東京五輪2020ではインテルのICT最新技術がこう使われる ドローン/5G/AI/AR/映像解析/DX 報道関係者向けに発表

米国シリコンバレーに本社を置くインテル コーポレーションは、7月23日に開幕する「東京2020オリンピック競技大会」に数々のICT技術を提供している。同社はインテル株式会社と合同で7月20日に報道関係者向け発表会を開催、数々のICTを活用した革新的なプラットフォームを紹介した。

写真右からインテルコーポレーション セールス&マーケティング統括本部 副社長 兼 インテル オリンピック・プログラム・オフィス 本部長 リック・エチェバリア氏、インテル株式会社 代表取締役社長 鈴木 国正氏(中央)、インテル株式会社 オリンピック・プログラム・オフィス ディレクター 松田 貴成氏

インテルは「国際オリンピック委員会(IOC)のワールドワイドオリンピックパートナーとして、IOC、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会や、パートナー企業との協力を通じて、世界中のオリンピック・ファンに今までにない視聴体験を実現します」と語った。



ICTを駆使して「新たな視聴体験」を提供

東京2020オリンピック競技大会に提供している技術は主に、5G、AIソリューション、VRやARをはじめとしたイマーシブ・メディア(没入型メディア)などのプラットフォーム。

コロナ禍で開催される今大会はご存知の通り無観客でおこなわれる競技が多く、テレビやオンラインでの視聴体験に限定される傾向にある一方で、多機能・高性能なデバイスの普及によって「新しい体験」への大きな期待が寄せられている。インテルは「それに加えて、東京2020オリンピック競技大会会場での安心・安全な大会運営手法を含め、今までにない取り組みを展開し、自宅のデバイスやテレビから、大会会場、そして関連施設にわたり、最新テクノロジーの力でオリンピックにイノベーションをもたらします」としている。


発表会に登壇したインテルのリック・エチェバリア氏は「インテルは、東京2020オリンピック競技大会での大会運営や競技、ファンの視聴体験に至るまで、オリンピックにおける活動の中で、インテルの持つテクノロジーを統合し、新しいプラットフォームの提供を加速させる上で重要な役割を果たしています」と述べた。

インテル コーポレーションのリック・エチェバリア(Rick Echevarria)氏




テレビ/オンライン視聴体験

インテルが提供する「テレビ/オンライン視聴体験」に関する最新技術は次のとおり。

3DAT:3D アスリート・トラッキング

「3DAT」はスポーツ競技の中継としては、AIを使用したコンピュータ・ビジョン・ソリューションとしての新しい試みとなる。競技中にほぼリアルタイムでのインサイトの把握や、ビジュアルのオーバーレイ表示を可能にし、オリンピック・ファンの視聴体験を向上させる。


3DATはインテルが開発し、Alibabaのクラウド・インフラストラクチャーにあるインテルのテクノロジーに基づくデータセンターにホストされる。オリンピック放送機構(OBS)とのパートナーシップを通じて、4台の高度なモバイル・パンチルトカメラを使用して選手のフォームや動きを取り込み、その後、インテル Xeonプロセッサに最適化された姿勢推定アルゴリズムを適用して、選手の動きのバイオメカニクスを分析する。このシステムは、データをオーバーレイ・ビジュアルに変換し、100m走や他のスプリント競技の再生時に利用されるとしている。
競技種目:陸上競技(100m走をはじめとするスプリント競技:7月30日~8月4日)


インテル True View

インテル「True View」は今までにない没入型のスポーツ視聴体験を実現する。会場全体に高解像度の小型カメラを設置し、コート全体からプレーを撮影。縦、横、奥行きを記録した膨大な量の立体映像データ(ボクセル)を撮影し、そのデータをインテル Xeonプロセッサを基盤とする高性能のサーバ、インテル Coreプロセッサ・ファミリー搭載のパソコンで処理、レンダリング、配信することにより没入型の映像を実現するという。


加えて、ボクセルのレンダリングにより、360度のリプレイや、肉眼では判定が難しかったプレーの確認も可能となる。15日間で52試合を撮影し、放送権を有する各国の放送事業者を通じて配信される。

競技種目:バスケットボール(7月25日~8月8日)


TOKYO 2020 5G PROJECT

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が実施する「TOKYO 2020 5G PROJECT」に、日本電信電話株式会社(NTT)、株式会社NTTドコモとともに協力する。この取り組みは、5Gテクノロジーを利用した新しいスポーツ視聴体験を、3つの競技で実現する。インテルは、Xeonスケーラブル・プロセッサを搭載するシステムを提供し、5Gの高速・大容量、低遅延性を生かした視聴体験を実現する本プロジェクトに貢献する。


本来なら、観客はスマートグラス越しに競技の景色に重ねてデジタル情報がAR表示される新しい観戦体験ができるはずだった(中村礼子さんが体験)

競技種目:水泳競技(7月25日~7月27日)、セーリング(7月25日~8月4日)、ゴルフ(7月25日~8月4日)


2020beat

「2020beat」は、東京2020大会公式応援ビートで、Tokyo 2020 “Make The Beat!”応援プロジェクトにおいて選手を応援するために作成した楽曲。「2020beat」に合わせて手拍子やダンスをした応援動画をSNSで投稿すると、競技会場のスクリーン等で上映される。


「2020beat」は、インテルのAIソリューション・プラットフォームを活用し制作された。複数のAI 技術を組み合わせて開発することで、学習時間を短縮しつつ、 最適な組み合わせでの楽曲生成を実現している。


ドローン

「平昌2018冬季オリンピック」でも話題になった1,200台以上のドローンを飛行させたドローン・ライトショーを記憶している読者も多いだろう。あれもインテルの提供によるもの。その後、日本国内では、2017年夏に長崎のテーマパークで300台、そして2019年には第46回東京モーターショー2019で、合計500台のインテル Shooting Star ドローンによるドローン・ライトショーを提供してきた。それが再び、グレードアップして演習に加わえられることになっている。楽しみだ。



大会運営の支援

大会運営についてもICT技術で支援提供をおこなう。


IOC データ利活用プロジェクト

東京2020オリンピック競技大会でのDX(デジタル・トランスフォメーション)を実現させ、安心・安全な大会運営を図るだけでなく、大会運営の知見を深め、次回以降のオリンピック競技大会の運営効率化に貢献していく。
例えば、インテルのプロセッサーとAIプラットフォームをベースにIOCのデータ・プラットフォームを構築、スタジアム、バス、駐車施設など所定エリアの混雑状況を把握できるシステムを提供している。収容能力に到達、あるいは収容能力に近づくとリアルタイムで警告が発令され、円滑な大会運営を支援する。

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神崎 洋治
神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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