NTTとKDDIがBeyond 5G/6G時代の光ネットワーク技術の世界標準化で連携 基本合意書を締結しオールフォトニクスの普及を推進へ

NTTとKDDIが光ネットワーク分野の標準化に向け基本合意書を締結。電気処理を行わず光波長信号のまま処理して伝送するオールフォトニクス・ネットワークを中心とした革新的通信技術を広めるため、世界中のパートナーと共にオープン・イノベーションを推進し標準化をめざす。


Beyond 5G/6G時代に向け、グローバルレベルでオールフォトニクス・ネットワークの実現へ

NTTとKDDIは日本の光ネットワークの研究開発を牽引しており、国内基幹伝送路向けの大容量光通信システムとともに、海外向け長距離伝送路としての大容量光海底ケーブルシステムの研究開発を進め、日本国内外での光通信による大容量通信の実現と基幹インフラ整備の発展を遂げた。


今後訪れるBeyond 5G/6G時代では、既存の情報通信システムに対するさらなる伝送能力の拡大や処理能力の高速化が求められる一方で、地球環境の保全という観点からカーボンニュートラルに求められる低消費電力化が必要となる。
これらの課題を解決するために両社はオープンイノベーションを活用し、世界中のパートナーと最新技術の研究・開発を迅速に進めるとともに、標準化による普及を進めることも必要となってくるとしており、両社は課題を解決するオールフォトニクス・ネットワークのグローバルレベルでの実現を進めていくとしている。


基本合意書の概要

今回NTT、KDDIとの間で締結された基本合意書の概要は「Beyond 5G/6G時代の課題解決に向け、NTTとKDDIは持続可能な大容量の光ネットワークの実現をめざす」「光ネットワークの研究・開発は、オープン・イノベーションで検討を加速し、世界に革新的通信技術を広めるとともに、標準化をめざす」というもの。


高速化と品質維持を両立するオールフォトニクス・ネットワークの伝送方式の標準化

オールフォトニクス・ネットワークは低消費電力かつ低遅延が特長だが、サービスごとに有限の光波長を効率的に割り当てる手法や、光ファイバー中や光増幅器での伝送品質劣化の抑制が課題となっている。光ファイバーやそれに関連する通信技術、国内外での社会実装の実績を基に、オールフォトニクス・ネットワークの実現、拡張、キャリア間の相互接続に向けた標準化活動を推進する。


モバイル通信におけるオールフォトニクス・ネットワークの標準化

Beyond 5G/6Gの時代にはモバイルインフラの高度化が求められるとしており、モバイルネットワークにオールフォトニクス・ネットワークを適用するための技術の標準化活動を進め、基地局を含むコアネットワーク内や、エッジやクラウドがあるデータセンター間をオールフォトニクス・ネットワークで繋げることで、モバイル通信・サービスの高度化に寄与するとともに、オンデマンドにコアネットワークを構成し消費電力の削減にも寄与でき、大容量かつ超低遅延でゆらぎのない高品質・高信頼な革新的なコミュニケーションインフラの実現をめざす。


オーケストレーション技術の標準化

Beyond 5G/6G時代には、ICTリソースは飛躍的増大るだけではなく高い信頼性が求められることから、さまざまなICTリソースの配備と構成の最適化を実現する強靭なネットワークが求められるようになる。
両社がこれまで培った光ネットワークの監視・制御技術の標準化活動を推進し、マルチベンダシステムにおいても信頼性の高い光ネットワークを実現し、複数の光ネットワークを協調して監視制御するオーケストレーション技術を両社で検討。強靭なネットワークの実現を推進する。


と、基本合意書の内容について述べている。


今後の活動については、オープン・イノベーションの推進の場としてInnovative Optical and Wireless Network (IOWN) Global Forumなどの活用の仕方を含めて検討を行い、将来的にはITU-T (International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector)などでの技術の標準化をめざすとしている。

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ロボスタ編集部

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