VRでリアルな臨床実習を体験 ジョリーグッドと日本医科大学付属病院がオペクラウドVRの実証実験

株式会社ジョリーグッドは自社で展開している医療教育プラットフォーム「オペクラウドVR」の実証事業が、東京都が主催する「スタートアップ実証実験促進事業」(PoC Ground Tokyo)に採択されたことを発表した。同実証はジョリーグッドと日本医科大学付属病院が共同で実施する。

オペクラウドVRは医師の働き方改革などによりOJTなどの臨床実習の時間がとれない中でも、いつでもどこでもリアルな臨床実習を積める新しい医療教育を実現。学習効果の高いVRで医療スタッフの目線を体験することで、医療技術伝達と習熟スピードの大幅アップに期待できる。
(上の画像左が手術のVRライブ配信のイメージ、右がアーカイブ動画の学習イメージ 画像はオペクラウドVRホームページより引用)

東京都スタートアップ実証実験促進事業とは
東京都経済の持続的な発展のためには、イノベーションを継続的に生み出していくことが求められる。同事業では革新的なビジネスアイデアを有し、新たなビジネス領域で大きな成長を志向するスタートアップのニーズに合わせて、仮説検証や社会実装の検証等に向けた実証実験を効果的にサポートすることで、スタートアップの成長を着実に支援することを目的としている。8月5日(水)に開催された採択審査では95件の応募の中から、ジョリーグッドの医療教育オペクラウドVRが最先端IoT領域の採択事業として選出された。
https://poc-ground.tokyo/


医師の働き方改革で教育が制限

2024年より医師の働き方改革により本格的な労働規制が行われ、勤務医の時間外労働時間が原則年間960時間までとなる。医師の勤務時間や在院時間が減る事で勉強や経験のための時間が圧迫され、大幅な医療の質の低下、さらなる医師不足が懸念される。

日本病院会が公表した「2019年度 勤務医不足と医師の働き方に関するアンケート調査」結果によると、約6割の病院長が「働き方改革で地域医療が崩壊する」と回答。医師の勤務時間や在院時間が減る事で教育時間が制限され、医療の質の低下やさらなる医師不足につながることが懸念されている。


2019年度 勤務医不足と医師の働き方に関するアンケート調査(一般社団法人日本病院会 医療政策委員会 )



高精度360度カメラ撮影・配信し、データ蓄積管理を行う統合システムソリューション

オペクラウドVRは熟練医師やベテラン看護師、メディカルエンジニアなど治療現場のスタッフの視野を常設された高精度360度カメラ撮影・配信し、データ蓄積管理を行う統合システムソリューション。医師の働き方改革の中で持ち帰ることができるVRが医療教育の質低下を解消し、すき間時間や自宅学習の限られた時間の中で効率の良い学びの提供を可能する。





VRでどこからでも一斉に臨床学習できるヴァーチャル臨実習

「多接続リモートVR臨床システム」は講師の医師と臨床体験を積みたい医療従事者が、どこか一箇所に集まることなく、治療スタッフそれぞれの360°視野をどこからでもVRで一斉に臨床学習できる次世代型医療教育システム。同システムを活用した遠隔VR講義ではVRによる臨床実習を一斉に提供することで、離れた場所にいる受講者らが手術室に立ち会っているかのようなヴァーチャル臨実習を実現。



講師のタブレットアプリでは注視してほしいポイントをタブレット上に描画することで、受講者のVR内での視線を誘導するなど、昨今の新興感染症による休校や臨床実習の休講の中でもスムーズなリモートVR授業を進行することができる。





普及に向け運用課題と解決法の実証へ

今回の実証では治療現場の360度撮影におけるプライバシー処理や患者や家族への撮影許諾フローにおける課題とその解決策を検証する。オペクラウドVRは医療情報システムで多数実績のあるベンターのクラウドシステム(AES256によるサーバサイド暗号化)を採用し、3省3ガイドラインに準拠したシステム構築、運用を行うことで情報セキュリティの堅牢性を確保する。

オペクラウドVRは医学生へのリモートVR授業の実施や、医療学会で全国の病院をつないだ遠隔多拠点VR医療教育セミナーなどを実施している。ジョリーグッドでは共同でVRの実証研究を勧めていける病院や医科大学、メーカーや医療学会を募集している。

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山田 航也
山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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