Yper 自律走行型配送ロボット「LOMBY」実証実験を開始 宅配便と生鮮食品など混載して自動運転での配送を検証

再配達を無くす置き配バッグ「OKIPPA」(オキッパ)を提供するYper株式会社(読み:イーパー)は、2021年10月25日より5日間、新規事業として自社開発する自律走行型配送ロボット「LOMBY」(ロンビー)による「中山間地域での新たなラストマイルインフラの構築」の実証実験を開始することを発表した。


実証実験について

新型コロナウイルス感染症の拡大によりネット通販の市場規模は急伸、各家庭への宅配量も増加している。一方、人口が減少する少子高齢化の日本、特に中山間地域では「ラストワンマイル問題」が顕在化、大きな課題となりつつある。物流を担う労働人口の減少や、空き家の増加により配送拠点から各家庭への配送が非効率となり、配達料金の値上げや再配達の中止といった物流サービス低下が危惧されている。

Yperは自動配送ロボットを既存システムと融合させてラストマイル配送に活用、宅配物と生鮮食品など様々なモノを自動で混載配送することで、効率化、自動化、省人化した屋内外の物流インフラ構築を目指している。今回の実証実験では自動配送ロボットとしての性能検証にとどまらず、中山間地域での物流の利便性を確保しながら、自動配送ロボットを新たな買い物支援として運用するための収益モデルの検証も行う。実証実験フィールドは北広島町の役場本庁、および株式会社コムズ運営のショッピングセンター「サンクス」周辺。


今回の実証実験で使用する「LOMBY」は各種センサーの情報を統合して最適な配達ルートを自律走行する自動配送ロボット。LOMBYの特徴は宅配物と生鮮品などの自動混載機能で、離れた複数地点に設置されたステーションにあるボックス間配送の完全自動化の実現を目指している。

機体サイズ:縦102cm×横67cm×高さ105cm


【実証実験の概要】

期間 2021年10月25日(月)~10月29日(金)
時間 1時間に1便(10:00・11:00・13:00・14:00の計4便)
走行区間 ショッピングセンターサンクス搬入口~役場本庁正面玄関(片道約300mを往復運行)
広島県山県郡北広島町有田1234付近


Yperについて

Yperは2017年8月に設立、世界中の各分野で「社会インフラ」を創ることをミッションに、2018年3月に社会課題である再配達削減を実現する簡易宅配ボックス「OKIPPA」(オキッパ)サービスを開始した。以降3年以上にわたり、国土交通省、経済産業省、環境省の協力、主要配送会社との連携や大手EC事業者からのパートナーシップを得ながら、再配達率削減を目指してOKIPPAの利用普及に取り組んできた。現在は再配達削減のためのOKIPPAサービス拡充、環境負荷低減、および衣料破棄問題の解決への取り組みを加速させている。

OKIPPAは煩雑な再配達受け取りを不要にする吊り下げ式簡易宅配ボックス。不在中だけでなく在宅時でも、非対面で荷物の受け取りが可能。玄関ドアノブに簡単に取り付けができ、設置工事は不要。EC(ネット通販)のヘビーユーザーや、宅配ボックスがない住居に住む人などに好評で、2018年9月の一般発売以来、全国で17万個以上が販売されている(2021年10月1日時点)。

Yperの「中山間地域での新たなラストマイルインフラの構築」はAMR(自動配送ロボット)事業としての第一弾プロジェクト。4月に広島県のAI/IoT実証プラットフォーム事業構想「ひろしまサンドボックス」のアクセラレーションプログラム「D-EGGS PROJECT」に採択されて以来、LOMBYおよびサービスに必要なハードウェア/ソフトウェアの自社開発を進めている。

YperはAMR事業を追加することで、OKIPPAによる再配達削減とはまた別のアプローチで物流ストマイルにおける労働力・物流効率・労働環境・生産性などの社会課題の解決に取り組んでいく。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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