最先端の都市型スマートビルにはロボット、AI、IoT技術が満載 9月開業の「東京ポートシティ竹芝オフィスタワー」の最先端技術

東急不動産と鹿島建設が国家戦略特別区域計画の特定事業として共同開発中の「東京ポートシティ竹芝」の基幹を担うオフィスタワーの工事が2020年5月29日に完了。開業日が9月14日(月)となることが発表された。


地上40階、地下2階、延床面積約18万㎡の大規模複合施設

東京ポートシティ竹芝オフィスタワーは地上40階、地下2階、延床面積約18万㎡の大規模複合施設。オフィスフロアは9階~39階に位置し、ソフトバンクグループとソフトバンク、WeWork Japan合同会社の入居が決定している。8階のクリエイションフロアにはシェアオフィスやスタジオを設置。計画では官民合築として低層階2~5階に東京都立産業貿易センター浜松町館が入居する。


店舗や展示室・ホール、スタジオなどの多様な施設を備える

1~3階の商業エリア「竹芝グルメリウム」には人とヒューマノイドロボットが一緒に働く次世代型コンビニ「ローソン Model T 東京ポートシティ竹芝店」をはじめ、21店舗のバラエティに富んだテナントの出店が決定。商業エリアはオフィス社員はもちろん、近隣住民も利用可能。(上の画像はイメージ 公式サイトから引用)


ロボットコンビニイメージ



リアルタイムデータを活用して施設内の混雑回避や利便性向上

東京ポートシティ竹芝オフィスタワーは従来のビル設備に加えて、最先端のセンシングデバイスとエッジ解析によりデータをプラットフォームに収集し、リアルタイムに処理・配信する。これによりオフィスワーカーや来館者は「エレベーターホールの混雑状況の見える化」や「トイレ空き情報の見える化」、「ゲリラ豪雨」や「電車が運転見合わせ」など外に出てみないと判明しない情報も、ビル内のサイネージやワーカー向けアプリでお知らせしてくれる(一例)。また、データを活用した効率的なビル管理も行う。



さらに人手不足の解消として、ソフトバンクロボティクスのロボット掃除機「Whiz」とSEQSENSEの自律移動の警備ロボット「SQ-2」が導入される。


「東京ポートシティ竹芝」オフィスタワーのポイント

・ リアルタイムデータ活用で施設内の混雑回避や利便性向上に貢献
・ 人とロボットが一緒に働く次世代型コンビニをはじめバラエティに富んだ21店舗が揃う商業エリア
・ 生物多様性保全の取り組み「竹芝新八景」と水と緑を感じながら働く「Green Work Style」を提案


新たな国際ビジネス拠点の創出を目的とした「東京ポートシティ竹芝」

「東京ポートシティ竹芝」では最先端のテクノロジーを活用した都市型スマートシティの実現により、新たな国際ビジネス拠点の創出を目的とした複合再開発が進められてきた。オフィスタワーは入居予定のソフトバンクとビル内の状況をセンシングや解析したデータをリアルタイムに活用する最先端のスマートビルを構築している。


所在地:東京都港区海岸一丁目20番9他

浜松町駅からオフィスタワーをつなぐ歩行者デッキ


リアルタイムデータ活用で施設内の混雑回避や利便性向上


1.リアルタイム情報可視化で混雑を回避した快適なワークスタイル

エレベーターホールやビル内施設の混雑状況、気温・湿度といった環境情報等あらゆるデータをオフィスワーカー向けに配信。「利便性・快適性の向上」「業務効率化」に加え、リアルタイムデータに基づいた混雑回避を可能にする。


配信画面イメージ

・「混雑状況の見える化」時差通勤の提案
3Dセンサーでエレベーターホールの混雑状況を検知し、リアルタイムに配信。また、混雑が緩和する時間帯をワーカーに提案し、出勤時間を分散する。

・「混雑状況、環境情報の見える化」快適なテラス利用
AIカメラがテラスの空き状況を検知し、屋外環境センサーによる温度、湿度を配信。ランチや休憩、外での仕事など、快適なテラス利用をサポートする。

・「トイレ空き情報の見える化」ストレスフリーなトイレ利用
開閉センサーによるトイレの空き情報を可視化することで「個室が空いていなくて並ぶ」「別の空いているトイレを探しに行く」というストレスを軽減する。


2.リアルタイムデータ連動型デジタルサイネージを活用し、今欲しい情報を提供

施設のお知らせに加えて、飲食店舗の空席情報を約30箇所のデジタルサイネージ上に配信。また、施設内の混雑状況や外部の交通情報などのデータと連動し、時間帯や空席率に応じて割引や限定クーポンをデジタルサイネージ上に配信することで、快適な利用を実現する。


配信画面イメージ

・「空席状況の見える化」快適な飲食店利用
AIカメラ画像解析による店舗混雑度をリアルタイム配信することでよりスムーズな店舗選びが可能になり、「満席で入れない」「時間がないのに順番待ちをする」といったストレスの軽減、効率的な利用を実現。

・「天気や交通情報の配信」事前判断をサポート
「ゲリラ豪雨」や「電車が運転見合わせ」など外に出てみないと判明しない情報も、ビル内のサイネージやワーカー向けアプリでお知らせ。また、外部連携インターフェース(API)を利用する事で入居企業のアプリで情報配信する事も可能になる。


3.AIカメラやWi-Fiデータで施設利用の傾向を分析し、レポートを提供

AIカメラやWi-Fiのデータを解析し、施設利用の傾向情報を分析。各店舗テナントへレポートを提供し、店舗利用者向けの施策や来店者用ツールに活用することで「数値に基づいたマーケティング」を支援する。

・「館内利用者の分析」店舗テナントの販促活動や在庫管理を支援
施設全体の利用者傾向情報や店舗ごとの利用者データを分析し、レポートを提供することで「売り上げ予測」や「在庫管理最適化」をサポート。


店舗テナント向けレポート・ツールイメージ



4.施設内データ活用・連携による「スマートビルマネジメントの実現」

施設内データを集計・可視化し、Webアプリケーションで監視、異常を検知する。管理スタッフのグループアプリとも連携し、従来の現場巡回や通報時だけでなくリアルタイムでの状況把握、情報連携、異常事態への対応を可能にし、「効率的なビル管理」や「セキュリティ向上」を実現する。

・利用者の滞留や警備員の位置情報など、施設状況を可視化
「施設内ヒートマップ」、「警備員位置情報」「不審者検知」、「立ち入り禁止区域の監視」、などの情報をリアルタイムで可視化し、スピーディな検知・警備員の対応が可能になる。

・トイレやごみ箱状況の可視化による清掃業務の効率化
トイレの利用状況やごみ箱の残容量を可視化することで、適切な頻度で必要箇所の清掃を実施することで、無駄のない効率的な清掃業務を可能とする。



施設内データ管理画面イメージ

・清掃、警備のロボット活用による人手不足の解消
ソフトバンクロボティクス株式会社のロボット掃除機「Whiz」を導入し、人とロボットが役割分担をすることで清掃の効率化を実現する。また、SEQSENSE株式会社の自律移動の警備ロボット「SQ-2」が巡回業務、立哨業務、動哨業務を実施。警備業の負担を軽減し、より高度で安全性の高い警備の実現に貢献する。


上下階の移動は、三菱電機のロボット・エレベーター連携システムにより解決

オフィスビルへのサービスロボット導入にあたって最大の課題であった上下階の移動は、三菱電機のロボット・エレベーター連携システムにより解決する。最新のIoT技術を取り入れた通信方式を活用することで、「配車号機の通知」「戸開閉情報や乗車/降車指示のやり取り」「複数種/複数台ロボットへの対応」が可能となり、安全を確保しながら人とロボットが共存するスマートビルを目指す。



1~3F、6Fの「商業エリア」

1~3階、6階にはオフィス社員はもちろん、近隣住民が利用できる開放的なカフェやバラエティに富んだレストランがオープンする。Telexistenceと東急不動産が共同で、陳列業務を担うロボットを導入した次世代型コンビニ「ローソン Model T 東京ポートシティ竹芝店」をはじめ、緑豊かで風通しのよいテラス付き店舗でのランチや仕事帰りに気軽に寄れる「みなと横丁」などオールデイユースの商業エリアを提供。






オフィスタワー2~6F 緑に囲まれスキップテラス

オフィスタワー2~6階部分には緑に囲まれた憩いの空間としてスキップテラスを整備し、「空・蜂・水田・香・菜園・水・島・雨」の8つの景から成る「竹芝新八景」を展開。緑豊かな環境づくりを行うと同時に、スキップテラスを活動拠点とする「竹芝UBC」(Urban Biodiversity Center)を設立し、体験型の生物多様性・環境教育プログラム等を提供する「環境教育」、エリア協働型の交流活動や東京都島しょとの連携事業を行う「地域交流」、竹芝地区での取り組み内容や島しょ等の情報を発信する「情報発信」を実施。都市における生物多様性の取り組みを発信する。


環境教育・地域交流イメージ


東急不動産では働く人々が抱える様々な問題を緑の力を活用して解決する「Green Work Style」をオフィスビル事業で展開している。オフィスタワーにおいても「竹芝新八景」を活用し、水と緑を感じながら働く新しいワークスタイルを提案することで、オフィスワーカーの心身の健康増進と生産性向上をサポートする。


東急不動産の「Green Work Style」

東急不動産では働く人の健康や心、ひらめきに影響を与える緑の力に着目し、オフィスに取り入れる5つのアクションにより、すべての働く人に理想的な働き方を実現している。労働環境の様々な問題点を植物がもつ力によって、働く人の作業効率や生産性向上、コミュニケーションの活性化などで解決していくことを目指している。都心部では希少な自然環境に囲まれている竹芝地区においても、自然体験へのニーズが高い都市住民やオフィスワーカーに向けて、水と緑を感じながら働くワークスタイルと「竹芝新八景」を通じた生き物との触合い、農体験、食との繋がりを提供している。






オフィスタワー8Fは会員制シェアオフィス「Business-Airport Takeshiba」

オフィスタワー8階のクリエイションフロア内には、東急不動産が提案する会員制シェアオフィスの13店舗目となる「Business-Airport Takeshiba」(ビジネスエアポート竹芝)が商業エリアと同日の2020年9月14日(月)に開業する。1名から複数名で利用できる家具備付のサービスオフィス(専有居室)や、電源・無線LANを完備したシェアワークプレイス(共用ラウンジ)、1時間から利用可能な会議室などを用意し、個人・法人のメインオフィスやテレワークでの利用など様々なビジネスシーンに必要な環境を提供する。また、BCP対策の一環でサテライトオフィスとしても活用できる。運営は東急不動産株式会社100%出資の子会社ライフ&ワークデザイン株式会社となる。


Business-Airport Takeshiba(ビジネスエアポート竹芝)

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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