八幡ねじの物流倉庫にピッキング効率化・物流DXで自律走行搬送ロボットを導入  独自の遠隔制御システムを搭載 東大発キビテク

ロボットスタートアップの株式会社キビテクは、株式会社八幡ねじの中部テクノセンター(岐阜県)の物流倉庫内において、同社が開発した高度自律型遠隔制御システムを自律走行型搬送ロボットに搭載した「HATSキャリー」(ハッツ)の運用を開始したことを発表した。冒頭の写真は株式会社八幡ねじ 中部テクノセンターで撮影されたもの。


導入~運用開始までの期間短縮、現場負担軽減する「HATSキャリー」

同社によれば、これまでのロボット導入は、環境の整理整頓、レイアウト変更が前提となることが多く、日常業務の停止や現場社員の負担が大きいことなどが導入の障壁になっていたという。
「HATSキャリー」は遠隔から人がサポートすることで、現場のスタッフがロボットに精通する必要がなく、計画時にどこからどこまで運ぶかの位置だけを指定すれば運用開始が可能という。
ロボットが通行しづらい、または停止してしまうような場面でも遠隔から人がオペレーションでサポートし、ロボットが働きながら現場にフィットするので、実運用開始までの期間が圧倒的に短いことが特徴。(適用一例:倉庫、工場、オフィス、商業施設、病院、ホテルなど)


■高度自律型遠隔制御サービス(HATS)




少数台&サブスクでも運用可能

1台からでも運用ができるため手軽に導入してみることができる。倉庫や狭い場所でも自動化可能で、ロボットが搬送を担うことで、作業の効率化が図れるとしている。遠隔サポート付き搬送ロボット込みのサブスクリプションも可能で。月額利用料を支払うことで気軽に導入を試すことができる。


八幡ねじ「サポートを常に受けられる所が良い」

導入した八幡ねじは次のようにコメントしている。

八幡ねじ

キビテクのHATSキャリーはAMRに遠隔サポートがついていることが導入の決め手となった。物流の現場は、業務を止めることが出来ず、異常があった際に、即復旧が求められる。そのサポートを常に受けられる所が良いと思った。
当社では『止まらない物流』をテーマにしている事もあり、その点もマッチした。また他の設備では、現場のスタッフがマニュアルを読み込まないといざという時に困ることがあるが、HATSは遠隔オペレータがアテンドしてくれるところが魅力。
実際導入してみてからは、倉庫内の搬送業務をロボットが行ってくれることで効率化の効果が出ている。人や台車が頻繁に行きかう現場なので、時にロボットが停止・滞留してしまうことがあるが、HATSで即復旧、もとのロボットの動きに戻ってくれている。その復旧作業を全て当社で行うと大変だがHATSがあることで助かった。このような遠隔サポートはこれまでの設備とくらべ、現場はもちろんだが管理者の負担も大幅に削減となっている。



八幡ねじは、1946年にボルトの製造工場「八幡商会」として創業、その後元卸へ業態を変化させ1971年に現在の「株式会社八幡ねじ」に社名変更したねじの専門商社。ねじを中心とした締結部品やDIY商材など40万点以上を取り扱っている。


東大発のロボットベンチャー「キビテク」

キビテクは、東京大学の人型ロボット研究室JSK(情報システム工学研究室)出身者を主として2011年に創業した、知能ロボットの開発や、ロボット遠隔制御サービスの開発、販売を行うスタートアップ企業。
会社名「キビテク」の「キビ」は心の「機微」を意味する。同社の得意な技術を通して、ロボティクス技術の活用と遠隔ロボットオペレーターという新しいリモートでの働き方を提案することで、社会課題の解決と、お客様の現場の課題解決や活用を一緒に推進し、持続可能な社会の実現に貢献する考えだ。

関連記事

ABOUT THE AUTHOR / 

ロボスタ編集部

ロボスタ編集部では、ロボット業界の最新ニュースや最新レポートなどをお届けします。是非ご注目ください。

PR

連載・コラム