サンシャインシティでセコムの警備ロボット「cocobo」稼働開始!商用エリアを安定して巡回警備する様子を公開
セコムのセキュリティロボット「cocobo」(ココボ)が、池袋の「サンシャインシティ」に導入され、警備業務を開始した。ココボが大規模な複合施設で運用されるのは、今回が初のケースとなる。いよいよ警備ロボットの実用化が加速しそうだ。(動画は中盤と終盤にあります)
サンシャインシティの警備に「cocobo」を採用
今回、サンシャインシティには「cocobo」1台を導入した。6月20日(月)、業務開始にあたり、サンシャインシティの関係者に向けてお披露目と説明会が行われた。セコムから「cocobo」の機能やLiDARやセンサー類、カメラなど、装備機能について解説が行われた後、「cocobo」は颯爽と巡回業務に出発した。
商用エリアも安定した動作で進む
「cocobo」は「巡回警備中です」と周囲に話しかけながら商用エリアに入る。言語は日本語の他、英語、中国語、韓国語でもアナウンスをしていた。
「cocobo」は予め決められたルートマップに従い、障害物を避けて自律走行する。搭載されたカメラが、監視センター(監視卓)に繋がっていて、立哨と巡回の映像は常時スタッフが確認している。
商用エリアにはたくさんの来店客がいるが、もちろんぶつかる様子もなくスムーズに移動する。周囲の来店客も注目して、ロボットに話しかけたり、写真を撮ったりしていた。
巡回業務では、ロボット自らカメラ映像をAIが解析し、周囲に誰もいない放置されているような荷物(不審物)、倒れている人など、異常と思われるものを目撃した場合、監視卓に通知する機能が搭載されている。
巡回しながら、途中、普段警備員が巡回中に目視で点検している箇所に立ち寄り、「cocobo」が撮影し、画像で記録に残す作業も行なう機能も持つ。
立哨業務を行う
「cocobo」の連続走行時間は約3時間となっているため、定期的に充電を行う必要がある。サンシャイン60のオフィスエントランスに充電ステーションが設けられていて、充電しながら立哨警備も行うことになっている。立哨警備とは、施設の入口で不審者等の警戒監視を行うこと。警備員の場合は直立姿勢で立って監視業務を行う姿を見かけるが、「cocobo」の場合はカメラ機能で状況を映し、監視卓の警備スタッフがその映像を観ながら監視する。
また、巡回コースの途中に複数の立哨ポイントが設けられていて、立哨業務を行うことができる。入口付近でロボットは停止し、カメラを使って立哨を行う。
立哨警備中は、警戒監視を行うと共に、入口から来場した来店客に対して「いらっしゃいませ」と挨拶も行う。
立哨業務を終えると再び、巡回業務を始める。
一連の巡回業務を終えると、再びビジネスエントランスへと戻り、自動で充電ステーションにドッキングして充電&立哨業務モードへとはいる。
■動画
アール・エス・シー社にインタビュー
従来から株式会社アール・エス・シーがサンシャインシティの警備を担当をしている。アール・エス・シーが警備の自動化を推進する上で、セコムの「cocobo」の導入を決めた。導入にあたったアール・エス・シーに話を聞いた。
編集部
スタッフの人員削減に繋げたい、ということで警備ロボットを導入したのでしょうか
大久保氏
役割分担で削減は将来的には可能だと思います。例えば、将来、3台のように複数台の「cocobo」を導入したと仮定して、それを1名の監視卓で運用したり制御するようになれば、3名必要だった監視のための人員を1名に減らすことができると考えています。ただ、警備業界は人材不足が深刻なので、人員削減というより、人でないとできない業務に人を集中して投入し、それ以外の業務はロボットで補う、役割分担になると考えています。
編集部
「cocobo」を選択した理由はなんですか?
大久保氏
今回の導入は「cocobo」ですが、2019年にセコムの「X2」を先行して試験導入した経緯があります。その時に既に安全性については高く評価をしていました。今回の「cocobo」は更にデザイナーを起用して、デザイン面でもよくなった印象もありますので、このタイミングで導入しようということで決めました。
編集部
今後、期待している追加機能はありますか?
大久保氏
5G対応やAI連携もそうですが、なにより「腕」、アームの機能ですね。これらの機能がアップデートされたり、追加されていくと聞いていますので楽しみにしています
編集部
大久保さん、尾坐さん、今日は貴重に機会に立ち会わせて頂きありがとうございました。
■セコムによるロボットの解説(参考)
「cocobo」主な仕様
サイズ
(W)700mm×(D)1,200mm×(H)1,250mm
質量
約160㎏(バッテリー含む)
走行速度
最高速度6㎞/h(周囲の環境に合わせて速度を制限)
連続走行時間
約3時間
検知機能
残留者、転倒者、混雑状況、熱源、放置物
威嚇機能
音声、ヘッドライト、発煙装置
遠隔通話
マイク、内蔵スピーカー(常駐警備員との音声通話)
表示機能
状態表示LED、高輝度LEDディスプレイ
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神崎 洋治神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。