Doogの1人乗りモビリティ/自動運転車椅子型ロボット「ガルー」シンガポールの高齢者福祉業界で本採用

株式会社Doogは1人乗り自動運転車椅子型ロボット「ガルー」がシンガポールで高齢者福祉サービスを提供するLentor Residence社に本採用されたことを発表した。同社は日本国内での展開に際し、介護業界や医療業界において積極展開を共に進めるパートナーを募集している。


少ないスタッフでも質の高いサービスを提供

これまでの行楽目的のお出掛けサービスでは、多数のスタッフが同伴し、福祉自動車と手押し車椅子で移動する形態が提供されてきた。これに対し、手押し車椅子をガルーに切り替えることで、少ないスタッフでも質の高いサービスが提供できることが検証されたことからガルーの導入に至った。


観光商業施設であるジュエルチャンギにおける導入前検証の様子

ガルーの自動追従機能を使うことで、1人のスタッフは2人以上の移動を同時にサービスできるようになる。長距離の移動が想定される場合には、先導するスタッフと後方確認をするスタッフを配置し、ガルーを連隊して多数を一度に移動をすることも出来る。また、ガルーはレーザセンサと高度なソフトウェアで追従対象者を自動検知するため、コントローラなどを操作する必要がない。このため、先導するスタッフが従来の手押し車椅子を押し、その後ろを1台のガルーが自動追従するなど、コンパクトでサービス対象者のケアがしやすい状態で生産性を高めることもできる。


ガルーによる高齢者福祉サービスでの運用イメージ

ガルーで提供できる機能は手動操縦や自動追従だけに限らず同社の協働運搬ロボットに搭載されている機能はガルーでも統合が可能。ラインに沿って目的地まで走行するライントレース機能や、周囲の風景に基づいて自動で走行するメモリトレース機能など、さらに幅広い運用形態が実現できる。



自動運転車椅子【ガルー】

ガルーの導入により、スタッフがより生産性の高い業務に従事できることや、お出掛けサービスをこれまで以上に利用しやすくなることが期待される。


これまでのガルー導入の実績

ガルーはDoogのシンガポール子会社が製品開発し、7年連続世界一の評価を得るチャンギ国際空港においてSingapore Airport Terminal Service社(SATS社)が2019年度上半期から数十台を導入し、現場で実運用されてきた。

ガルーは制限区域内の乗り換え等のユーザーに対して車椅子移動サービスにおいて活用されており、ゴルフカート等と比べて圧倒的にコンパクトな移動手段ながら、1人のスタッフが多数のユーザーを一度に移動できることで生産性の向上を実現。SATS社はガルーを用いた空港内でのサービスにおいて、その革新性が業界から高く評価されたことで「Pride of Ground Handling Awards 2019」における「Best Handler-Airline Innovation Award」を受賞している。

関連サイト
株式会社Doog

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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