小売業界ではDX化がより求められている一方で、生活者は商品を実際に使用あるいは触ってみたい、企業は生活者との直接的接点を持ちたいなど、両者ともにリアルへの強いニーズを持っている。
このような中、三井不動産株式会社と株式会社NTTドコモは、小売向けの新たなサービス提供方法である「RaaS(Retail as a Service)」領域にて協業し、2022年3月18日~4月5日の期間限定で、三井ショッピングパーク ららぽーとTOKYO-BAY にてスマートトイを扱うポップアップストア「NEW POINT×THE-ST」を開催することを同年3月10日に発表した。
同ストアでは、「The 2nd ROOM」のコンセプトのもと生まれた、“過ごす”中での商品体験を重視しドコモが開発を進めているRaaSソリューション「THE-ST(ザスト)」と、D2Cブランドのデジタルとリアル両面の取り組みをサポートする三井不動産のブランド支援プロジェクト「NEW POINT」それぞれの強みを掛け合わせ、商品を自由に試し、スペックや口コミだけではわからない魅力が体験できる新たなおもちゃ選びを提供する。
なお、同ストアの利用料金は無料だが、1回30分間で事前の予約が必要となっている。
ポップアップストア「NEW POINT×THE-ST」について
「NEW POINT×THE-ST」では、生活者(体験者)は専用のWebサイトから商品を検索し、店舗での体験を予約のうえ、店舗で商品を体験し気に入れば D2Cサイトなどで購入ができる。店舗では全7種類の「スマートトイ」を30分間自由に試すことが可能。また、店内に設置した端末からアクセスできるメタバース空間では自由に動き回りながら商品情報を視聴し、楽しみながら商品理解を深められる。同ストア開催を通じ、ドコモは「THE-ST」のサービス性を検証し、三井不動産は「NEW POINT」の支援メニューの拡充性を検証する。両社は、同取り組みを通して、リアルとオンラインの2つの空間で味わうことができるおもちゃ選びの新体験を提供するとのことだ。
NEW POINT×THE-STの特徴
・リアルとメタバースの2つの空間で深いブランド体験を提供
・オンラインとオフラインの生活者行動から顧客インサイトを分析
営業時間 | 2022年3月18日(金)~3月25日(金) 12:30ー19:00 2022年3月26日(土)~4月5日(火) 10:30-19:00 |
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会場 | 三井ショッピングパーク ららぽーとTOKYO-BAY 北館1F 東の広場 |
出展企業 | 株式会社タカラトミー、株式会社セガトイズ、コクヨ株式会社、株式会社ほぼ日、株式会社バンダイ、ソースネクスト株式会社、株式会社ジオジャパン ※順不同 |
RaaSソリューション「THE-ST」について
ドコモは、生活者により深い商品体験を提供し、企業にはオンライン・オフラインの購買行動を可視化する「体験型店舗」を実現する RaaS 領域の新たなソリューションとして「THE-ST」の開発を進めている。
ヒトの五感である「触覚= Tactile」「聴覚= Hearing」「視覚=Eye」「嗅覚= Smell」「 味覚= Taste 」 それぞれの英語の頭文字を取り、通常店舗では得られがたい深い商品体験を提供していきたいという想いが込められている「THE-ST」は、クラウドカメラを利用して店内環境をDX化し、オンライン上の購買行動と組み合わせた分析が可能。さらに、店舗をバーチャルに再現したメタバース空間はアバターを自由に動かしながら商品を探したり、解説映像を見たり、非現実空間ならではの演出を楽しめるなど、ゲーム要素を交えて商品理解を深められる機能も有している。なお、同ソリューションは、今回の取り組み結果なども踏まえながら、商用提供をめざしていくとのことだ。
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D2C支援プロジェクト「NEW POINT」について
三井不動産が展開するD2C(Direct to Consumer)ブランド支援プロジェクト「NEW POINT」は、生活者に新しい価値と豊かな暮らしを提供するD2Cブランドに対し、ブランディングやマーケティング戦略の策定から、店舗出店や購買体験の設計までを総合的に支援するパイロットプロジェクトだ。
こだわりの意思や商品を持つブランドが深く生活者と交わることができるプラットフォームを構築し、日本初のデジタル×リアルのプロデュース業をめざしており、「地方ものづくりブランドを味わえるイベント」「贅沢な休憩にぴったりの 1杯が見つかるイベント」など生活者のシーンに合わせブランドをキュレーションし、オフラインとオンラインで生活者とブランドが深く交わるような場を創出。感性を共にするブランドが集うSNSやリアルの場に、店舗づくりのノウハウや什器、販売スタッフをシェアできる仕組みを掛け合わせて、ブランドのファンづくりをデジタル・リアル両面で総合的にサポートしていく。
なお、同取り組みは、SDGsにおける「産業と技術革新の基盤をつくろう」「パートナーシップで目標を達成しよう」の2つの目標に貢献している。
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