SMC製「協働ロボット用エアチャック(空圧式ロボットハンド)」をUR+製品として認証 ユニバーサルロボットが発表会を開催

ユニバーサルロボット(UR)は報道関係者向けのオンライン発表会を開催し、同社の認定製品「UR+」に、SMC株式会社の空圧式ロボットハンド(ロボット用エアチャック)が加わったことを発表した。SMC社は空圧機器分野で圧倒的なシェアを持つ日本の企業。

URのロボットに組み込んだSMC社の空圧式ロボットハンド(ロボット用エアチャック)「JMHZ2-X7400B」


一体型構造でなおかつ小型軽量化

ユニバーサルロボットが認定したのはSMC社の「JMHZ2-X7400B」。空圧で把持する方式のロボットハンド(エアチャック)。ハンド内に様々な機能を凝縮し、電磁弁や速度調整用のスピードコントローラ、オートスイッチ、エア配管ユニットなどをユニット内に収めてなお、小型軽量化を図った(ハンド重量は約430g)。


把持するタイプのロボットハンドは、電気モーター、空気圧、油圧などが知られているが、SMC社はエアチャック(空圧/把持)式は環境面でやさしく、構造や施工がシンプル、エネルギー効率が良いので小型化/軽量化しても同等のパワー調整が期待できる、イニシャルコストが安いなど、協働ロボット向けである特徴をあげた。

このロボットハンドが想定する「業種」と「用途」

その説明のとおり、SMCの協働ロボット用エアチャックの最大の利点は、小型/軽量で高把持力を発揮すること。更には、エア供給チューブ1本と、電機配線M8コネクタを接続するだけで動作可能なプラグアンドプレイ仕様。URロボットのティーチペンダント上で直感的な操作でプログラムすることができる。
これまではユーザーが自作することも多かったエンドエフェクタを簡単に設定できるエアチャックとなっている。


従来のSMCの主要顧客層である自動車、電機電子、金属加工業界はもちろん、食品、化粧品、医薬品業界などでも応用が可能になり、部品搬送などの工程の自動化に貢献する製品となりそうだ。

なお、同社はロボットハンドの市場が大きく拡大していることを実感しており、今後はエアチャック式に加えて、バキューム(吸着)式もラインアップに加えたい考えだ。



協働ロボット用エアチャック「JMHZ2-X7400B」の特長

・小型で軽量(430g)ながら、より重いワークを把持可能
・エアチャック、ソレノイドバルブ(電磁弁)、オートスイッチ、速度調整機構を一体化
・安全性を考慮し、樹脂製保護カバー付き
・高剛性リニアガイドを採用した小形軽量エアチャック(JMHZ2-16D)を搭載、長い把持点でも使用可能
・オートスイッチを2個搭載、ワークの把持確認が可能
・開閉速度調整機構を内蔵、ワークやタスクに合わせ適切な速度での把持が可能

下記の動画で、エアチャックとロボットの物理的な接続方法や、ロボットのティーチペンダント上でのエアチャック設定方法のプログラムを確認できる。

■動画 UR+製品: SMC社エアチャックの設定方法




空圧機器分野で圧倒的なシェア「SMC」が「UR+」に加わる意味

オンライン発表会には、ユニバーサルロボットからはゼネラルマネージャ、北東アジア(日本、韓国)の山根剛氏が出席、SMCからは執行役員 技術本部副本部長兼開発第5部長兼電子技術部長の森川 文夫氏、技術本部開発第9部長の石橋 康一郎氏、執行役員 営業本部部長兼国内営業部長の長谷川 素永氏が出席した。


URは2005年にデンマークで創業、「協働ロボット」という名称の先駆けとなった。現在では20か国、29支店、695人以上の従業員を持つ企業へと成長。累計のシステム販売台数は44,000台を超える。


URの製品群は可搬重量によってロボットアームの名称付けがされているシンプルなものだ。


実用化にはURのロボットアームに取り付けるロボットハンド、カメラ、センサーなどが重要な追加デバイスとなるが、それらを同社が審査して認定するのが「UR+」というエコシステムだ。いわば、URが認定するオプションシステムとして、導入企業は安心して採用することができる。
「UR+」の認定を受けている企業は全世界で400社以上、認証済みの製品数は245。日本では4社が認証を既に取得、SMCは5社めとなる。


一方のSMCは資本金610億円、売上高5,769億円、国内に54、海外に560もの営業拠点を持つ大手企業。


空圧機器を中心にした各種アクチュエータ機器の国内シェアでもNo.1を達成している。



両社のコメント

今回の認定について、両社は次のようにコメントしている。

SMC株式会社 執行役員、技術本部開発第5兼電子技術部長 森川文夫氏

国内、海外を問わず生産現場における人手不足が深刻な問題となる中、産業用ロボット、特に協働ロボットは、省人化による生産性向上を実現する施策として急速に普及しつつあります。当社は、協働ロボット分野のリーディングカンパニーである UR とのパートナーシップを通じて協働ロボット用グリッパ市場に参入し、グローバル規模での生産現場における課題解決に貢献してゆく所存です

ユニバーサルロボット 日本支社代表 山根剛氏

空圧機器分野で圧倒的なシェアを誇る SMC が UR+製品を開発し、UR のパートナーとなったことは大きな喜びです。SMC の協働ロボット用エアチャックが、同社の顧客基盤である自動車、電機電子、金属加工業界や三品業界で導入され、自動化がまだ進展していない業界での導入のきっかけとなることを期待しています。UR は引き続き、あらゆる規模の製造業においてロボット導入のハードルを下げる取り組みを邁進してゆきます



協働ロボット用エアチャック JMHZ2-X7400B 製品紹介ページ
UR:
https://www.universal-robots.com/plus/urplus-components/handling-grippers/air-gripperfor-cobots-協働ロボット用エアチャック/
SMC:
https://www.smcworld.com/products/ja/get.do?type=GUIDE&id=JMHZ2-16DX7400B&show_page=true

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神崎 洋治
神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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