【速報】ドコモ「未来とつながる5G×XR」を高輪で体験してきた マジックリープ1の仮想空間で近未来の5Gコミュニケーション体験

JR高輪ゲートウェイ駅の駅前特設会場にて東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)が開催する「Takanawa Gateway Fest」の開催が本日14日より始まった。
たくさんのイベントブースが設けられているが、中でもロボスタ読者が注目するのは「Future Gateway~未来とつながる5G×XR~」だろう。NTTドコモとJR東日本の2社共催、バーチャルコミュニケーションの体験イベントだ(「Future Gateway~未来とつながる5G×XR~」は7月16日よりスタート)。

「Future Gateway~未来とつながる5G×XR~」イメージ画像 提供:JR東日本

ドコモの5Gネットワークを活用して体験できる「Magic Leap 1」のイベント開催は日本初となる。どんなイベントなのか、さっそく体験してきた。


見どころは「5G」×「xR」での未来コミュニケーション

このイベントのコンセプトは「5Gが普及した未来のコミュニケーション」。例えば、5G通信が普及した未来では、フランスやタイに住む友人とのコミュニケーションはどう変わっているのだろう? そんな近未来体験をイメージしたものだ。

「Future Gateway~未来とつながる5G×XR~」の会場。1回につき4人ずつが体験できる


イベント向けに5G通信速度の実測は約400Mbps近辺

ポイントはまずは「5G」。最新の通信規格で、今年の3月より各社がサービスをスタートしたものの通信できるエリアは少なく狭い。先進技術の実証実験の場となっている高輪ゲートウェイ近辺でさえ、通信対象エリアには含まれていない。しかし、今回はイベントスペースに設置を予定していたこともあって、イベント開催にあわせてドコモが設置した「4.5G」周波数帯の5G設備を利用する(機能としては閉域のためローカル5Gと呼ぶべきかもしれない)。なお、使用している5G基地局や設置機器の場所は非公開となっている。

イベント会場では4.5G帯域で「5G」通信ができる(対応端末のみ) イベント会場入り口(画像提供:JR東日本)

ドコモによれば、このイベント用にエリアの通信速度は実測値でおよそ下り400Mbps、上り90Mbps近辺とのこと(商用サービスではより高速化がはかれる予定)。5G対応スマートフォンを既に持っているユーザーは、端末が5G電波をつかむと、しきりに通信速度をチェックしていた。

5Gの特徴と、今回のイベントで5Gがどのように使われているかの解説

なお、このエリアは東京五輪/パラリンピック等に向けた施設やイベントの対象エリア予定のため、5G設備はイベント終了後も撤去されない可能性も高いという。


「Magic Leap 1」でMR仮想空間を体験

もうひとつのポイントはウェアラブルデバイス「Magic Leap 1」(マジックリープワン)だ。現実と仮想を組み合わせる「xR」技術を実現するゴーグル型のデバイスだ。「xR」にはAR、MR、VRがある。今回のイベントでは、ゴーグル「Magic Leap 1」は透過型でユーザーは周囲の景色が見える。見ている景色に重ねて、文字やボタン、CGコンテンツなどが表示される。なおかつ、表示されたCGコンテンツはユーザーが裏側を覗き込むことができるなどの空間認識や空間コンピューティング技術に対応している、という意味でMR(Mixed Reality)に属する。

Magic Leap 1


「5G×MR」を体験してみた

高輪ゲートウェイ駅を下車、改札を出てすぐ下に「Takanawa Gateway Fest」のイベント会場があるので迷うことはないだろう。

まずは「Magic Leap 1」の機器の設置方法をレクチャーしてもらう。

「Magic Leap 1」は大きく分けて2つのデバイスで構成されている。円盤型のデバイスをたすき掛けで身体にかけて、ゴーグル型のデバイスを装着する。

ゴーグルを持ったところ。コードでつながった円盤型の端末をたすき掛けにしている

デバイスが分割されていることで、ゴーグル部分が小さいので装着していても重く感じたり違和感はなかった。

「Magic Leap 1」ゴーグルを装着したところ。かなり前傾に装着するのがコツ

「Magic Leap 1」を装着したら、パネルを前に立つ(周囲の景色は見えている)。

こんな感じでパネルの前に立って、視界の中にあるスタートボタンに指をあてるとコンテンツ開始 (画像提供:JR東日本)

コンテンツ、スタート (画像提供:JR東日本)

いよいよコンテンツの開始、舞台は未来の高輪ゲートウェイ。仮想空間にロボットが登場して未来にタイムスリップ。

画像提供:JR東日本

未来のコミュニケーションを体験しよう。ゴーグル内の仮想空間には、フランスやタイに住む友人たちが登場して話しかけてくる。仮想空間の中では、フランスの友人は自分が暮らすパリの街と料理を紹介。

「これがエッフェル塔よ、もっと近くで見てみない?」(画像提供:JR東日本)

サングラスにマスク姿のおじさんが奇妙な動きをしている。周囲から見るとかなり怪しげな光景だが、本人は仮想空間の中でボタンを押したり、同じポーズをしたりと、フランスに住む友人とのコミュニケーションを楽しんでいる

突然、エッフェル塔や凱旋門が目の前に登場する。エッフェル塔や凱旋門にはMRの空間コンピューティング技術が活用されていて、ユーザーが移動して覗き込んだりすることで裏側など360度から見ることができる。

そびえ立つエッフェル塔をこんな風にのぞき込んで裏側を見たり、見上げたり・・ (画像提供:JR東日本)

同じくエッフェル塔を見ている姿でも・・おじさんだとやっぱり周囲から見れば怪しい

実際の未来ではこちらからも話しかけて彼らとコミュニケーションができるようになるだろうが、今回は音声やコミュニケーションは一方通行のみ(そこはちょっと残念)。ポーズで応えることでインタラクティブ性を持たせている


ところで、イヤホンをしていないのにコンテンツの声が聴こえてくるのは不思議だが、左右の耳の後ろあたりにスピーカーが装備されている(音の方向もソフトウェアで制御できる)。マイクも内蔵されているので、両方向の通信、すなわちデバイスとしてはコミュニケーションが可能な仕様となっている。

なお、このイベントを体験しても「5G」通信らしさは、正直に言って特には感じられない。しかし、映像や3D空間コンピューティングの大容量コンテンツを違和感やストレスなく体験できたことこそが、高速大容量、低遅延の通信環境の余裕を物語っているのだろう。

ちなみに今回は通信にはWi-Fi接続も経由している。「Magic Leap 1」はWi-Fiモデルのため、Wi-Fiを経由し、バックボーンの「5G」ネットワークからドコモの広域インターネット網を使ってストリーミングを行っている。




ドコモ担当者にインタビュー

体験終了後、NTTドコモの奥村氏に5Gや今回のイベントについて聞いた。

編集部

今回のイベント、いよいよ開始を間近に控えました

インタビューに応える 株式会社ドコモ ビジネスソリューション部 XRビジネス推進担当部長 米国PMI認定 PMP 奥村浩之氏

奥村氏

今回は、ドコモが長年注力してきた電話やスマートフォンが更に進化した先の「ポスト・スマホ」というイメージで、コミュニケーションをテーマにした「ちょっと先の未来」を「5GとxRデバイス」で表現、紹介したものになっています。
当初はもっとたくさんの台数を設置してご体験していただく予定でした。5Gの特徴である「多接続」をもっと多くのデバイスを繋ぐことで実感して頂けたらよかったのですが、新型コロナウィルス対策の関係から規模を小さくして実施することになりました。その点は残念です。

編集部

「Magic Leap 1」の特徴を教えてください。また、Magic Leap社の経営難を伝える報道もありますが、その点についても教えてください。

奥村氏

「Magic Leap 1」の大きな特徴はセンサーを含めた高精度なコンピューティング技術を有している点です。ドコモは「MR」領域ではMagic Leap社と協業をしっかりと行っていく考えです。なお、ご指摘のとおり、Magic Leap社の経営状況に関する報道ではご心配をおかけしていますが、ドコモとMagic Leap社は連携し、既にオンラインショップ等で発売している「Magic Leap 1」の出荷については問題なく進んでいますし、今後も予定通り進めていく予定です。

編集部

xRについてドコモさんの今後の展開を教えてください

奥村氏

今回は一般の皆さん向けにエンタメ要素が強いコンテンツで5GとxRを活用した体験をしていただくことを念頭に用意しました。ただ、xR技術はエンタメ領域に限らず、ECや教育、ビジネス領域でも活用できると思っています。テレワークやオンライン授業などが推進されるニューノーマルの時代に向けては、研修などにも有効な技術だと思っていますので、それぞれの分野に最適なデバイスと通信サービスを、今後もご提案していきたいと思っています。




Takanawa Gateway Festは7/14に開幕

JR東日本のイベント「Takanawa Gateway Fest」は、本日(2020年7月14日)に開幕。9月6日まで期間限定で開催される(事前予約制)。
今回紹介した「Future Gateway~未来とつながる5G×XR~」の他にも、列車をイメージした客席から車窓を眺めるように迫力のある映像が体験できる「Space Time Journey」(スペースタイム・ジャーニー)や、最新映像技術を用いたデジタルアートミュージアムや日本初上陸の屋外インスタレーション、未来の顔認証システム、モビリティなどが体験できる。

SPACE TIME JOURNEY 画像提供:JR東日本

ADAY 画像提供:JR東日本

詳細は別記事で紹介しているので、そちらもチェックして欲しい。
(関連記事「最新技術と未来を描くイベント「Takanawa Gateway Fest」高輪ゲートウェイ駅前で7/14開幕 迫力映像や顔パス、モビリティ体験など」)

COSMOS 画像提供:JR東日本

COSMOS 画像提供:JR東日本

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神崎 洋治
神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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