タイヤ交換でねこ車を電動化「E-Cat Kit」販売300台を突破 みかん農家、海岸清掃、酪農など利用拡大

株式会社CuboRexは一輪車電動化キット「E-Cat Kit」の販売開始から11ヶ月で300台突破したことを同社ブログで発表した。


一輪車や手押し車を電動化する「E-Cat Kit」

ねこ車電動化キット「E-Cat kit」(イーキャットキット)はねこ車(一輪車・手押し車などとも呼ばれる)を電動化することができるキット。重い荷物の運搬を楽にするだけでなく、傾斜地やでこぼこ道でもスムーズに進むことを可能にする。

画像はE-Cat kitホームページより引用

同製品は日本農家の高齢化、担い手不足が進む中「農作業の負担軽減に活用して欲しい」と同社代表、寺嶋自身の学生時代における、和歌山県のみかん畑でのアルバイト体験から開発され、2020年10月より、JAありだ等を通して、販売を展開している。また、2021年5月には、広島県の農家様の負担軽減にも活用して欲しいと広島県JA尾道市でも販売を開始した。


みかん農家以外にも広がる”一輪車の電動化”のニーズ

同社によると「E-Cat kit」は販売開始当初から和歌山県を始めとするみかん農家による利用が多かったが、認知が拡大するにつれて、農業以外のさまざまな用途での利用も増えてきたという。

利用ケース1:海岸清掃の電動化

「E-Cat kit」の強みである不整地(整備のされていない道)での活用を模索し、2021年6月13日に開催された山形県唯一の離島・飛島の海岸のごみ回収「飛島クリーンアップ作戦」において、実証実験を実施。従来まで、標高差50メートルほどの道路まで運び出す作業を約200名のバケツリレー方式で行い、その地点までの運搬は一人ひとりが、砂浜等の不整地を歩いて、搬送を行っていた。その区間に「E-Cat kit」を導入したところ、約2名での運び出しが可能となり、一輪車で運搬が可能な区間での効率化に貢献した。


また、2021年7月22日の海の日からは、コロナ禍での海岸清掃をする全国の団体向けに貸し出し、販売を行う「ロボネコ海岸清掃プロジェクト」を立ち上げた。その第一弾として、愛知県の大学生が中心となる海岸清掃プロジェクト「表浜BLUE WALK2021」との取り組みを8月9日〜14日(雨天により、海岸清掃は3日間のみ)までの期間実施した。3日間の清掃で、約240kgのゴミを回収し、砂地での運搬が困難な海岸清掃の運搬における負担軽減を支援した。




利用ケース2:酪農の電動化

北海道河東群で古田牧場を経営している古田さんは、一輪車を電動化し、酪農ならではの意外な活用方法を行っている。その意外な活用方法とは、「生まれたての仔牛を牛舎に移送」すること。古田さんによると生まれたての仔牛は約45キロほどの重さがある。通常時は道が舗装されているため、一輪車での移送はそこまで負担を感じることはないが、北海道となると冬場の雪が大敵となる。雪の中に電動アシストがつくことで、男性はもちろんのこと、女性や経験値の少ないアルバイトでも、簡単に運ぶことができることになったという。




今後も電動化で不整地で活躍する人達をサポート

一輪車の電動化によって、運搬に関する多くの人達の身体的な負担軽減を実現してきた「E-Cat Kit」。同社は今後もみかん農家をはじめとする農業関係者や、新たな利用シチュエーションの開拓を進めていくとしている。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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