サブスクリプション型の物流ロボティクスサービス「RaaS(Robotics as a Service)」を提供しているプラスオートメーション株式会社は、国内で初めてAGV型ロボットソーター「t-Sort」と立体型ロボットソーター「t-Sort 3D」を組み合わせたシステムを澁澤倉庫株式会社(澁澤倉庫)松戸営業所に導入した。(冒頭の画像は公式動画「【t-Sort 3D】AGVとの連動型モデル」より)
同営業所では、2021年2月よりt-Sort sd5のRaaSを活用しアパレル関連商品の仕分け(店舗別、返品、EC)を行っていた。今回、更なる作業スペース利用効率の向上を目的に、一部機材を「t-Sort 3D」に入れ替え、かつソフトウエアをアップグレードすることで、処理能力を維持しつつ、機材使用スペースを70坪から30坪へと57%の省スペース化を実現。
これは同社の柔軟かつ機動的なサブスクリプション型サービス「RaaS」の特徴を最大限活用し顧客課題を解決できた事例であり、さらなる改善に既に着手している。
同社は、引き続き、ロボット導入後もユーザーと併走し、更なる効率化・高度化を共に考え、実現することであらゆる物流現場に貢献すると述べている。
t-Sort 3D の特徴
「t-Sort 3D」は、単体運用・連動運用が可能な立体型ソーターだ。最小ユニットは、約3坪で60〜90間口設置が可能。省スペース、少人数で大量仕分けができ、倉庫運営の課題であった高さ方向の空間有効活用を実現する。
● 置くだけ導入で据え付け不要。最短1 日で即稼働が可。
● 自社開発WES「+Hub」でらくらく仕分け。誤仕分けゼロ。
● AGV 連動で2000 間口の大規模仕分けが1 系統で可。
● 前工程のトータルピッキングも効率化。
■【動画】【t-Sort 3D】AGVとの連動型モデル_+Automation
新技術を即座に活用できるサブスクリプション型の物流RaaS
t-Sort 3Dを導入した澁澤倉庫株式会社の営業開発部、中川氏は、今回の導入について以下のように述べている。
澁澤倉庫株式会社 営業開発部 中川氏
まさかt-Sort sd5 を導入した1年後にt-Sort 3D が実用化されるとは思いませんでした。こうした新技術を即座に活用できるのはサブスクリプション型ロボットサービス「RaaS」のメリットですね。お客様の商況も、店舗出荷からEC 出荷に比重がシフトしており、マーケット需要に即対応できています。現場に設備を固定すると「機器を使い倒そう」という気持ちになり、アイディアの広がりを阻んでしまいますが、固定設備では無いロボットをRaaS で利用していることが、新しいアイディアを生む、という良い循環が起きています。
また、ロボットだけ、ヒトだけ、だとオペレーションが凝り固まっていきます。だから当社ではロボットとヒトの協業を選択しています。人を楽にするための手(=ロボット)という概念が、工夫や新たな使い方を生み、他社との差別化へと繋がります。当社の創業者、渋沢栄一は「満足は衰退の始まり」と語っています。ロボット進化のスピードに合わせ、現場での工夫のスピードも上げていきます。
当社ではオペレーションを変化させるのは当たり前だと思っています。その上でt-Sort が、お客様がその機構を理解しやすいソリューションであることも大きな武器になっています。現場作業者全員が効果を定量的に説明できるほど分かりやすいUI も魅力です。従来の1F でトータルピッキング、2F で仕分けというフロア別オペレーションを同一フロアに集約できた結果、フォークリフト作業を撤廃。さらに、t-Sort sd5 運用時は1レーン当たりの距離が8mのところ、t-Sort 3D 導入により、同じ処理能力を保ちながら、2mに短縮することができ、作業者による仕分け後荷物の回収における歩行距離も大幅に削減できました。t-Sort 3D のRaaS による多拠点展開をスピードアップして行きたいですね。
プラスオートメーション株式会社