【調査】ホテルの4割がロボット導入に興味 コロナ5類移行/外出増加でホテル管理職83.4%が 人手不足の深刻化を痛感 DFAが発表

ホテル業界での人手不足は深刻化しており、少しでも状況を改善させるために、サービスロボットの導入に期待が寄せられている実態が明らかになった。

飲食店DXを推進するロボティクスソリューションを提供している株式会社DFA Roboticsは、ホテル業界の人材不足に関する実態について、ホテルの管理職(支配人・マネージャー・部長職)103名を対象にアンケート調査を2023年4月に行なった。そして、その結果を同年5月10日に発表した。


ホテル管理職の83.4%が「人手不足の深刻化」を実感

同調査によると、ホテル管理職の83.4%が「人手不足の深刻化」を実感しており、従業員の人手不足を補うための対策は「求人広告の出稿」が54.9%で最多だった。

また、全体の4割以上が接客や配膳、清掃業務などで貢献する「サービスロボット」に興味をもっており、その理由として、約8割が「人手不足の解消につながると思うから」と回答したが、ロボット導入に際しての懸念として、店舗要件に合うかどうかという設備的なハードルやコストなどの声が集まった。




調査アンケート詳細

今回は、【ホテル業界の人材不足】【人材不足への対策】【「サービスロボット」に興味】について調査した。その結果、6割以上が1日あたり「1時間以上」の残業をこなしており、定時に仕事を終えることができていない実情が明らかになった。また、83.4%が「人手不足の深刻化」を実感しており、約半数の49.5%がゴールデンウィークや夏休みなど繁忙期のために、人手不足を補うための対策を実施していることが分かった。具体的な対策としては、「求人広告の出稿」が54.9%、「従業員の賃上げ」が43.1%という結果になり、その中で、4割以上の43.7%が「サービスロボット」に興味を示し、人手不足の解消に役立てたいと考えていることが判明。一方で、「サービスロボット」に興味がないと回答した方は、その理由として「店舗要件合わない」が52.7%で最多となった。


ホテル業界の人材不足

ホテルの管理職(支配人・マネージャー・部長職)103名を対象に実施したアンケート調査において、「管理している管轄での1日どれほど残業しているか?」という質問に対し、「1時間未満」が28.2%と最多となった一方、約3割が「2時間以上」と回答した。


また、「勤め先における人材不足の深刻化」への実感を質問したところ、「非常に感じている」または「やや感じている」と83.4%の8割以上がこたえた。これらの結果から、ホテル業界における人材不足は、多くの方にとって身近な問題であることが窺える。




人材不足への対策

「繁忙期に向けて、従業員の人材不足を補うための対策を行っているか?」と質問したところ、49.5%が「実施している」、43.7%が「実施していない」と回答した。


「人材不足を補うための対策を行っている」と回答した人に、「実施している対策」について質問したところ、「求人広告の出稿」54.9%、「従業員の賃上げ」43.1%という回答となった。また、「その他」の回答者にその理由を自由回答で求めたところ、「出勤体制の見直し」「販売制限」など38の回答を得ることができた。

【自由回答・一部抜粋】・求人媒体の選定。(51歳) ・専門学校の職業体験制度の活用。(57歳) ・日払いのヘルプサービス。(54歳) ・社内託児所の設置。(55歳) ・出勤体制の見直し。(50歳) ・販売制限。(58歳) ・部署に関係なくヘルプ体制でその場を補っています。(42歳)



人材不足への対策の効果

「人材不足を補うための対策を行っている」と回答した人に、「実施している人材不足の対策に効果を感じているか?」と質問したところ、「あまり感じていない」35.3%、「全く感じていない」7.8%という結果になり、何らかの施策を行っているものの、43.1%が人材不足への対策に関して効果を感じられていない結果だった。




「サービスロボット」への興味について

「旅館やホテルにおいて接客や配膳、清掃業務などで貢献する「サービスロボット」に興味があるか?」という質問に対し、「かなりある」11.7%、「ややある」32.0%と回答し、全体の43.7%の4割以上が配膳ロボットの導入に興味を寄せていることがわかった。


「サービスロボットに興味がある」(「かなりある」「ややある」)と回答した人に、その理由についても質問。その結果、約8割の77.8%が「人手不足の解消につながると思うから」、42,2%が「人にしかできない業務に注力できると思うから」、26.7%が「採用・教育コストの削減につながると思うから」という回答となった。


一方、「サービスロボット」に興味がある」(「あまりない」「全くない」)と回答した人に、その理由について質問したところ、52.7%が「店舗要件合わない(通路幅が狭い、段差がある等)」、43.6%が「導入コストに予算を割けない」、27.3%が「人がやった方が早いイメージがある」という回答となった。また、「その他」の回答者にその理由を自由回答で求めたところ、「高級ホテルでは使えない」「人間の温かさがほしい」といった意見がでた。

【自由回答・一部抜粋】・コストに見合えば検討したいので。(51歳) ・自動化するメリットがある。(56歳) ・これから先の時代は、様々な業務でロボットが主流になると思うから。(55歳) ・コミュニケーションが強化出来そう。(61歳) ・接客が減ると楽になる。(50歳) ・夜間の清掃など、少しでも残業の削減につながる可能性があるから。(42歳) ・話題性と今後の精度の向上、普及がサービス業界にとって重要だと思うから。(44歳)

さらに、「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「サービスロボット」に興味がある理由を自由回答にて質問したところ、「人件費の削減に役立ちそうだから」や「新しい時代を感じられ、顧客獲得に繋がる」など33の回答を得ることができた。

【「その他10.9%」からの自由回答・一部抜粋】・高級ホテルでは使えない。(59歳)・人間の温かさがほしい。(58歳) ・サービス料をもらっているから導入できない。(46歳) ・担当ではない。(54歳) ・人とのかかわり合いが大事なので。(57歳)

これらの回答から、サービスロボットに対してコミュニケーションが取りにくいという印象があり、導入に抵抗を感じる声も挙がったものの、サービスロボット自体には、「人材不足の解消に繋がると思う」「人にしかできない業務により注力できる」などの理由から興味関心を寄せている方も多く、サービスロボットを活用することによる人材不足の解消、サービス品質の向上への期待が見受けられた。


▼調査内容

調査概要 ホテル業界の人材不足に関する実態調査
調査方法 IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー」の企画によるインターネット調査
調査期間 2023年4月27日〜4月28日
有効回答 ホテル業界の人材不足に関する実態について、ホテルの管理職(支配人・マネージャー・部長職)103名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計が100.0にならない場合がある。




ネコ型配膳ロボット「BellaBot」

同社が提案するネコ型配膳ロボット「BellaBot」は、配膳から接客案内まで、今まで各施設で「人」で行っていた業務を担当することができ、さらに非接触サービスであることや業務効率の改善を図ることで、各施設が抱える課題を解決できる。今までバイキング形式の飲食店やフードコート、工場など多岐にわたり様々なシーンで導入されており、混雑時の対応では配膳時間を短縮し、業務効率の大幅向上の実績が多数でている。さらに、豊かな表情や音声案内など⼈とロボット間でコミュニケーションがとれる機能も備えているため、どんな年代の利用者にも喜ばれる接客を提供することが可能だ。

関連サイト
株式会社DFA Robotics

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ロボスタ編集部

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