船の自動運転、自律航行技術のスタートアップ「エイトノット」が1億円の資金調達を実施

船の自動運転、自律航行技術の開発スタートアップ企業、株式会社エイトノットは、2022年2月にDRONE FUND、15th Rock Ventures、リアルテックファンドを引受先としたJ-KISS型新株予約権方式によるシードラウンド1st として1億円の資金調達を実施したことを発表した。今回の調達により累計資金調達額は1.5億円となった。

同社が公開しているYouTube動画より

同社は「ロボティクスとAIであらゆる水上モビリティを自律化する」ことをミッションに、2021年3月に設立された自律航行技術開発スタートアップ企業。EVロボティックボートなどの実用化や運用を目指している。船の自動運航はマリンスポーツやレジャー等はもちろん、離島との定期航行の自動化/効率化や、災害時の緊急輸送などの面においても将来性が期待されている。
開発チームはロボティクスの専門家集団。実用的な技術を現実的なコストで、スピーディに開発することを目指している。
創業から僅か半年で小型船舶向けの自律航行技術の開発と実証実験を成功させ、2025年の自律航行無人船の社会実装を目指し、事業活動を加速したい考え。

同社が公開しているYouTube動画より


主な資金使途

・ロボティクス及びAIに精通したエンジニアリングチームの強化
・EVロボティックボート活用した事業開発チームの強化
・自律航行機能を備えた小型船舶の開発
・遠隔監視システムの開発
・事業化を見据えた実証フィールドでの航行試験


取り組みと展望

陸の自動運転や空のドローンなど、モビリティの自律化・自動化技術の興隆が著しい中、船舶をはじめとする水上モビリティの応用にも期待が集まっている。自律化が進むことで、水上モビリティの安全性、利便性、経済合理性の向上を図ることができ、四方を海に囲まれた日本において、旅客・物流の既存産業へ新たな移動・輸送手段となることが期待される。
また、災害時の代替輸送手段としての可能性も見直されている。グローバル市場、特に都市部での交通渋滞が深刻な社会課題となっている新興国において、舟運は重要な交通・輸送手段として利活用が推進されているという。
同社は、ロボティクスやAIなど先端技術を活用し「水上モビリティのロボット化」をコンセプトに、環境に配慮したEVロボティックボートによるオンデマンド型水上交通の実現を目指す。


■広島県大崎上島での実証実験(2021年10月)


出資者からのコメント

DRONE FUND 代表 大前創希氏

エイトノットが設立から1年足らずで、大崎上島町での実証を成功させ、今回新たな投資家の方々を迎えられることを非常にうれしく思っております。昨年10月に大崎上島町にて自律航行船に乗船させて頂き、ベースとなる自律航行技術はもちろんのこと、安全性に関する設計思想にも、改めて非常に感銘を受けました。
DRONE FUNDはドローン・エアモビリティ前提社会における水上モビリティの価値を社会に広めていくべく、引き続き支援して参りたいと思います。

15th Rock Ventures 代表 源健司氏

元々マリンスポーツが大好きで、昨年小型船舶免許を取得したことをきっかけに、海上輸送、旅客船の多くの課題に気づきました。エイトノット社は、そういった課題に真正面から向き合う骨太なスタートアップだと思います。”渋滞のない水辺で、スマホを使いオンデマンドで自律航行する水上タクシーが呼べる”そんな新しい当たり前をエイトノット社と一緒に創っていけることを楽しみにしています。

リアルテックホールディングス 代表取締役 丸幸弘氏

私が「ミドリムシで世界の栄養失調を解決する」という壮大なテーマに挑んでいるユーグレナを創業当時から支援してきたのは、経営者である出雲社長の課題解決に対する熱量でした。その熱量は多くの仲間を引き寄せ、経営メンバーや大企業が出雲社長を支援し、結果として社会を変えるのです。
エイトノットは創業間もないベンチャーですが、木村社長の水上輸送を自律航行で解決させたいという情熱により既に多くの仲間を集めています。
小型船自律航行システムが社会実装されるためには、様々な法律の変更などハードルも存在しますが、木村社長の熱量をもっと大勢の人に伝えることで、最終的には社会を変えることができると信じています。リアルテックファンドは世界の課題解決に資する経営者を支援する為のエコシステムです。これからも木村社長の夢の実現の為、共に走ってまいります。

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