GROUND、物流施設内の搬送を支援する自律型協働ロボット『Oasis』をトラスコ中山へ導入　可搬重量600kg、最新アルゴリズムで停止位置誤差±5㎜

2022年12月9日 By ロボスタ編集部

日本の物流・Eコマース(EC)を取り巻く環境は、消費者ニーズの高度化や多様化、配送短期化、人件費や運送費の高騰などから厳しさを増していることに加え、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の中で、人々の健康や安全を支える社会インフラとして物流・ECへの需要が拡大したことにより、物流の重要性が改めて認識され、物流施設内のDX化が加速している。

このような中、物流領域における世界の先端テクノロジー(LogiTech)に基づくソリューションを提供しているGROUND株式会社は、物流施設内の作業工程間搬送を支援する自律型協働ロボット『Oasis(オアシス) 600C』をトラスコ中山株式会社最大の物流施設「プラネット埼玉」へ導入、2022年12月より実稼働であることを同月7日に発表した。

今回の導入に関して、トラコス中山の取締役物流本部本部長、直吉秀樹氏が以下のように述べている。

トラスコ中山株式会社　取締役物流本部本部長　直吉秀樹氏

搬送業務自体は単純作業ですが、工程間搬送の滞りは円滑な庫内業務を阻害する大きな要因であり、省人化が実現できていない領域でした。
今回、工程間搬送に加え、垂直搬送機と『Oasis』の連携を行い、タテ搬送の自動化も実現しています。縦横の搬送を自動化することにより、各フロアの商品滞留を解消させ、格納までのリードタイムを短縮させることが可能となります。また、出荷場エリアで導入したパレタイズロボットと連携させることにより、出荷場までの搬送の自動化も実現しています。

自律型協働ロボット『Oasis 600C』について

今回トラスコ中山に導入した自律型協働ロボット『Oasis 600C』は、2021年末より同社が販売代理店として提供を開始したStandard Robots社製ロボットソリューションだ。可搬重量600kg、最新自動運転アルゴリズムによる停止位置誤差±5㎜という精度でのコントロールが可能な同ロボットは、可搬重量が大きく、障害物を自動回避することができ、使用場所や使用目的に合わせた柔軟な運用が可能なため、特に作業工程間搬送業務の生産性向上が期待できる。

「プラネット埼玉」で稼働する自律型協働ロボット『Oasis 600C』：パレタイズロボット連携

物流施設において一連の作業と作業をつなぐ搬送業務は、固定式コンベアを敷設しているルート以外は人手での搬送を余儀なくされており、単純作業だが、高頻度かつ必要不可欠なものだ。今回、こういった作業負荷が大きく、人的コストが高いとされていた搬送工程に同ロボットを適用することにより、生産性向上と省人化を実現する。また、自律型協働ロボットの特長である可搬性と障害物の自動回避機能に加え、物理的な、磁気テープや2次元コードなどのガイド工事が不要であることを生かし、使用場所や使用目的の変化に合わせた柔軟な運用変更が可能となる。

「プラネット埼玉」で稼働する自律型協働ロボット『Oasis 600C』：垂直搬送機連携

「プラネット埼玉」へ導入した同ロボットは、物流施設内の作業工程間搬送だけではなく、出荷エリアでのパレタイズ(荷物をフォークリフトなどで運べるようにパレットに荷物を積む)ロボットとの自動連携(パレット入替)を実現するとともに、入荷商品の各フロアへの搬送工程における垂直搬送機との自動連携も予定するなど、物流施設内の複数工程での作業負荷低減と省人化へ寄与できる応用的な活用がなされている。

■【動画】AMR（自律走行搬送ロボット）

『Oasis』導入前後の比較_トラスコ中山

▼『Oasis』導入前(人手による搬送対応)

入荷	入荷場→垂直搬送機までをパレット搬送
格納	垂直搬送→各フロア格納場所へパレット搬送
出荷	仕分け後の荷物を、出荷パースへパレット搬送

▼『Oasis』導入前(人手による搬送対応)

入荷	工程間搬送の工数、人的リソースの削減
格納	各フロアでの商品滞留を解消
出荷	仕分から出荷場への搬送作業までを全自動化

自律型協働ロボット『Oasis 600C』導入の概要

稼働開始日	2022年12月
導入台数	11台
導入場所	トラスコ中山「プラネット埼玉」(埼玉県幸手市神明内赤木988番7)　1階・2階・3階
導入用途	1. 各作業工程間における搬送 2. 出荷エリアでのパレタイズロボットとの自動連携 3. 入荷商品を各フロアへ搬送する垂直搬送機との自動連携　※今回の連携のみ来年本格稼働予定
広さ	14,297坪(敷地面積)