巡回だけでなく不審者の威嚇も!セコムが新型AIセキュリティロボット「cocobo」(ココボ)を発表 デザインは「LOVOT」の根津氏

セコム株式会社は、新しいセキュリティロボット「cocobo」(ココボ)を開発したことを発表した。デザインは家族型ロボット「LOVOT」(らぼっと)をはじめとする、多くの工業製品のコンセプト企画や開発を手掛けた根津孝太氏が担当し、「公共空間との調和」「威厳と親しみやすさ」をコンセプトに中性的で凛としたデザインが採用されている。

報道関係者向け発表会に登壇したセコム株式会社 常務執行役員 企画開発担当 上田 理氏(左)と、デザインを担当した「znug design」(ツナグ・デザイン)の根津孝太氏

報道関係者向け発表会が開催され、2台の「cocobo」がお披露目された

「cocobo」の高さは120cm、幅は70cm。5cmの段差も通過できる。通信機能はWi-Fi、LTE、5Gに対応する。LiDARをはじめとして、カメラや熱検知など、各種センサーを搭載し、走行時速の最大は6km/h、走行可能距離は約12㎞(3時間)となっている。発表会の会場ではスムーズに、静かに走行するところを披露した。

セコムの上田氏が概要を説明、デモンストレーションも行われた

商業施設やオフィスビルなどさまざまな場所に調和しながらAI・5Gなどの最先端技術を活用して警備業務を行う自律走行ロボット。2021年6月から国内の施設で試験運用を開始し、2021年内の発売を予定している。価格は明らかにせず、セコムの警備プランに組み込む形で提供されるようだ。

青いカラーの「cocobo」。クライアントの希望でカラーリングやデザインのカスタマイズにも対応できるとのこと

セコムの新セキュリティロボット「cocobo」(ココボ)。デザインを手がけた根津孝太氏と。「威厳があって、威圧しないデザインを強く意識した」(根津氏)

■セコムのセキュリティロボット「cocobo」登場


セキュリティロボット「cocobo」の進化した点

セコムは従来から警備ロボットを開発してきた。これまで開発してきた「セコムロボットX2」と比較して、「防水機能を持ち、雨天時等でも屋外を移動できること」、「ロボット本体が画像解析のAI機能を持ち、ロボットが様々な異常を検知・判断して”防災センター”に伝えることができる」点が進化したポイントだ。

これまで開発してきたセコムの警備ロボットの歴史

雨天の屋外を含めて屋内外の施設で活用できるようになった

ロボット自体にカメラ映像を解析するAIを搭載。爆発物、不審物を検知した場合、「防災センター」(監視卓)に通知できるので、監視卓のスタッフは常時カメラ映像をチェックしている必要はない。なお、この画像の中央の映像では、人物が右手に持っている「ナイフ」を検知して通知している

■セキュリティロボット「cocobo」の巡回のデモ

■セキュリティロボット「cocobo」がゴミ箱や自動販売機の周囲を確認するデモ


cocoboの特長

「cocobo」は、AI・5Gなどを活用し、常駐警備員の代わりに巡回警備や点検業務を行うセキュリティロボット。「cocobo」の名前の由来は「いつもココにいるロボット」、COgnitive(認知) COoperation(協働) roBOt、認知と協働のロボットから。
巡回ルートを自律走行し、搭載したカメラでとらえた映像をリアルタイムでロボットがAI解析したり、ルート上の放置物などを自動で検知して「防災センター」に通報することができる。

また、不審者を発見した場合には、音声やライトでの警告、更には煙を使った威嚇を行うことができる。

不審者に対してはライトで威嚇するほか、発煙噴射で動きを鈍くする機能もある

■ cocoboが煙を噴射して不審者を撃退

また、ロボットアームを使った点検業務にも対応している。ゴミ箱などの中に危険物がないかを確認・点検したり、扉の施錠確認など、目的に応じたアームを装着することができる。

ゴミ箱の中や自動販売機の下など、ロボットアームを使って、カメラや熱感知センサーで確認することかできる

ロボットアームの先端に、不審物を検知するためのカメラやセンサーを装備できる

施錠確認用のロボットアームも用意

商業施設やオフィスビルなどの安全確保を担う常駐警備員の“視覚・聴覚・臭覚・触覚”と“判断力”を備え、一部の能力は警備のプロをも上回るとしている。

■ セキュリティロボット「cocobo」を開発 セコム



主な機能


・自律走行・自動充電: カメラ映像とセンサー情報に基づき、自律走行。障害物等は自動で検知して衝突回避。バッテリー残量に応じ自動充電
・放置物検知: カメラ映像とセンサー情報を AI 解析し、放置物を検知
・滞留・転倒者検知: カメラ映像とセンサー情報を AI 解析し、滞留者や転倒者(急病人)を検知
・異常音検知: 爆発音や悲鳴など、大きな異常音の検知
・ガス・火災検知: ガスセンサーによるガス漏れ検知、熱画像センサーによる火災検知
・警告・威嚇: 音声やライトでの警告、煙を使った威嚇
・注意喚起・案内: LED ディスプレイや音声を使った災害情報等提供、施設案内等


建物の設備と連携してエレベータ協調なども視野に

クライアント先の建物のシステム、監視カメラ映像、エレベータ・電気錠などの設備情報、施設や地域の情報など、クラウド上のさまざまな情報を連携した開発も可能としている。エレベータと連携すれば、フロアを超えて警備エリアを巡回することができる。平時・有事の安全確保から有用・快適情報の提供まで、常駐警備員と連携して、幅広い業務の効率化と品質向上を実現する、としている。





主な仕様、カメラやセンサー類


セキュリティロボット「cocobo」前面


セキュリティロボット「cocobo」背面



主な仕様

サイズ: (W)700mm×(D)1,200mm×(H)1,250mm
重さ: 約160㎏
移動速度: 最大時速 6㎞
走行可能距離: 約 12㎞(3時間)
アーム:
全長 978mm(上下 100mm の昇降機能あり)
(交換アタッチメント)
・ゴミ箱等点検時 ステレオカメラ、熱画像センサー、照明用 LED
・施錠確認時 スーパーマルチハンド、照明用 LED
各種センシング:
3D-LiDAR(3D レーザースキャナー)、2D-LiDAR(2D レーザースキャナー)、ステレオカメラ、ToF カメラ、超音波センサー、バンパーセンサー、PSD センサー(光位置センサー)、熱画像センサー、ガスセンサー、全方位カメラ、PTZ カメラ
威嚇機能: 音声、ヘッドライト、発煙装置
遠隔通話: マイク、スピーカー(管制員との音声通話)
表示機能: 高輝度 LED ディスプレイ、状態表示 LED
通信機能: Wi-Fi、LTE、5G 対応

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神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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