自動運転では、認知・判断・操作といったすべての運転操作をシステムが行っている。LiDARやカメラによる周囲環境認識や他の交通・障害物の把握、得られた情報による行動予測や判断において、機械学習、ディープラーニングなどのAI技術の研究開発が盛んに進められるに伴い、日本のみならず世界中で自動運転やAI技術を活用できる人材の育成が大きな課題となっている。
そこで、株式会社ZMPは、2020年8月17日より受注開始した自動運転/AI技術開発用ロボットカーRoboCar 1/10Xについて、教育機関で導入しやすいよう、また、自動運転/AIを活用できる人材の育成や自動運転開発の加速化へ寄与するべく、同ロボットカーを教育機関向けにアカデミック価格で提供開始することを同年9月23日に発表した。同価格の対象は公立、私立問わず大学・高等学校を始めとした教育機関全般で、職業訓練校なども適用が可能だ。提供価格は税抜144万円(通常価格は税抜180万円)、2020年12月からの出荷を予定しており、現在先行受注を開始している。
自動運転/AI技術開発用ロボットカー RoboCar1/10Xについて
RoboCar 1/10シリーズは自動車の1/10スケールの車両に、外界センサとして単眼カメラ、前後レーザレンジセンサを搭載し、加速度・ジャイロセンサ、エンコーダにより車両の挙動や走行距離の把握が可能。また、各種センサ情報の取得、速度・操舵角制御、通信などのライブラリを用意。これらを用いて自由にアプリケーションを開発することができる。同シリーズ最新機種となるRoboCar 1/10Xは、GPU搭載のNVIDIA製Jetson AGX Xavierを採用、高度なAIアルゴリズムの実装が可能となった。また、ZMPの自動運転プラットフォームIZACを組込みIZACとして実装。ROS(Robot Operating System)をはじめ自動運転、AIアプリケーションのための各種OS、ライブラリがインストール済みで、開梱したその日から開発を始めることができる。
製品仕様
▼ 本体
サイズ・重量 | 190×429×150(㎜)、3.0kg |
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最大積載重量 | TBD |
最小回転半径 | 約500(㎜) |
最高速度 | 約10(km/h) |
シャシー・フレーム | アルミシャシー、ダブルウィッシュボーンサスペンション、ZMP製アルミフレーム |
モータ | 駆動用:小型DCモータ、ステアリング用:ロボット用サーボモータ |
バッテリ | 制御部バッテリ(オプション):専用Li-ionバッテリパック(×1) 駆動部バッテリ:ニッケル水素バッテリパック(7.2[V]×1) |
外界センサ | 単眼USBカメラ×1(前方):1920×1080[RAW]、60[fps]、139[deg]、CMOCイメージセンサー搭載レーザレンジセンサ×2(前後):検知距離20~5,600(㎜)、240[deg] |
内界センサ | ジャイロ(1軸)、加速度(3軸)、ロータリーエンコーダ(車輪×4、モータ×1、ステアリング×1) |
車載CPU | NVIDIA Jetson AGX Xavier(8-core ARM v8.2 65-bit) GPU:512-core Volta GPU With Tensor Cores、RAM:32GB、SSD:1TB |
WIFI | IEEE802.11b/g/n/ac WEP/WPA、2.4GHz/5GHz |
▼ 本体側ソフトウェア
OS | Linux(Ubuntu 18.04) |
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対応ライブラリ | ROSCUDA、cuDNN、TensorFlow、PyTorch、OpenCV、PCL |
サンプルプログラム | 車両制御、センサ情報取得、LAN通信、LRFによる障害物回避、遠隔操作 |
▼ その他
付属品 | ジョイスティックコントローラ、制御用/駆動用バッテリー充電器 ※仕様は予告なく変更の可能性あり。 |
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製品価格 | 通常価格 180万円(税抜)/アカデミック価格 144万円(税抜) |
■【動画】自動運転AI開発用ロボットカー『RoboCar 1/10X』
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