製造業向けAIシステム開発を手掛ける東工大発AIベンチャーPros Consは外観検査AI「Gemini eye」をNVIDIA社製AIコンピュータボード「Jetson」シリーズに対応させ、「Gemini eye for Jetson」として2020年7月1日(水)より提供を開始することを発表した。(上の画像はJetson端末でリアルタイム処理を行い、不良品を判定)
「Gemini eye for Jetson」はGemini eyeの拡張ソリューション。Gemini eyeで作成したAIモデルを利用し、Jetsonシリーズ(Jetoson Nano、Xavier NX、AGX Xavier、TX2の各開発者キット、モジュール搭載製品に対応)で外観検査を行える。複数台のJetson端末を用いて複数ラインを同時監視できるほか、無線通信も利用可能。
同社は今後、教師なし学習手法だけでなく、教師あり学習とのハイブリッドAIを用いる等ソフトウェアの高度化をしていく。なお、「Gemini eye for Jetson」は2020年10月28日~30日に幕張メッセで開催予定の「AI・人工知能EXPO」に出展予定。
【動画】「Gemini eye for Jetson」のデモンストレーション
「Gemini eye for Jetson」4つの特長
1.Jetsonシリーズでの動作
2020年6月時点で発売されている全てのJetsonシリーズに対応(Jetoson Nano、Xavier NX、AGX Xavier、TX2の各開発者キット、モジュール搭載製品に対応)。現場のニーズに合わせ、希望の製品にて運用が可能。
2.複数ラインの監視
複数台のJetson端末を用いて、複数ラインを1つのPCで同時監視できる。ライン数に制限はなく、簡単に拡張が可能。
3.リアルタイム判定
Jetson端末でリアルタイム処理を行い、不良品の判定を行う。Jetson Nanoでも5fps以上の処理速度を実現している(1280×720(HD)の動画を用いて、検査対象200×200を処理)。
4.無線通信対応
Jetson端末に無線通信機能を拡張することで、無線での利用が可能。検査ライン周りの配線やルータ配置に困ることはない。
Jetson端末のセットアップと利用ライセンスをセットで提供
Jetson端末のセットアップと利用ライセンスをセットで提供。端末は自社で用意するか、同社が別料金で準備する。Gemini eye for Jetsonを利用するためには、予めGemini eyeのライセンス契約が必要。利用料金の詳細はGemini eyeホームページで確認できる。
製造現場ではコンパクトで安価なエッジAIソリューションに期待が高まる
製造現場においては、セキュリティや遅延の観点よりクラウドサービスが利用できないケースが少なくない。フルスペックPCを利用したAI運用は充分なマシンパワーを保有する一方で、設置スペースやコストの面で課題を抱えている。そのため、リアルタイムに処理を行えるコンパクトで安価なエッジAIソリューションへの期待が高まっている。また、AIの現場導入が着実に進み、複数ラインの同時検査ニーズが高まっており、AIベンダーには対応が求められている。
株式会社Pros Consは東工大発AIベンチャー。数十のプロジェクトに従事した経験を基に、2019年1月に設立。「使えるAIを皆様のもとへ」を合言葉に、業務で充分に活用できるAIシステムの開発を目指す。
現在同社では、Gemini eyeの更なる普及のため、以下の提携企業を募集している。
提携をご検討頂ける会社のご担当者様は、お問い合わせよりご連絡ください。
・カメラ、照明、検査台等のハードウェアベンダー様
・自社製品にGemini eyeを組み込み希望の企業様
・Gemini eye販売パートナー企業様
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。