
STAR CLUSTER PTE.LTD.は、同社が運営するAI絵画プラットフォーム「SeaArt」を8/1より正式的に日本市場に向けてサービスを開始した。生成画像AIを活用したサービスだ。それに伴って、同社が分析した生成系AIとクリエイターの状況を公開した。
生成系AIはクリエイターの仕事を奪うのか?
2023年、インターネット業界の最も注目すべき話題として、ChatGPTやAIGCという言葉が登場した。ChatGPTの登場により、AIブームはますます広がり、人工知能が近い将来、人間の仕事を取って代わる可能性が高まっている。このような状況により、「AIに取って代わられる」という不安を持つ者も多い。
同社は、このAIブームの中で人間の代わりとなっている技術がAI絵画技術だとしている。昨年から、AI絵画技術が注目を集めており、数分で芸術賞受賞レベルの作品を生成することが可能となり、美術界に大きな衝撃を与えている。さらに、中国大陸や台湾地区のゲーム業界の関係者によれば、彼らの会社でもAI絵画技術が活用されており、グラフィック部門の完全な代替となっているとのこと。
それに伴って、グラフィック部門の半分を削減できると噂されるAI絵画技術について、同社が紹介している。
AI絵画とは?
2020年、Stable Diffusionは自社のAIに画像モデルを組み込み、画像描画のトレーニングを行なった。その成果として、AI絵画技術の成熟を示す作品「宇宙飛行士が馬に乗る」が誕生した。この作品は、AIがサンプルを超えた内容を描くことができることを証明している。つまり、AIは自分自身が知らなかった内容を描き出すことができる。
これをキッカケとして、AI絵画は人々の関心を集めるようになった。急速に進化する生成系AIの波に乗り、AI絵画は芸術界に爆発的な影響を与えるようになった。
2022年、AI絵画ツールによって生成された作品「Théâtre D’opéra Spatial(宇宙のオペラ劇場)」が米コロラド州の展覧会で受賞し、芸術界で話題となった。
AI絵画:通常数か月かかる作品を、わずかな言葉で簡単に描く驚異的な技術
数分以内に高品質の作品を描くことができるAI絵画は、芸術制作のハードルを大幅に下げた。この非常に効率的な技術は、ゲーム業界でも広く支持されている。
AI絵画は既に原画家の仕事を奪うのか?
中国では、テンセントやNetEaseなどの有名なゲーム企業が既にAI絵画などの技術を導入し、AI絵画に関する内部研修も行っている。また、多くの欧米のゲーム企業もAIGC関連のスキルを求めている。
一部の企業は、コスト削減と効率向上の原則に基づいてAI描画を採用している。多くのゲーム業界の関係者は、自社のゲームにアイコンなどを作成するためにAIを活用し始めたと述べている。
NetEase ThunderFire Art Centerの原画家として活躍する奕艾(代表作:NARAKA: BLADEPOINTなど)は、AI絵画の役割についてプランラーの立場から以下のように説明しているという。「AI絵画は直観的な概念図を直接生成することができ、大量のコミュニケーションコストと理解コストを省略することができます」
実務担当者も意思決定者も、学習コストがゼロであるAI絵画を利用することで、効率的に業務を遂行できるとする。また、自身の創造力を活かすことも可能。現在の高速な人工知能時代において、AI絵画のような高効率技術の活用可能性は無限大だとした。
AI描画にはこれほど多くのメリットがあるが、ゲーム業界向けの専門的な無料AI絵画ツールがあるのか?その答えは「ある」として同社の「SeaArt」に焦点をあてた。
SeaArt
プロの美術技術を必要とせず、学習コストがゼロで、しかも日本語にも対応しているSeaArtは、Midjourneyなど他のAI絵画ツールの完璧な代替品となっているという。
SeaArtは、他の専門的なAI絵画ツールの機能を網羅しており、高品質で多数の作品を作成し、同時にスマートな推奨システムとコミュニティの交流・シェア機能も提供していく。これにより、ユーザーは自分に合った創作スタイルや作品を迅速に見つけることができ、学習コストゼロの創作を実現しているという。
さらに、多言語に対応しており、モバイル端末またはPCでWebサイト(https://www.seaart.ai)にアクセスするだけで利用できる。すべてのAI絵画ツールの機能を基本的に網羅しており、高品質かつ高速な出力を実現している。ダウンロードは不要で、一般的な絵画ニーズに迅速に対応できる。
主な機能
キーワードの認識とスマートな補正により、効率的な作業が可能。自然言語を理解して画像生成とAI潤色を行う
多様な創作モデル
14種類のControlNetモデルによる画像生成により、細かい描画の表現が可能
LoRA DIY
他のAI絵画ツールのすべてのモデルをカバーし、ユーザー独自のモデルのDIYもサポートしている
クイック修復機能
部分的な再描画と画質修復。
画像キャプション生成と画像の一部をピンポイントで修正する( Inpainting)機能
AI絵画技術で開発コストを5万ドルから1万ドルに削減
同社は技術革新と社会変革は密接に関連している、という。
「AIはあなたを代わるわけではないが、将来、AIを上手く活用する人々があなたの代わりになるかもしれない」と。
「サイバーパンク2077」のシーンデザイナー、Timur Ozdoevは、自分のインディーゲーム制作の過程でAI絵画ツールも使用しました。彼は、AI技術+原画家の手動調整を採用することで、開発コストを5万ドルから1万ドルに削減し、半年の工数を1ヶ月に短縮することに成功したという。
Timurはすでに、AI絵画技術の便利さと利便性を証明し、AIGCがゲーム産業に与える強力な影響力を実際に示している。人々は、AIで数秒で数百の美しい画像を生成できることに気付き始め、カメラやデジタル絵画の登場と同様に、AI絵画がインターネット産業革命の新たな段階をもたらすことになることも意識し始めているという。
産業革命は歴史的な洪水の中で、技術革新の巨大な生産力を証明している。反対の声がどれだけあろうと、機械が手作業労働を代替する日が来ることは必然。ただし、機械を操作できる人々は常に機械に取って代わられることはない、とする。
同社は「AIの波はすでに止めることができないほど高まっており、私たちは時代の洪水の中で小さく、無力な存在であると感じることがよくあります。しかし、今日が過去となり、昨日が歴史となり、車輪は回り続け、私たちを前進させています。未来に向けて前向きに取り組んでいきましょう」とコメントしている。
SeaArt WEBサイト
「ChatGPT」と「Stable Diffusion」で動物が日記を生成 生成AIを使った新感覚エンタメ絵日記「AIどうぶつ日記」LINEで提供開始
AIイラスト投稿サイト「pAInter」のイラスト投稿数が10,000件を突破 生成AIの勢いに乗る、秋にはマネタイズのしくみも導入予定
【必見】画像生成AI「Stable Diffusion」驚きの機能を一挙紹介!こんなことまでできる「NVIDIA 生成AI Day 2023 Summer」講演レポート
【必見】画像生成AI「Stable Diffusion」ジェネレーティブAI 関連記事
この記事を読んだ人におすすめ
-
森永乳業が新製品『クラフト 魚 Chee(ウオチー)』のイメージをAIに生成させた結果 「全部 不採用だけど斬新だから公開する」
-
画像生成AI「Stable Diffusion」をLINEで試せる「AI画王」機能を使ってみた結果 友達登録で簡単に利用可能なChatGPT「AIアシスタント」
-
日本でも「AIプロンプト」の売買へ 全ての画像にAIプロンプトを付属した素材販売サービス『1822ai』開始
-
ファッション×最新テクノロジー「ジェネレーティブAIとファッションの未来」参加申込500名突破!ChatGPT、Midjourneyで変わるファッション業界の未来
-
アドビ Photoshopに生成系AIモデル活用「ジェネレーティブ塗りつぶし」β追加 文字で指示してAIが画像を生成・補正 ネットに驚きの声多数
-
画像生成AI x 文章生成AI「ChatGPT」によるAIバーチャルアイドル「HARU」登場、4月の「SARI」に続き デジタルヒューマンが加速か
-
【ジェネレーティブAIとファッションの未来】画像生成AIがデザインしたファッション集をプロンプト付きで発表、講演動画も公開
-
チャット(ChatGPT)できるAIアイドル SARIが初の写真集を発売 日常の風景からSNS非公開の初チャレンジ画像も掲載
-
写真編集アプリ『PhotoDirector』のジェネレーティブAIアバター生成機能にウェディングやヘアカラーなど新スタイル6種を追加