業務DXロボットのイベント『ugo go! 2022』開催 新モデル「G4」や小型モデル「ugo mini」など発表 ユースケースも多数紹介

2022年11月30日、ugo株式会社が秋葉原UDX ギャラリーで『ugo go! 2022 〜リアルとデジタルの協奏プラットフォームがここにある〜』を開催した。

ugoによるイベントは昨年に引き続き2回目の開催となる。当日は講演ステージと展示ブースエリアの2つのスペースで展開された。また、ugoを実際に活用している企業による説明「パートナーセッション」や、ものづくり太郎氏によるトークライブも行われた。


講演ステージで新モデル「G4」や「ugo mini」コンセプト発表

ugo株式会社のCEO松井氏はキーノートで、新モデルとなるG4の発表を行った。

ugo株式会社 代表取締役CEO 松井健氏


「G4」の5つのポイント

第4世代となるG4は、大きく5つのポイントで性能が向上した。


1つ目は、処理性能の向上。NVIDIAの「Jetson NANO」を搭載しマルチメディア処理を行う。また、AI処理性能も向上する。

2つ目は、筐体がコンパクトデザインとなった。現状モデルでは標準搭載のパトランプが非搭載となり、フルカラーのLEDライトが追加される。

3つ目は、音声通話品質の向上。内蔵スピーカーとマイクの改良により、通話品質を改善。併せて、走行音のノイズ削減、発話時のエコーバックが解消される。

4つ目は、環境センサーの搭載。温度センサー・気圧センサーが標準搭載される。また、気圧センサーを活用し、ロボット自身で現在何階にいるかを推定するフロア推定機能が可能となる。

5つ目は、遠隔再起動が可能に。遠隔でシステム全体の再起動が可能となった。

G4モデルは2023年4月から提供が開始される。




ugo mini コンセプトモデル初披露

また、小型モデルとなる ugo mini のコンセプトモデルが初お披露目された。


ugo mini の主な特徴は大きく3点。




1つ目はペリスコープ機構を搭載。これにより、収縮による広範囲のモニタリングと正確な高さ調整が実現する。

2つ目は、ダイレクトドライブモーターの採用。これにより、ギアレスでハイパワーとなる。また、スムーズで静かな走行が実現する。

3つ目は、センサーの拡充。様々なセンサーを追加できるセンサーカートリッジが提供される予定だ。

活用例としては、セキュリティルームのようなロボットが外部から入ることが困難な環境に在駐させる用途や、ホテルや介護施設のような大きな音が許容できない環境で静音走行の用途、などが想定される。

小型で軽量化され、狭い場所でもスムーズな自動走行が可能になったので、今まで見守り用途として活用できなかった環境でのでの活用が進むかもしれない。

会場ではugo miniの実機が展示替されていた。



ロボットの連携「ugo platform」

ugo platform についても言及された。


これは、産業用ロボットや配膳ロボットなどugo以外のロボットとの連携が可能になったり、SwitchBot社の製品や環境センサーなどの各種IoT機器と連携が可能になるというシステムだ。

ほかにも、自動巡回時にロボットが自己位置を認識するための地図を簡単に作成、編集、管理できるMapエディタ機能の拡充や、ロボットに取り付けられたカメラによるメーターやエレベーターボタンの認識を行うAI Toolboxの強化、ノーコードで簡単にロボットによる業務の自動化が行えるFlowなどについても言及された。

ugo Platforの単独利用への提供も開始する。価格は、ロボット接続1台あたり月額3万円(税別)からを予定している。


パートナーセッション


介護分野 ツクイ

株式会社ツクイホールディングス、株式会社ツクイから、「介護人材不足と障がい者の就労拡大をDXで実現」と題し、介護でのロボット活用について紹介された。

日本では近い将来69万人の介護職員が不足が発生するいわゆる2040年問題を控えている。


そこで遠隔地にいるスタッフがugoを遠隔で操作してサービスを提供する可能性を紹介した。これにより、介護業界での人手不足の解消と障がい者の雇用創出を実現するという構想だ。



実際に自社の介護施設で行った検証の結果、関係者からは様々な感想が出てきた。



オフィス空間 NTTコムウェア

NTTコムウェア株式会社から、「ugo(つむぐん)のオフィス業務代行〜Cyber Physical System実現への取り組み〜」と題し、オフィス空間でのugo活用事例について紹介された。
Cyber Physical System(CPS)とは、現実の情報を、センサーなどで取得しデジタル化。デジタル化した情報をもとに、サイバー空間でシミュレーションなどを処理し、その結果を現実にフィードバックするというものだ。



今回はugoを利用した社内イベントでの司会業務の代行やオフィスコミュニケーション、CPSに向けた自律動作としてオフィス利用者数のカウントなどの活用事例について紹介した。


また、ugoのセンサーなどで取得した情報をクラウド側で処理して、その結果をロボットに動作させた映像などについても紹介された。




工場での活用 島根電機

日本圧着端子製造グループの島根電機株式会社から、「ugo & 設備オペの協働」と題し、工場におけるugo活用について紹介された。
工場における業務改善を行う際に、AGVやロボットアームなどを活用することが検討されるが、どれも一長一短がある。今回は、ugoを使用してみた事例について紹介された。



実際に活用した際の課題も共有された。



ファシリティマネジメント パーソルプロセス&テクノロジー

パーソルプロセス&テクノロジー株式会社から、「ファシリティマネジメント活用のご紹介」と題し、社内ファシリティでの活用事例について紹介された。
去年開催された ugo go! 2021 で「使えそうな腕つき人型ロボットが出た!」と思い、社内でのugo活用が行われた。






ビル設備点検 NTTデータ

株式会社NTTデータから、「ugoを使ったビル設備点検業務の遠隔化/自動化のご紹介」と題し、データセンターでのugo活用について紹介された。
24時間365日止められないデータセンターでは、設備管理業務が極めて重要であり、安定稼働を維持するために多くの人手がかかる一方、人手・熟練技術者不足が深刻である。
そこで人手で行っていた設備点検業務の一部をugoで実行してみた。


これにより、約50%の時間削減が実現した。今後、自動化の範囲を拡大することで最大80%まで削減できると見積もっている。


実現のために、ugoに4Kカメラを搭載し、メーターの表示情報をより詳細に撮影可能とした。これにより、メーターの情報がugoから取得可能となった。


4Kカメラの装着以外にも、幅広い点検項目を実現するために、焼け焦げなどを感知するためのにおいセンサーやサーモカメラの装着なども行われている。


常に機械音が響く環境下において現場作業員の安全を確保するため、ugoから走行中に音を発し、同時にパトランプを光らせることで注意をうながすという工夫も行った。


今後の取り組みについても共有された。


警備分野 大成

大成株式会社から、「ugoを活用した警備ソリューションについて」と題し、警備業務でのugo活用について紹介された。
慢性的な労働力不足と言われている警備業界では、ロボットの活用が常に望まれている。


同社では、2021年4月の商用化から導入件数が増加し、累積運用時間は立哨業務で延べ30,300時間以上、巡回業務で延べ4,900時間以上をugoが担った。
人間の警備員1名を8時間勤務とすると、立哨業務では約3,800日分、巡回業務では約613日分の時間がugoにより行われた計算だ。


人間の視野角よりも広い視野を持つugoを活用することにより、広い視野で一定の業務品質が担保される。


巡回画像を自社開発のプラットフォームにアップロードすることで、記録に残せるという特徴もある。


ノーコードで巡回作業のプログラムを組むことも可能だ。


現場からは、ugoを活用した際の声が寄せられた。






ugoソリューションパートナー説明

続いて、ugoのソリューションパートナーからの紹介が行われた。


三菱電機ビルソリューションズ

三菱電機ビルソリューションズ株式会社からは、「ロボット移動支援サービスのご紹介」と題し、同社のVille-feuille(ヴィルフィーユ)が紹介された。警備、配送、清掃などのビル運営管理において、今後自走式サービスロボットのニーズが高まってくるであろう。



しかし、現在はビル内でロボットが性能を十分に発揮するための環境が未整備である。例えば、エレベーターを利用した縦移動ができないなどの課題がある。

Ville-feuille の特長は2つ。1つ目はエレベーターや入退室管理システムと連携し、ロボットの縦横移動を支援するというもの。2つ目は、ロボットの追加削除はクラウドで簡単に設定ができるため、導入後の運用変更が容易である。





2022年2月1日からアーバンネット名古屋ネクスタビルにて、Ville-feuilleの入退室管理システム連携機能が導入されている。



Kudan

Kudan株式会社からは、「デジタルツインをお手軽に!」と題し、同社のKudanLidarSLAMが紹介された。
Kudanが提供するKudanSLAMマッピングソリューションでは、一般的なマッピングシステムと比べ、廉価・簡単に素早く、技術不要でマッピングを作成することができる。
KudanのSLAMで生成されたデジタルツインは、現実情報の位置情報と紐付いており、バーチャル空間でのシミュレーションを現実空間に反映することが可能である。この特定を生かした様々なソリューションに活用できる。


今回は、ugoと廉価な3D LidarであるLivox Mid-360を組み合わせ、自動で屋内のデジタルツインマッピングを行うシステムを構築した。


実際にKudanLidarSLAMで今回のイベント会場のデジタルツインマッピングを行った様子も披露された。


KudanLidarSLAMで生成されたデジタルツインは、現実空間との位置情報と紐付いており、バーチャル空間でのシミュレーションを現実空間に反映することが可能だ。そのため、この特性をいかした様々なソリューションに活用することができる。


トークライブ

製造業系YouTuberのものづくり太郎さんからは「ロボットを導入しない企業、オワコン!!」と題し、トークライブが行われた。



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北構 武憲

本業はコミュニケーションロボットやVUI(Voice User Interface)デバイスに関するコンサルティング。主にハッカソン・アイデアソンやロボットが導入された現場への取材を行います。コミュニケーションロボットやVUIデバイスなどがどのように社会に浸透していくかに注目しています。

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