ANAケータが食器自動仕分けロボット「finibo」の実証実験を開始 人手不足と衛生管理に TechMagicとフジマックが共同開発

TechMagic株式会社と株式会社フジマックは、共同開発した食器自動仕分けロボット「finibo」の実証実験を、株式会社ANAケータリングサービスの協力のもと2021年4月26日より開始することを発表した。食器自動仕分けロボットの作業速度はピックアップが食器1枚あたり最速4秒、収納が5秒。今後の実運用を目指す。




洗浄機から出てくる食器を仕分けてコンテナに収める作業

「finibo」は、最新の機械学習やロボティクスを活用して、新たな食のインフラの創造を目指すTechMagic社と、業務用厨房機器総合メーカーのフジマック社が共同開発した食器自動仕分けロボット。
国内区間を就航している航空機へのケータリング業務を担っているANAC羽田工場では、従来のコンベア型食器洗浄機が用いられているが、洗浄機から出てくる食器を仕分けてコンテナに収める作業に1~2人の作業者が関わっていて、作業者の負担軽減とコスト削減が課題となっていた。そこに「finibo」を試験導入し、ANAC羽田工場がサービスの利用と評価をおこなう。


実証実験の概要

「finibo」は、複数のカメラで食器の位置と姿勢を画像認識する6次元コンベアトラッキング技術を搭載。2台のロボットが食器整理を完全に自動化する。ANAC羽田工場での実証実験では、コンベア洗浄機とロボットアームを組み合わせ、食器の仕分けと収納といった繰り返し作業をfiniboが担うことで、食器の取り出し工程を自動化し、作業者の負荷軽減と効率的な人員の配置の可能性を検証する。



トラッキング技術による画像認識の様子

■動画 食器自動仕分けロボット「finibo(フィニーボ)」実証実験

[finibo ANAC羽田工場仕様]
・レイアウトは門型架台で少接地面積に対応
・丸・四角形食器、陶器に加え、白色・黒色食器にも対応。高確度な分類を可能に
・サイクルスピードは、Pickerロボットが最速4秒/枚、Stowerロボットが5秒/枚
・食器手前で安全に減速することで、陶器食器への負荷を軽減
・制御盤から簡単に動作指示が可能となり、操作性が向上


本プロジェクトにおける各社の役割

TechMagic:finiboの共同開発
フジマック:finiboの共同開発、実証実験の企画
ANAC:実証実験に係る役務の提供・協力、サービスの利用・評価


今後の展開

今回の実証実験をもとに関係者と連携し、事業所に適合した改良を行い、本格稼働を目指す。今後も慢性的な人不足が見込まれる中、そして衛生管理の徹底が求められる中、抗菌・抗ウイルスの対応に優れた厨房施設の構築を目指す、としている。

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ロボスタ編集部

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