ソフトバンク、生成AI開発に必要なスパコンを構築へ 予算は200億円、うち経産省が53億円を助成 NVIDIAと協業

ソフトバンク株式会社は、経済安全保障推進法に基づく特定重要物資である「クラウドプログラム」の供給確保計画について、経産省から2023年7月7日に認定を受けたことを発表した。


NVIDIAと協業して生成AI向けスーパーコンピュータ構築

ソフトバンクは、経営理念である「情報革命で人々を幸せに」の実現に向けて、デジタル社会の発展に不可欠な次世代社会インフラを提供するという長期ビジョンを、2023年5月に発表。
この次世代社会インフラの構築に向けて、NVIDIAと協業しながら「分散型AIデータセンター」の構築を進めるとともに、AI(人工知能)と共存する未来に必要な計算基盤のサービスの提供に取り組んでいく予定だ。計算環境の構築に関わる設備投資額は約200億円を見込んでおり、そのうち助成金は53億円。


設備投資額は約200億円、そのうち53億円が助成金

このたび経済産業省から認定を受けた計画は、上記の計算基盤のサービスの提供に関するものです。ソフトバンクは今後「NVIDIA DGX SuperPOD」などを活用して高いデータ処理能力を有する計算環境を構築し、自社で取り組む生成AIの開発およびその他のAI関連事業に活用する他、生成AIを中心とした社外からのさまざまな利用ニーズに応えるため、大学や研究機関、企業などへ幅広く提供していく予定、としている。

この計算環境の構築に関わる設備投資額は約200億円を見込んでおり、そのうち53億円の助成を受ける予定。大規模な計算環境の提供に向けて、2023年度中に投資と構築を迅速に完了させ、早期のサービス提供開始を目指す。

クラウドプログラムの安定供給の確保(経産省)
2023年1月「インターネットその他の高度情報通信ネットワークを通じて電子計算機(入出力装置を含む。)を他人の情報処理の用に供するシステムに用いるプログラムに係る安定供給確保を図るための取組方針」を公表。
【認定に関するフロー】
先ずは供給確保計画を作成する必要がある。申請に当たっては、まずは経済産業省 商務情報政策局 情報産業課 ソフトウェア・情報サービス戦略室に連絡。

(経産省のホームページより)

今回の計算環境の構築について、エヌビディア 日本代表 兼 米国本社副社長の大崎 真孝氏は下記のコメントを寄せている。

大崎 真孝氏

世界的に生成AIや大規模言語モデルが急速な広まりを見せ、さまざまな産業で活用が進んでいます。NVIDIA DGX SuperPOD™は、生成AIなどに必要な膨大なデータ処理に最適化された計算基盤です。NVIDIAは今回のソフトバンクの計画に賛同し、強力にサポートしていきます。新たな計算環境の構築により、日本のAI産業全体が飛躍的な成長を遂げることを確信しています

なお、経産省は同様にさくらインターネットにも助成金を拠出することを決定している。

ABOUT THE AUTHOR / 

ロボスタ編集部

ロボスタ編集部では、ロボット業界の最新ニュースや最新レポートなどをお届けします。是非ご注目ください。

PR

連載・コラム