オンライン診療「LINEドクター」2月の診療件数が過去最多を更新、前年比20倍以上に増加 コロナ感染症や花粉症で需要増か

LINEヘルスケア株式会社は、オンライン診療サービス「LINEドクター」の2022年2月の月間診療件数が、2020年12月のサービス開始以降過去最多を更新、前年比の20倍以上に増加したことを発表した。
LINEヘルスケアは、LINE株式会社とエムスリー株式会社の共同出資により設立した合弁会社。

オンライン診療サービス「LINEドクター」は、LINEアプリ上で診察の予約、無料ビデオ通話での診察、決済ができるサービス。LINE利用者であれば、新たにアプリをダウンロードすることなく、体調不良時にLINE上で医師とつながり、診察を受けることができる。
このサービスは、2020年12月に先行提供開始して以降、現在は関東近郊のほか、北海道、近畿、中部、九州など全国でサービスを提供している。


利用者の年齢層

年齢層は、利用者全体の約36%が30代、約31%が40代と30~40代を中心として幅広い年代が利用している。また、利用者全体の約13%を50歳以上が占め、リピート率については50歳以上が1番高い。普段から活用しているアプリLINE上で完結するため、オンラインのサービスに抵抗がない人であれば、比較的高い年齢層でも利用しやすいことが推測できる。






2月の月間診療件数が過去最多、前年比20倍以上に増加

同社は件数増加の理由を「新型コロナウイルス再拡大や花粉症シーズンの到来などにより、比較的待ち時間が少なく外出しなくても自宅で医師とつながって受診できるオンライン診療サービスの需要が高まった」と分析する。
「LINEドクター」の2022年2月における月間診療件数は過去最多、前年比20倍以上に増加した。特に、コロナ第6波の際は、第5波の際よりも感染力が高いオミクロン株の流行や、小児・家庭内感染が増加したことによって、より多くの人が病院へ行きたくても行けない状況が、LINEドクターの大幅な診療件数増加につながったことが推測できる。


診療科の割合

実際に、利用者割合が多い診療科目は、発熱外来やコロナ疑い、風邪症状を受診できる内科が一番多く、続いて花粉症患者やアレルギー性鼻炎などを受診できる耳鼻咽喉科、軽度な風邪症状やコロナ疑いなどを受診できる小児科、皮膚アレルギーや肌荒れなどが受診できるアレルギー科・皮膚科となった。




初心と再診の割合

また、「LINEドクター」を初めて利用する初診の人と、一度利用して再度利用する再診の人の割合について、新型コロナウイルスの感染が拡大した第5波、第6波の時期は、初診の人の割合が増加した。さらに、当日の受診でサービスを利用する人は、全体の約1/3程度、発熱外来などに対応する内科や、突発的な事案が発生しやすい小児科などは当日予約が特に多い傾向にあるという。一方で、定期的に受診することの多いアレルギー科や耳鼻咽喉科、皮膚科などはご自身が都合がよい日程で事前予約にて利用する傾向が多いこともわかっている。


上記でいう初診とは、「LINEドクター」利用前にオフラインでの受診歴が既にあったかどうかを問わず、LINEドクターにて、患者がある医院を初めて受診したケースを指します。


医師インタビュー

「LINEドクター」の診療件数が大幅に増加した背景について、「LINEドクター」顧問医師みいクリニック理事長宮田俊男先生と、第6波の際に「LINEドクター」にて発熱外来の対応を行っていた渡部クリニック院長渡部顕先生がコメントを寄せている。

■「LINEドクター」顧問医師 みいクリニック理事長 宮田俊男先生
・新型コロナウイルス第6波は、医療機関全体にどのような影響を及ぼしたのでしょうか。
通常診療、ワクチン業務に加えて、発熱外来の対応が加わり、医療機関にとって大きな負担となりました。

・LINEドクターは、2022年2月月間の診療件数が過去最多と非常に大きく診療件数が伸びたのですが、新型コロナウイルス第6波でオンライン診療の需要が増えた要因はどのようなことが考えられるでしょうか。
医療機関側にとっても待合室を密にしないことと、患者さん側にとっても自宅待機で診療を受けられ、お薬を自宅で受け取れることが影響したと思います。※2

※2:LINEドクターは、処方せんを自宅へ郵送、もしくは指定した薬局へFAX送信し、薬局にて薬を受け取っていただきます。薬局によっては、郵送対応もしている。

・貴院においては、コロナ禍でオンライン診療の件数はどのような推移をしているでしょうか。また、特に、新型コロナウイルス第6波のときは、どのような方の利用が増えたのでしょうか?
コロナ前と比べると明らかに増加しています。第6波のときは、コロナで自宅療養をされている方へ、症状に応じて薬を追加したケースが多かったです。

■渡部クリニック院長 渡部顕先生
・貴院では新型コロナウイルス第6波の影響はどの程度ありましたか?また、どのような方の利用が多かった、増えたのでしょうか?
発熱などの症状がある方に加えて、濃厚接触者として自宅療養中に症状が出た方の利用が増えました。また他院などで診断を受けたが症状が続き、薬が無い・足りなくなったなどの方も多くいらっしゃいます。当院では、診療所の導線やスペース作りに限界があり、発熱などの症状がある方について実際の来院での診療を制限せざるを得ない状況に困っていましたが、顔色や呼吸の回数を実際に確認できるLINEドクターでの診療は、電話のみと比べると診療情報が増えるので、とても有用だと感じました。加えて、ちょうど花粉症の時期でもあり、受診希望だが診療を控えている方も上手に利用していたような印象です。また、再利用をする方は多いので利便性を実感していると思います。いつも受診しているお子さんも自宅だと落ち着いていて、いつもよりお話も沢山してくれるなど、オンライン診療しかないメリットも感じました。

・「LINEドクター」は、コロナの感染が広がると初診の受診割合も高くなる傾向にありますが、貴院では初診、再診の割合の変化はいかがでしょうか?
有症状の初診は増えております。自宅検査で陽性になりどうすれば良いかわからない人、診断は受けたが説明や自治体発行の療養のしおりの存在を知らない人、療養期間についての相談や濃厚接触者について相談をしたい人の対応など、保健所業務の代行のような業務も行っておりました。またコロナ受診控えによる遠方からの相談も多くありました。




「十分に説明が聞けた」「診てもらえる病院がすぐ探せてありがたかった」などの意見も

「LINEドクター」を利用した人からは、少ない待ち時間で受診できる点や、十分に医師の話が聞ける点、物理的に外出ができない状況でも医師とつながり医療サービスを受けられる点に対して多くの意見が寄せられているという。

■利用者の声
~コロナ関連~
・かかりつけではない患者に対して当日時間を空けて診察してくだり有難かった、不明な点がないか、親切に何度も聞いてくださって、聞きたいことが聞ける雰囲気でとても良かった。
・家族のコロナ感染で外に出られない状況で、初診可のオンライン診療はとても助かった!
・コロナ感染でどこの病院も断られて困っていたとき、病院で案内を受けました。うつす心配がないのがとても良い。
・病院での受診と変わらない診療で、心配や不安はまったくなかった。この時期外に出るのを控えたいので本当に助かった!

■花粉症・小児患者関連
・花粉症の薬は、待ち時間が一番長く、外出するのも億劫な時期のため、花粉症などの方には、特におすすめしたい。
・いつも通っていた医院が少し遠いので、今年は行くのを悩んでいたのですが、オンライン診療が出来る事が分かって活用した。
・待ち時間が有効に使える。子どもが騒ぐ心配をしなくてよいのがありがたい。
・子供が二人いて病院に連れて行くのも、待ち時間も物凄く大変なので、オンラインで診察できてとても楽でした!子供たちにも我慢させずに診察出来たのでよかった!
・子供が大晦日に体調不良になりましたが、診てもらえる病院がすぐに探せてありがたかった。

■そのほか
・初めてのオンライン診療でも簡単に受けることが出来た。
・通常のクリニックでの診察は時間も短くドクターと十分に話しが出来ないのですが、LINEドクターは、十分に説明が聞けた。
・生後間もない子どもがいるので動きづらく、家の近くの病院は診察時間前に並ばないといけなかったため、オンラインで受診できて良かった。

同社は「LINEドクターは今後もより利便性の高いサービス提供を行っていくほか、オンライン診療、対面診療を融合し、症状や生活スタイルに合わせて、ユーザーが最適な診察手段を選択できる世界を目指してまいります」とコメントしている。


LINEドクターご利用方法

(1)LINEの検索窓より、「LINEヘルスケア」と入力しLINE公式アカウント「LINEヘルスケア」と友だちになる

(2)LINE公式アカウント「LINEヘルスケア」メニュー画面上の【ビデオ通話でオンライン診療】をクリックする

(3)「LINEドクター」トップページより、受診を希望する医療機関を検索し診療希望日と診療科を選択し診療に必要な情報を入力、決済方法の指定や保険証の登録、処方せんの送付方法などを指定いただき予約、当日ビデオ通話にて診療する

※「LINEドクター」トップページからの詳細のご利用方法については、サービスサイト(https://doctor.line.me/user)を確認。

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ロボスタ編集部

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