【配膳ロボットに関する世代別の意識調査】配膳ロボット接客を最も「抵抗感なし」と回答した世代はシニア世代 DFA Robotics

ロボット技術は著しく発展しており、最近では人件費削減や人材不足を補うことや新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、配膳ロボットを導入する飲食店が増加している。

飲食店DXを推進するロボティクスソリューションカンパニーの株式会社DFA Roboticsは配膳ロボットに関する消費者の意識調査の結果を公表した。対象は、月に1回以上、単価7,000円以上の飲食店へ行く、Z世代(18~26歳以下)、X・Y世代(27~58歳)、シニア世代(60歳以上)それぞれ111名の合計333名、アンケート調査を行った。そのレポート結果として2023年4月12日に発表した。

今回の調査では、「飲食店の人手不足や効率を考え配膳ロボットの導入に理解を示す人が多い」結果のほか、「従業員に気を使わなくてよい」ことや、「接客態度が悪いことで気分を損なわないから良い」という意見も多数あがった。

接客レベルを高水準で統一できることが期待できる点を加味すると、「ファミレスや低単価のチェーン店以外の高単価の飲食店においてもサービスの質を向上する効果が期待できる」ものの、一方で「飲食店で人からのサービスがなくなることは寂しい・味気ない」と感じる人も多いと思われる。


全体の45.0% 配膳ロボットに抵抗感ない

同アンケート調査により、配膳ロボットに「抵抗感がない」割合は、全体の45.0%が配膳ロボットに抵抗感がなく、世代別にみると、Z世代は41.4%、X・Y世代は44.1%、シニア世代は49.5%と、「シニア世代が最も抵抗感がない」という結果が明らかになった。Z世代の結果においては、「単価の高い飲食店」という要因が関係しているようで、「比較的高いお金を払っている」場合には人に接客してもらいたいという意見が多い傾向にあるようだ。
また、配膳ロボットの接客に抵抗感を感じない理由を尋ねると、すべての世代において「円滑な店舗運営のために、必要だと思うから」が最多となり、飲食店の人手不足が叫ばれている昨今、店舗運営の改善へ理解を示す人が多いことが伺える結果となった。

シニア世代は理解を示すものの「人による接客のほうが好ましい」が本音

一方で、「人による対面接客」よりも「配膳ロボットによる非対面接客」が良いと回答した割合は、Z世代は43.5%、X・Y世代は44.8%、シニア世代は29.1%という結果となり、抵抗感と大きく差が出たのはシニア世代だったことより、同世代においては、理解を示すものの、人による接客のほうが好ましいという考えが浮き彫りとなった。



調査アンケート詳細

同調査レポートでは、【配膳ロボットへの抵抗感】【抵抗感を感じない人の意見】「人による接客」と【「配膳ロボットによる接客」との比較】について述べている。



配膳ロボットに「抵抗感がない」割合

配膳ロボットに「抵抗感がない」(「あまり抵抗がない」「全く抵抗がない」と回答した)割合は、Z世代41.4%、X・Y世代で44.1%、シニア世代は49.5%となった。

【全体(n=333) 】非常に抵抗がある:18.3% やや抵抗がある:34.8% あまり抵抗がない:26.4% 全く抵抗がない:18.6%
【Z世代(n=111) 】非常に抵抗がある:15.4% やや抵抗がある:39.6% あまり抵抗がない:27.9% 全く抵抗がない:13.5%
【X・Y世代(n=111) 】非常に抵抗がある:18.1% やや抵抗がある:36.0% あまり抵抗がない:20.7% 全く抵抗がない:23.4%
【シニア世代(n=111) 】非常に抵抗がある:21.7% やや抵抗がある:28.8% あまり抵抗がない:30.6% 全く抵抗がない:18.9%



配膳ロボットの接客に抵抗感を感じる理由

配膳ロボットの接客に抵抗感を感じる理由について、X・Y世代とシニア世代は「なんとなく味気ない気がするから」が最多、Z世代は「比較的高いお金を払っているから」が最多の結果であった。

【全体(n=177) 】 なんとなく味気ない気がするから:50.8%、人と人とのコミュニケーションが減るから:41.8%、比較的高いお金を払っているから:41.2%、質問などへの対応が難しいと感じるから:36.7%、人からサービスを受けたいから:29.9%

【Z世代(n=61) 】 比較的高いお金を払っているから:47.5%、なんとなく味気ない気がするから:44.3%、質問などへの対応が難しいと感じるから:32.8%、人と人とのコミュニケーションが減るから:32.8%、人からサービスを受けたいから:27.9%

【X・Y世代(n=60) 】 なんとなく味気ない気がするから:50.0%、人と人とのコミュニケーションが減るから:41.7%、質問などへの対応が難しいと感じるから:38.3%、比較的高いお金を払っているから:36.7%、人からサービスを受けたいから:18.3%

【シニア世代(n=56) 】 なんとなく味気ない気がするから:58.9%、人と人とのコミュニケーションが減るから:51.8%、人からサービスを受けたいから:44.6%、質問などへの対応が難しいと感じるから:39.3%、比較的高いお金を払っているから:39.3%

また、抵抗を感じる理由として、「今のレベルのロボットにホスピタリティを感じられない」や「接客も店の魅力の一つだから」など、Q2で「わからない/答えられない」以外を回答した人に、「Q3.Q2で回答した以外に、配膳ロボットを活用した接客に、抵抗を感じる理由があれば、自由に教えてください。(自由回答)」と質問したところ、以下のような回答を得ることができた。

Z世代 【n=61:自由回答・一部抜粋】
・「今のレベルのロボットにホスピタリティを感じられない。ゆくゆく高級感のある洗練された動きのロボットがでてくればまた考えは変わるかもしれない。」(23歳)
・「ロボットで事前に設定された言葉ではなく、店員さんの人柄がわかる接客が好きだから。」(26歳)
・「それなりのお値段がするのにロボットが配膳していると、その値段の雰囲気と合わないから。」(18歳)
・「配膳ロボットには細やかな気遣いが出来ないと思うから。」(22歳)
・「普段慣れていないため、どうすればいいかわからない。」(23歳)
X・Y世代 【n=60:自由回答・一部抜粋】
・「店のお客に対する誠意やホスピタリティが感じられないため。」(46歳)()
・「イレギュラーな要望が通らず、融通がきかなさそうでイライラしそう。」(35歳)
・「ある程度のレベル以上であって欲しいと思う。サービス品質が維持されるのか心配。」(46歳)
・「毎回除菌されていると思えないから。」(41歳)
・「ウェイターなどのプロフェッショナルサービスも料金に含まれていて価値を感じるから。」(35歳)
シニア世代 【n=56:自由回答・一部抜粋】
・「接客も店の魅力の一つだから。」(68歳)
・「配膳のついでにちょっとしたことを頼むことが多いが、それができないと残念だ。」(60歳)
・「高級店の雰囲気が感じられない。」(61歳)
・「今のデザインが高級店にはマッチしない気がする。」(65歳)
・「自分で取らなければならないのは不衛生。」(60歳)



配膳ロボットの接客に抵抗感を感じない人の意見

全世代の約4割が「配膳ロボットがお店の雰囲気に合っている場合」と回答​した。

【全体(n=333) 】非常に抵抗がある:18.3% やや抵抗がある:34.8% あまり抵抗がない:26.4% 全く抵抗がない:18.6%
【Z世代(n=111) 】非常に抵抗がある:15.4% やや抵抗がある:39.6% あまり抵抗がない:27.9% 全く抵抗がない:13.5%
【X・Y世代(n=111) 】非常に抵抗がある:18.1% やや抵抗がある:36.0% あまり抵抗がない:20.7% 全く抵抗がない:23.4%
【シニア世代(n=111) 】非常に抵抗がある:21.7% やや抵抗がある:28.8% あまり抵抗がない:30.6% 全く抵抗がない:18.9%



配膳ロボットの接客に抵抗感を感じる理由

配膳ロボットの接客に抵抗感を感じる理由について、X・Y世代とシニア世代は「なんとなく味気ない気がするから」が最多、Z世代は「比較的高いお金を払っているから」が最多の結果であった。

【全体(n=177) 】 配膳ロボットがお店の雰囲気に合っている場合:42.4%、人による対面接客の部分の質が高い場合:32.2%、家族連れが多いお店:31.6%、提供時間の短縮が求められるお店:31.1%、店員の目が行き届いているお店:23.7%

【Z世代(n=61) 】 配膳ロボットがお店の雰囲気に合っている場合:47.5%、家族連れが多いお店:41.0%、提供時間の短縮が求められるお店:29.5%、人による対面接客の部分の質が高い場合:26.2%、店員の目が行き届いているお店:21.3%

【X・Y世代(n=60) 】 人による対面接客の部分の質が高い場合:50.0%、配膳ロボットがお店の雰囲気に合っている場合:36.7%、家族連れが多いお店:30.0%、提供時間の短縮が求められるお店:30.0%、店員の目が行き届いているお店:25.0%

【シニア世代(n=56) 】 配膳ロボットがお店の雰囲気に合っている場合:42.9%、提供時間の短縮が求められるお店:33.9%、店員の目が行き届いているお店:25.0%、家族連れが多いお店:23.2%、人による対面接客の部分の質が高い場合:19.6%

また、配膳ロボットの接客に抵抗感を感じない理由として、すべての世代において「円滑な店舗運営のために、必要だと思うから」が最多との結果がでた。

【全体(n=150) 】 円滑な店舗運営のために、必要だと思うから:48.0%、近未来的でワクワクするから:39.3%、ロボットが当たり前の世の中になってきているから:36.7%、食事の際の話題になると思うから:35.3%、感染症対策に繋がると思うから:29.3%

【Z世代(n=46) 】 円滑な店舗運営のために、必要だと思うから:56.5%、感染症対策に繋がると思うから:50.0%、近未来的でワクワクするから:43.5%、食事の際の話題になると思うから:41.3%、ロボットが当たり前の世の中になってきているから:34.8%

【X・Y世代(n=49) 】 円滑な店舗運営のために、必要だと思うから:44.9%、ロボットが当たり前の世の中になってきているから:40.8%、近未来的でワクワクするから:32.7%、食事の際の話題になると思うから:28.6%、感染症対策に繋がると思うから:12.2%

【シニア世代(n=55) 】 円滑な店舗運営のために、必要だと思うから:43.6%、近未来的でワクワクするから:41.8%、食事の際の話題になると思うから:36.4%、ロボットが当たり前の世の中になってきているから:34.5%、感染症対策に繋がると思うから:27.3%

なお、Q5で「わからない/答えられない」以外を回答した人に、「Q5で回答した以外に、配膳ロボットを活用した接客に、抵抗を感じない理由があれば、自由に教えてください(自由回答)」と質問したところ、「配膳ロボットの接客を受けたが、想像よりもスムーズな動きにアリだなと思った」や「下手に店員が雑に対応するより不快にならない」「テクノロジーの成長が実際に見られてよい」などの声があがった。具体的は回答は以下の通りだ。

Z世代 【n=42:自由回答・一部抜粋】
・「下手に店員が雑に対応するより、ロボットが届けた料理を自分で取る方が不快にならない。」(26歳)
・「配膳ロボットに関しては目新しくて人員不足改善にもつながり、今後普及が加速して当たり前のサービス形態になりそうだから。」(20歳)
・「食事の様子を人間のスタッフさんに極力見られたくないから。」(21歳)
X・Y世代 【n=46:自由回答・一部抜粋】
・「猫型ロボットを見たことがあり、癒されました。テクノロジーの成長が実際に見られてよいと思います。」(39歳)
・「特に人間でなくても欲しいものが運ばれてくれば問題ないから。」(40歳)
・「衛生が保たれれば、なんでも構わない。人じゃない方が気を遣わなくて良いから、良いとも思う。」(42歳)
・「子どもが楽しめる。」(39歳)
・「物珍しくて面白い。」(57歳)
シニア世代 【n=52:自由回答・一部抜粋】
・「最近のロボットは、配膳目的に対して完成度が高く、見ていて面白いから。」(63歳)
・「もうすでに店舗にて配膳ロボットの接客を受けたが、特に違和感なく受け入れられたのと、想像よりもスムーズな動きにアリだなと思った。」(62歳)
・「既に配膳ロボットを体験しており抵抗は全くない。むしろコストを料理の質向上にむけているのであれば好意的に感じる。」(62歳)
・「人材不足を補うためならしょうがない。」(61歳)
・「感じの悪い接客を受ける失望感がない。」(60歳)



「配膳ロボットによる非対面接客」が良いと回答した世代

「人による対面接客」よりも「配膳ロボットによる非対面接客」が良いと回答した割合は、Z世代で43.5%、X・Y世代44.8%、シニア世代は29.1%であった。

【全体(n=150) 】配膳ロボットによる非対面接客:11.3%、どちらかというと、配膳ロボットによる非対面接客:27.3%、どちらかというと、人による対面接客:40.7%、人による対面接客:12.0%
【Z世代(n=46) 】配膳ロボットによる非対面接客:10.9%、どちらかというと、配膳ロボットによる非対面接客:32.6%、どちらかというと、人による対面接客:37.0%、人による対面接客:13.0%
【X・Y世代(n=49) 】配膳ロボットによる非対面接客:6.0%、どちらかというと、配膳ロボットによる非対面接客:38.8%、どちらかというと、人による対面接客:32.7%、人による対面接客:8.2%
【シニア世代(n=55) 】配膳ロボットによる非対面接客:16.4%、どちらかというと、配膳ロボットによる非対面接客:12.7%、どちらかというと、人による対面接客:50.9%、人による対面接客:14.5%

Q7で「配膳ロボットによる非対面接客」「どちらかというと、配膳ロボットによる非対面接客」と回答した人に、「Q8.配膳ロボットによる非対面接客がいいと思う理由があれば、自由に教えてください。(自由回答)」と質問したところ、「余計な気遣いが不要」「人の当たり外れがないから」「感染リスクを心配しなくて良いから」など、以下のような回答を得ることができた。

Z世代 【n=20:自由回答・一部抜粋】
・「コロナウイルスやインフルエンザなどの感染リスクを心配しなくて良いから。」(21歳)
・「配膳ロボットだったら余計な気遣いが不要になり、居心地の良い空間で利用しやすく、無駄なサービス提供も省ける。」(20歳)
・「人間の店員の方が雑なこともあるからロボットならプログラム以上のことはやらないし、当たり外れがない。」(26歳)
・「衛生面で優れているから。」(23歳)
X・Y世代 【n=22:自由回答・一部抜粋】
・「人の当たり外れがないから。」(53歳)
・「物珍しくて面白いから。」(57歳)
・「人間と関わるのが、面倒だから。」(58歳)
・「余計なトラブルが減る。」(41歳)
・「相手に気を遣わなくていい。」(40歳)
シニア世代 【n=16:自由回答・一部抜粋】
・「人は人によって態度を変えたり、不機嫌さをそのまま出したりするから。」(64歳)
・「配膳がスムーズで衛生的だと思う。」(61歳)
・「感染対策。」(67歳)
・「気兼ねなしに食べられそう。」(62歳)



▼調査内容

調査概要 配膳ロボットに関する消費者の意識調査
調査方法 IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間 2023年2月22日〜2月27日
有効回答 月に1回以上、単価7,000円以上の飲食店へ行く、Z世代(18~26歳以下)、X・Y世代(27~58歳)、シニア世代(60歳以上)それぞれ111名の合計333名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計が100.0にならない場合がある。




ネコ型配膳ロボット「BellaBot(ベラボット)」

ネコ型配膳ロボット「BellaBot」は、今までバイキング形式の飲食店やフードコート、工場など多岐にわたり様々なシーンで導入されており、料理提供や荷物移動といった配膳・配送など機械的な仕事をロボットに任せることで、スタッフがより多くの時間を利用者へのサービスに充てることが可能となった。また、混雑時の対応では配膳時間を短縮し、業務効率の大幅向上の実績もある。さらに、豊かな表情や音声案内など⼈とロボット間でコミュニケーションがとれる機能も備えているため、どんな年代のお客様にも喜ばれる接客の提供が可能だ。

■【動画】【ネコ型ロボット】Bella Botを導入した店舗の生の声をインタビュー!




同社の今後の展望

今回の調査結果より、同社では「全てのサービスを機械化する」ことを目指すのではなく、「人とロボットがそれぞれ役割を持ち、お互いの相乗効果により人とビジネスの可能性が向上する」と考え、その店舗のスタイルや理想にあわせて柔軟にロボットを活用し、全ての世代に喜ばれる店舗作りがこれからの日本の主流となることを目指し、今後もさまざまな施設へDX化の推進を予定しているとのことだ。

関連サイト
株式会社DFA Robotics

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ロボスタ編集部

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