、宿泊軽症者に利便性を向上させることができる。

新型コロナウィルス療養軽症者施設向け特別レンタルプログラムの製品価格は「CarriRo AD」(自律移動モデル)が1年間月額10万円(税別)。期間は3カ月~1年で設定可能で、価格は変動の可能性がある。その他、自律移動用ランドマーク等の別途費用が必要。

現在のような非常時、社会全体での一致団結した対応が必要な今、ZMPはロボットベンチャーとして今すべきことを政府や自治体ほか関係者と協力し取り組んでいくとしている。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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