【世界初】自動運転EV開発のチューリング、画像生成AIでデザインした「完全自動運転EV」コンセプトカー公開 エンブレムにも生成系AIを活用

千葉県柏市で、完全自動運転車両の開発・販売に取り組むTuring株式会社は、画像生成AI「Stable Diffusion」をフル活用してデザインした「完全自動運転EV」のコンセプトカーを公開した。
このコンセプトカーはチューリングが2030年に10,000台の販売を目指す「完全自動運転EV」をイメージしたもの。カーデザインのプロセスにおいてStable Diffusionを活用し、更に静的なイメージにとどまらず、デジタルモデリング、CGレンダリングを実施し、フルカラー3Dプリントによるスケールモデル、走行アニメーションやARデータまでを製作した事例としては「世界初」という(同社調べ)。


自社エンブレムのデザインや工場名の立案にも生成系AIを活用

チューリングではこの他にも、THE FIRST TURING CAR に搭載した自社エンブレムのデザインプロセスにも「Stable Diffusion」を活用。初の自社工場となる「Turing Kashiwa Nova Factory」のネーミングにChatGPTを活用するなど、業務の多くの分野でAIを活用し、「AIネイティブ」な事業推進を行っている。

エンブレムのデザイン

自社工場となる「Turing Kashiwa Nova Factory」のネーミングの検討


AIを活用したコンセプトカーをデザインしたプロセス

このコンセプトカーのデザインはチューリングとカーデザイン領域で長年の経験を持つ株式会社日南の二人三脚で製作。両社でデザインの方向性を協議した上で、まずは複数のキーワードを抽出。それをプロンプト(AIへの指示テキスト)に起こし、Stable Diffusionで大量の画像を生成。さらに生成された画像をカテゴライズした上でさらにプロンプトの調整と画像生成を複数回繰り返し、まずは二次元のデザインイメージを確定。さらにそこからマニュアルでの微調整とデジタルモデリングやCGレンダリングといったプロセスを通じて三次元のデザインデータを作成した。

日南の取締役デザイン/エンジニアリングデビジョン統括本部長 猿渡義市氏は次のようにコメントしている。

猿渡義市氏

人工知能(AI)×カーデザインの英知を結集した人の知能(HI)×デジタルワーク(DX)の各エキスパートが連携して取り組んだこのプロジェクトは、AIデザインの驚くべき力と速さを証明するものです。 実質1ヶ月半という短期間で豊富な成果物(3DCADデータ、CGレンダリング、走行アニメーション、フルカラー3Dプリントスケールモデル、VR/ARコンテンツ)を完成させることは素晴らしい成果です。 AIデザイン元年に最高水準のプロジェクトをAIネイティブ企業チューリング様と一緒に発表できることを誇りに思います。


AI技術に長けたチューリング

チューリングは、「We Overtake Tesla」をミッションにかかげ、完全⾃動運転EVの量産を⽬指すスタートアップ。世界で初めて名人を倒した将棋AI「Ponanza」の開発者である⼭本⼀成氏と、カーネギーメロン⼤学で自動運転を研究し、Ph.D.を取得した⻘⽊俊介によって2021年に共同創業された。AI深層学習技術を⽤いた限定領域に留まらない「完全自動運転」の実現を目指す。
なお、シードラウンドで10億円の資金調達を実施済みで、自社での車両生産体制構築を見据えて2023年中にシリーズAの資金調達を実施する予定。

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ロボスタ編集部

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