IHMCがヒト型ロボット「ナディア」を開発中、動画を公開 ボストンDRS「アトラス」とNASA「ヴァルキリー」をベースに 「IEEE」が報じる

技術の標準化団体として知られている学術研究団体「IEEE」(アイ・トリプル・イー)の情報宇サイト「IEEE Spectrum」は、ヒューマノイドロボット「ナディア」(Nadia)を10月5日に掲載した(EVAN ACKERMAN著)。「ナディア」の機動性を示す動画も紹介している。実用化まではまだ未知数だ。(冒頭の画像「IHMC’s Nadia Is a Versatile Humanoid Teammate: This robust research platform is still humble enough to teleoperate」より)

既に最高峰のヒューマノイドロボットとして知られているボストンダイナミクスの「アトラス」は元々コンペティション用のDRC版から始まった。「ナディア」は、そのDRC「アトラス」を参考に、NASAの「ヴァルキリー」(Valkyrie)の次世代機として設計された。開発しているのはThe Florida Institute for Human & Machine Cognition (IHMC) だ。

「ナディア」は電動アクチュエータと油圧スマートアクチュエータのハイブリッド。7自由度の電動アームと3自由度の電動骨盤、2自由度の油圧胴体と5自由度の油圧脚を組み合わせている。「IEEE Spectrum」の記事によれば、Nadiaの関節は、可動域が最大になるように配置され、前方に密集したマニピュレーション作業の空間と、可動性の高い脚部を融合しているという。ロボットの大部分はカーボンファイバーのシェルで覆われ、周囲の人や環境との接触の安全性を高めているとしている。
(一方で、動画の中だけとはいえ、あらためてボストンダイナミクスの「アトラス」の先進性には感心する)

■Nadia – A Next Generation Humanoid Robot

また「ナディア」は没入型バーチャルリアリティ遠隔操作に重点を置いている点も特徴的だ。いわゆる完全自律型ではなく、ロボットが自律で動作できる部分は動作し、複雑なタスクや人間の判断が必要な部分は遠隔で人間が直接コントロールできるようにすることで、現実解を見いだしている。

同社は、できるだけ人間のスピードに近い速度で動作するように開発を進め、よりコンパクトに改良したいとコメントしている。体重は現在約90kg。

また、腰と脚の可動域が特徴的でその一端は動画でも確認できる。腰の回転(外転・内転)が印象的で、大きなステップも足が重なるような狭いステップもこなすことができる。段差のある難しい足場の場所も踏破するのに役立ち、モビリティ性能の向上をはかるためと見られる。

同社は「足踏み、歩行、把持など、かなりうまく自動化できる部分」だと語っている。一方で新しい環境とのインタラクションには、バーチャルリアリティのようなインターフェースを通じて、人間の助けを借りて行動する方法の開発に注力している。「人間の認知能力とロボットの操作能力を組み合わせることで、非常に高い汎用性を得ることができると考えています」と続けている。

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ロボスタ編集部

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