東京都公立大学法人(都立大)とLOMBY株式会社は「5G」を活用して遠隔操作による配送ロボットのフードデリバリーの実証実験を行なった。期間は6月14日(火)〜17日(金)まで。
東京都が推進する「5G技術活用型開発等促進事業」において、東京都と協働しスタートアップ企業等を支援する開発プロモーターとして、ReGACY Innovation Group株式会社が採択されている。そして、2021年度から最長3ヵ年度にわたり5Gイノベーションの街中実装・事業化を推進するアクセラレータープログラム「GO BEYOND DIMENSIONS TOKYO」を実施している。
この取り組みの一環として、街中実装パートナーの都立大とLOMBY株式会社が実証実験を行うこととなった。
取り組みの背景
国内外の物流ラストマイルでは通販サイト利用率増加に伴う宅配物取扱量の増加だけでなく、フードデリバリー市場の拡大に伴う配送量も増加している。一方、日本国内では労働人口は将来的に減少していくことから、増加していく配送量を支える労働力をどのように確保していくかは大きな課題。今回は広大な面積を持つ大学構内における大学生や大学職員からのフードデリバリーに対するニーズを検証するとともに、リアルタイムでの注文から複数ある受け取りスポットへの配送までをスムーズに実施できるかのオペレーションの確認も含めて、映像データ処理に最適なローカル5G環境下を活用して、実証実験を実施した。
都立大学内カフェの商品を配送
実証実験は2022年6月14日(火)〜17日(金)に東京都立大学 南大沢キャンパスで実施。当日はLOMBY株式会社の遠隔操作配送ロボットを遠隔操作し、大学内のモニターユーザー(教職員、学生)が注文した都立大学内カフェ「acorn café」の商品を学内の複数受取りスポットまで配送した。
1.実証実験当日、モニターである都立大の学生・教職員が、特設サイトから商品を注文。
2.都立大学内カフェ「acorn café」に設置したタブレットに注文内容を通知し、カフェスタッフが商品をロボットへ預入れ。
3.遠隔操作ロボットがカフェで商品を受け取り後、遠隔操作にて配達場所となる規定の受取りスポットへロボットが配送。
4.到着時、注文者のスマートフォンへ到着通知を送付し、注文者は受取りスポットへ向かい、商品を受け取る。
今回の実証実験を通じて大学内におけるフードデリバリーニーズの検証、ローカル5G下での遠隔操作走行の通信環境チェック、遠隔操作ロボットの走行性能の確認、リアルタイムでの注文・複数受取りスポットへの配送におけるオペレーション確認などが、取り組みの実施目的。4日間の実証実験で得られた様々なデータを踏まえ、今後の開発に活かしていく。なお、実証実験の結果の詳細は、2022年8月開催予定の「GO BEYOND DIMENSIONS TOKYO」DEMODAYにて発表される。
東京都「5G技術活用型開発等促進事業」の事業概要
東京都では持続可能な新しい社会の実現を目指し、スタートアップ企業等による新しい日常に寄与するような5G技術を活用したイノベーションの創出や新たなビジネスの確立を促進するための仕組みとして「5G技術活用型開発等促進事業/Tokyo 5G Boosters Project」を実施している。スタートアップ企業を支援する事業者として東京都より採択された開発プロモーターが、選定したスタートアップ企業に対して東京都、通信事業者等と連携・協働を図り、スタートアップ企業等の5G技術に関連するサービスなどの開発・事業化を資金的、技術的な側面からのサポート、マッチング支援等ネットワーク面の支援を行うことで、非接触型社会やSociety5.0の実現等を目的としている。
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。