山間地域にドローン配送の定期ルートを開設 山梨県小菅村でドローン物流の常時運用を目指す エアロネクストが発表

山梨県小菅村とエアロネクストは、ドローン配送事業の実現化およびドローン配送導入による地域活性化に向けた連携協定を締結したことを発表した。

今後、小菅村とエアロネクストは、ドローン配送導入による農業・観光・産業・経済の振興、地域雇用・人材育成・地域環境整備、および地域防災への貢献社会・インフラの整備を推進していく。具体的には小菅村ならびに村民の理解と協力のもと、エアロネクストは小菅村において物流ドローンの研究開発拠点兼試験飛行場を設置し、新しい物流の実証を実施するとともに、ドローン配送定期ルート(ドローン実験線)の開設を行い、ドローン物流常時運用の社会実装を目指していく。


小菅村の木で作られた木版の協定書を掲げる写真 向かって左よりエアロネクスト代表取締役CEO田路圭輔氏、小菅村長舩木直美氏


多摩川の源流部に位置し、森林率95%の自然に囲まれた小菅村

山梨県小菅村は東京から約2時間、東京都・神奈川県を流れる多摩川の源流部に位置し、東京都奥多摩町に隣接する人口715人(2020年9月1日現在)、森林率95%の美しい自然に囲まれた村。昭和62年から「多摩源流」をキーワードとした村づくりを行っており、近年は、観光客と移住者誘致に成功し、注目を集めている。

協定式の後には「道の駅」と村内の集落間の野菜や商品等を配送・宅配を想定し、山女魚の塩焼きやワサビ、ヒマラヤヒラタケなど小菅村の名産品を箱に詰めた荷物をドローンで配送する飛行デモを村内で実施。実際に小菅村の美しい景色の中でのエアロネクストの物流専用ドローン最新機体のドローン飛行を披露すると共に、飛行後でも荷物の崩れのない配送品質の高さも確認できたという。


物流専用ドローンに荷物の箱をセットするスタッフ

小菅村の名産、山女魚、ヒマラヤヒラタケ、ワサビなど荷物の中身

この連携協定により、両者が相互に連携、協力し、村の課題や村民のニーズに沿って、ドローン配送導入による農業・観光・産業・経済の振興、地域雇用および人材育成・地域環境整備、地域防災への貢献および社会インフラの整備を推進することで、ドローン配送事業の実現化と、ドローン配送導入による地域社会および地域経済の発展に貢献していく。


小菅村をデモ飛行する物流専用ドローンの最新試作機
協定内容
1.締結日
2020年11月12日

2.協定の内容
(1)ドローン配送導入による農業・観光・産業・経済の振興に関する事項
(2)ドローン配送導入による地域雇用および人材育成・地域環境整備に関する事項
(3)ドローン配送導入による地域防災への貢献および社会インフラの整備に関する事項
(4)小菅村、エアロネクスト両者にて協議し必要と認める事項

3.具体的な取り組み(予定)
(1)物流ドローンの研究開発拠点兼試験飛行場の設置
(2)ドローン配送定期ルート(ドローン実験線)の開設
(3)ドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流の実証実験


協定の背景

小菅村はピーク時の人口から1/3に減少した人口減少化や過疎高齢化(高齢化率46%)、自然災害、高度情報化社会への対応への課題、また物流に関しては大手配送会社の全国の配達限界エリアの一つでもあり、配達頻度や回数などに課題がある。

エアロネクストは独自の機体構造設計技術4D GRAVITYをコアに様々な産業用途のドローンの研究開発を重ねてきたが、特に荷物の有無や種類による重心の変容など機体が不安定になる物流用途においては4D GRAVITYが必須技術となることから、特に物流用ドローン機体“Next DELIVERY”の開発に力を入れている。2022年度の「空の産業革命レベル4」(陸上輸送が困難な地域における生活物資や医薬品の配送や都市を含む地域における荷物配送)を見据えたドローン物流の社会実装のためには、十分な研究開発のための飛行環境や実証実験のフィールド、さらには社会実装に向けた具体的な定期航路の開設が不可欠であると考え、様々な自治体やパートナーと会話を重ねてきた。


エアロネクスト独自の機体構造設計技術「4D GRAVITY」
機体重心を最適化することで、飛行中の姿勢、状態、動作によらずモーターの回転数を均一化して、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能を向上させる構造設計技術。この技術は機体の分離結合構造とペイロードの接続の仕方に特徴を有しており、エアロネクストはこの技術を特許化して4D GRAVITY特許ポートフォリオとして管理している。4D GRAVITYによる基本性能の向上により、産業用ドローンの新たな市場、用途での利活用の可能性も広がる。

物流用ドローン機体「Next DELIVERY」
物流用途に特化した、飛行性能、応答性能、着陸性能に優れた4D GRAVITY搭載ドローン。荷物のある往路も、荷物がない復路も、また突風等飛行姿勢に影響を与える状況下でも常に適正重心を維持する構造により、モーターの回転数を均一化することで、「速く」「長く」「荷物の傾かない」、効率的で安定した飛行を可能にする。

空の産業革命レベル4
2020年7月に発表された小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会による「空の産業革命に向けたロードマップ2020」で明記されている、2022年度を目標とした「有人地帯での補助者なし目視外飛行」の実現フェーズのこと。


田路圭輔氏と舩木直美氏のコメント

この連携協定締結にあたって、小菅村の舩木村長は次のように述べている。



「連携協定の締結によってエアロネクストと小菅村がパートナーとなることで、村の発展にお力添えしていただけることに期待をしています。小菅村では2014年に大雪災害にあい、その時にドローンの必要性を強く感じました。災害に強い村作りにもドローンを活用していければと考えています。小菅村もスピード感をもって協力していくことで、双方にとって有意義な取り組みになればと思います。」

エアロネクスト代表取締役CEO田路氏は次のように述べている。



「小菅村は村長をはじめ村の方々も親しみやすく親切で温かく、素晴らしい村です。我々を受けて入れて頂き大変嬉しく思います。この度の小菅村との連携協定の締結によって、我々の活動を村の課題解決に役立たせて頂くと共に、今までにどこも実現できていない物流ドローンを中心とした新スマート物流の社会実装を大きく加速させ、小菅村から日本全国、そして世界に発信していきたいと思っています。」

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山田 航也
山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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