Amazonは、2022年3月23日(水)よりAmazon Echoシリーズの最新モデルとなるスマートディスプレイ「Echo Show 15」の予約販売を開始した。昨年の9月に米国で発表された新製品で、ようやく日本での販売となる。価格は、Amazon.co.jpで29,980円(税込)。4月7日(木)からの出荷開始を予定している。次世代型 Amazon AZ2 ニューラル・エッジ・プロセッサを搭載する。
Amazonは予約開始にあたり、報道関係者向け説明会を開催し、米国シリコンバレー、サニーベールよりリモートで参加したAmazon.com,Inc.のAlexaデバイス バイスプレジデントのNedim Fresko(ネディム・フレスコ)氏よりEcho Show 15の機能説明が行われた。
Echoシリーズのラインアップまとめ
Echoシリーズについては、既にご存じの読者も多いと思うが、現状のラインアップには、純粋にスマートスピーカー機能として製品化されている標準的な「Amazon Echo」、小型の「Amazon Echo Dot」がある。どちらも球状のデザインを採用し、サウンドは360度に広がる特性を重視していて、価格以上の音質で音楽を楽しめるだろう。
もちろんAI音声エージェント「Alexa」に全機種が対応している。
(※このほかに車載用の「Echo Auto」やワイアレスイヤホン「Echo Buds」等も発売されているがここでは割愛する)
Echo Showシリーズのまとめ、筆者のお気に入りは「Echo Show 10」
Echoにディスプレイを搭載し、ビジュアルでも楽しめるようにしたのが「Echo Show」シリーズだ。グローバルではスマートスピーカーのEchoシリーズより「Echo Show」シリーズの方が売上げが伸びている。
画面のインチサイズによって「Echo Show 5」「Echo Show 8」「Echo Show 10」がラインアップされている。筆者は仕事部屋(書斎)で「Echo Show 8」を愛用していて、音質や画面ともに全く不満は感じていない。画面は天気予報のときにアイコンや温度を表示したり、ニュースの時に画像や映像を表示したり、BG再生で歌詞(一部の楽曲)が表示されるなど、様々な使い方が可能だ。
なお、リビングには「Echo Show 10」を設置している。音響も抜群でお気に入り。予算さえあえば、このモデル「Echo Show 10」が個人的には最もオススメだ。
「Echo Show 15」の特徴とポイント
そのシリーズに「新登場」として追加されたのが「Echo Show 15」だ。15.6インチの大画面フルHD(1080p)を搭載したスマートディスプレイだ。これだけのサイズになると壁掛けが想定され、縦置き、横置きに対応できる。机上に置くためのスタンドもある。
まだ使用したことがないので、使用感はレポートできないが、この日の説明会で解説された特徴を簡潔にまとめると次の通りだ。
Alexaに対応しているので基本は音声で操作する(タッチパネル機能はない)。他のEcho Showと大きく異なるのはカレンダー/リマインダー/付箋機能があること。家庭間では掲示板やホワイトボード、冷蔵庫に貼った付箋紙のように、お互いに予定やメッセージを伝え合ったり、確認することは日常に行われている行動だ。それを「Echo Show 15」でデジタル化しよう、という提案が込められている(Alexaのウィジェット機能を使う)。
家族でカレンダーを共有し、だれでも追加することができる。買い物リストややることリストを別途に表示することができる。
その際に気になるのはプライバシーだ。いくら家族と言ってもいべての情報を共有したいわけではないし、逆に伝えたくないメンバーに伝えることで混乱をまねく情報もあるだろう。そこで「Echo Show 15」では「ビジュアルID」機能を搭載し、顔認識によって本人向けの情報だけを表示することもできる。リマインダーやメッセージ、お気に入りの楽曲などだ。
また、音声マイクをオフにしたり、カメラを物理的に覆うカメラカバー機構も搭載されている。
巨大なディスプレイには、家族で撮った写真やお気に入りの写真のスライドショー、Cookpadを見ながら料理することもできるようになる予定だ。スラスドショーの写真に、子ども部屋のライブカメラの映像をピクチャーインピクチャーで表示して様子を確認することもできる。
Alexaは一部のスマートホーム対応機器と連携することができるが、「Echo Show 15」の画面ではお気に入りの機器の状態を表示することができるようになっている。例えば、一日の終わりにリビングや玄関のスマート照明が点灯しているかどうか、ライブ映像の内容を確認することなどができるという。
その他の機能
スピーカーは2基、背面にステレオスピーカーを配置している。残念ながら映像の外部入力機能はなく、スマートフォンやタブレットなどから映像を転送するキャッスティング機能のサポートはない。
Amazonミュージックのロスレスサウンドの再生にも対応する。
なお、通信はWi-Fi機能のみに対応し、有線LANには対応していない。
いよいよ、4月7日に発売が迫った「Echo Show 15」。拡大するEchoファミリーの新たな挑戦に期待したい。
ABOUT THE AUTHOR /
神崎 洋治神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。