最大30%高速化した「Fire HD 8 Plus」実機レビュー コスパ抜群の新世代タブレット、良いところ/注意点/音質比較/開封の儀

先週のこと。熱が39度まで上がったので慌てて主治医の発熱外来を訪ね、PCR検査を受けたところ陰性。どうやらウイルス性の胃腸炎ではないかということで、自宅で養生することになりました。
ちょうどAmazon Prime Videoで「仮面ライダーBLACK SUN」が配信開始になっていたので、その日は無理せずにゆっくりベッドで鑑賞することにしました。

© 石森プロ・東映 © 「仮面ライダーBLACK SUN」PROJECT

しかも、こんな時にはとても便利そうな「Fire HD 8 Plus」タブレットが届いたばかり。早速これで「仮面ライダーBLACK SUN」を楽しむことにしたわけです。

「災い転じて福となす」時間ができた分、新しいデバイスで新配信の番組を楽しむぞ

今回の実機レビューでは、この機種の良い点、注意したい点、使い勝手、音質、開封の儀などを解説していきます。仕様や特徴については、既報の関連記事「Amazonの新世代タブレット「Fire HD 8」「Fire HD 8 Plus」「Fire HD 8キッズモデル」3機種の特徴と新機能、価格まとめ」も参照してください。


「Fire HD 8 Plus」とは?

「Fire HD 8 Plus」って何? という人に簡単に解説します。

主な良いところ

「Fire HD 8 Plus」はAmazonが開発・販売している、8インチ画面のタブレットです。解像度は1280 x 800、HD画質に対応しています。サイズは202×137×9.7mm、重量は342gと軽量です。
似たようなサイズのモデルだと「iPad mini」が比較対象になるかと思いますが、そちらは195.4×134.8×6.3mm、293gで、「Fire HD 8 Plus」より洗練されている感じです。しかし、「Fire HD 8 Plus」は32GBモデルで13,980円(執筆時点)、なんといっても価格が安くて買いやすい、「高いコスパ」が最大の特徴です。

この画像にあるロゴのように、サブスクで動画や音楽配信を堪能したり、Kindleで書籍を読んだり、Alexaを活用したり、有名なゲームを楽しむのに適したモデルとなっている

「Fire HD 8 Plus」はいろいろできるタブレットというより、エンターテイメントに特化した機種とも言え、鮮やかなHDディスプレイとDolby Atmos対応スピーカーを搭載し、クアッドコア、3GB RAM搭載に加えて、最大1TBまでのmicro SDメモリカードに対応(別売)しているので、動画ダウンロードして外出先で楽しむことにも適しています。


仕様上のバッテリー持続時間は最大13時間、約3時間の充電時間となっています。充電コネクタはUSB-C (2.0)で、別売のワイヤレス充電スタンドも用意されています。

今回、入手し忘れた充電スタンド。これがあったほうが「Fire HD 8 Plus」生活がより快適になったかも

なお、専用スタンドでなくても、一般のワイヤレス充電でも充電できます。下の動画はパナソニック製「Qi」対応のワイアレス充電器に載せて充電を行うところです。

■Qi対応ワイアレス充電器でFire HDを充電

Amazon Prime Video、ディズニープラス、Netflix、DAZN、Hulu、ABEMA、YouTube、TikTokなどのアプリで動画を楽しめるほか、多数のゲームも楽しむことができます。気になる対応アプリ一覧は下記に掲載されています。

ちなみには「仮面ライダーBLACK SUN」は立体サウンドで楽しむことができ、音や声が横や後ろから聞こえてきてビクッとしたりしました(面白い)。

・Alexaがハンズフリーでそのまま快適に使える
もうひとつ面白いのは、Fire HD8がスリープモードであっても「Alexa、今日の天気は?」などと発話して、Alexaとハンズフリーで対話ができることです。音質は別として、Amazon Echoライクに活用することができます。
(※下の動画はスリープモードからAmazon Alexaが活用できることを明示するため、動画で「Alexa」とウェイクワードを発話しています)

■Amazon Alexaをハンズフリーで活用できる


注意するところ

一方で、注意点もあります。「Fire HD 8 Plus」はAndroid端末ではなく、Google PLAYには対応していないこと。Androidアプリがすべて使えるわけではありません。例えば、Zoomアプリは用意されていますが、LINEアプリはありません。

アプリはWi-Fi環境下で、「アプリストア」をタップして欲しいアプリをダウンロードする

ハード的にモバイル通信とGPSが搭載されていない、ということも忘れてはいけません。Wi-Fiは必須ですが、アプリや動画等によってダウンロードできるので、モバイル環境でダウンロードした作品を楽しむことができます。


総合評価

総合すれば、Prime Video、Netflix、U-NEXTなどのサブスク動画を楽しむのに適したタブレットで、Amazon Kindleで雑誌や写真集などのカラー作品も楽しめ、ポピュラーなゲーム、一部の人気アプリ、サブスクの音楽配信アプリ、Zoomなどに活用することができます。
ただし、Androidタブレットほどアプリは揃ってはいません。できること、用意されているアプリに機能を割り切って考えれば、とてもコストパフォーマンスの高い製品です。
また、Alexaとの対話もEchoデバイス感覚で利用できるのも○。Echoデバイスを使ったことのない人にもAlexaはきっと役立ちます。


あえて音質を比較

「音楽アプリにも対応しているのだからAmazon Echoシリーズの代わりにもなるのかな?」と考える人もいるかもしれません。そこはやはり「Fire HD 8 Plus」はタブレット。部屋でBGMを流して楽しむには、Amazon Echoシリーズと比べて低音が足りません。あえて比較をしていましたので、そういう使い方がありかどうかは、皆さんで判断してください。なお、「Fire HD 8 Plus」スピーカージャック(端子)が標準で着いているので、外部スピーカーを付けたり、イヤホンで高音質の音楽を楽しめることは忘れずに。もちろんBluetooth対応のワイアレスイヤホンやスピーカー機器を接続することもできます(音楽を楽しむならそれが正統派)。

愛用のBluetoothワイアレスイヤホン「Echo Buds」と「Fire HD 8 Plus」をペアリングしているところ。音楽を楽しむならこれがいい

あえて「Fire HD 8 Plus」と「Amazon Echo Show 8」でスピーカー対決。

■動画 スピーカー対決 「Fire HD 8 Plus」vs「Amazon Echo Show 8」




「Fire HD 8 Plus」開封の儀

では早速、「Fire HD 8 Plus」を開封し、セットアップしていきましょう。写真のモデルは64GBモデルです。


Fireシリーズお馴染みのオレンジの箱を開けて、中身を取り出したところ。


左からタブレット本体、ACアダプタ(最近はアダプタが付属していない機種も多いので親切)、ケーブル(USB-C)、そしてオレンジ色の「こんにちは」冊子(初期マニュアル)。


オレンジ色の「こんにちは」冊子(初期マニュアル)は、初期セットアップに必要な情報がコンパクトに記載されている。目を通そう。


タブレットの裏面はいつもの「ニヤリ」。プリントではなく凹凸がある


スイッチやボタン類は、本体を横に、カメラのレンズが上になるように持って、右側に配置されている。一番上が電源ボタン。


ある程度充電された状態で納品されていたので電源ボタンを長押しするとすぐに起動。言語を選んだ後、登録済みのAmazonアカウントを入力(筆者の場合)すると、Fireタブレットの紹介動画が流れる。どんなことができるんだろう?と復習。


スリープ状態でもAlexaが使えるので、ほぼAmazon EchoのようにAlexaと対話できる。


子どもが使用するときに、適さないコンテンツからガードする設定も用意されている。


「指紋認証」や「顔認証」などいま流行りの「生体認証」はなく、セキュリティロックの解除は「PIN」コードか「パスワード」のみ。著者自身はそれほど苦にならない。


スマホ等でいつも使っていて、この機種でも使いたいアプリが用意されているかはとても重要なところ。ちなみに標準のWEBブラウザは専用の「Silkブラウザ」です。


こんな感じで、画面表示に従って設定していけば完了。使い始めよう。

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神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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