近年、モビリティ社会と謳われるようにシェアサイクルや自動運転などあらゆるサービスが変化しつつあり、郊外などではドローンを活用した宅配などの実証実験が行われている。
また、働き方改革関連法により2024年4月1日以降、自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限が960時間に制限されることで、輸送能力が不足し、「モノが運べなくなる」可能性が懸念される「物流業の2024年問題」などが存在し、これまでのサービス水準の低下などが懸念されている。
こうした変化しつつあるサービスに対し消費者はどのように評価しているか、同問題を解決すべく、マーケティングリサーチ会社の株式会社アスマークは、2023年7月25日〜27日、全国の70歳未満の男女に「宅配ロボット(自動配送ロボット)に関する調査」を実施し、宅配ロボットにおける心理的抵抗の有無や不安や期待要因などを聴取。その結果を8月29日に公開した。
なお、同社公式サイト内にて、集計表を含むデータが無料でダウンロード可能だ。
ロボット配送に抵抗感を感じる商品、感じない商品
今回の調査結果では、3割弱が自動配送ロボットがどのようなものか知っており、商品の種類における抵抗感では、「食品」や「家電製品」、「ブランド品」は抵抗感を持つ割合が高く、「ファッション商品」や「化粧品・美容製品」、「ヘルスケア商品」は抵抗感を持つ割合が低いということがわかった。また、不安要素として全体では、「商品の損傷」が6割弱と最も高い。その他、女性の40~60代では、自動配送ロボットの普及に必要な要素として「データセキュリティとプライバシーの保護」が高かった。
自動配送ロボットに対する認知度
Q.自動配送ロボットについて知っているかどうかをお知らせください。(1つ選択)
全体では、3割弱が自動配送ロボットがどのようなものか知っていると回答。年代が上がるほど聞いたことがある割合が高くなる傾向がある。性年代別では、男性60代の9割が聞いたことがあると回答。
商品の種類における抵抗感(化粧品・美容製品)
Q.商品の種類によって自動配送ロボットの利用に抵抗感を感じる度合いが変わるかどうかをお知らせください。
全体では、1割強が抵抗感を持つ(抵抗を感じる+やや抵抗を感ずる)と回答。年代が低くなるほど抵抗感を持たない(抵抗を感じない+あまり抵抗を感じない)割合が高くなる。特に20代女性では7割強が抵抗感を持たないと回答。
商品の種類における抵抗感(ブランド品)
Q.商品の種類によって自動配送ロボットの利用に抵抗感を感じる度合いが変わるかどうかをお知らせください。
全体では、3割半ばが抵抗感を持つ(抵抗を感じる+やや抵抗を感ずる)と回答しており、男性と比べ女性の方が抵抗感を感じると回答。性年代別でみると、男性の20~50代は抵抗感を持つ割合は低く、年代が低くなるほど抵抗感を持たない割合も高くなる。
自動配送ロボットの不安要素
Q.あなたご自身の荷物(購入した商品や人から送られてきたもの)が自動配送ロボットによって配送されることについて、不安なことをお知らせください。(複数選択可)
全体では、「商品の損傷」が6割弱と最も高い。性年代別でみると、男性の20~40代では「商品の損傷」は5割以下と全体比と比べ低い一方、女性40・50代では7割以上と高い。男性20・30代では3割弱が「不安なことはない」と回答。
自動配送ロボットの普及に必要な要素
Q.自動配送ロボットを活用した物流が社会的に普及する上で、必要だと思う要素をすべてお知らせください。
全体では、「高度な安全の確保」が6割と最も高く、次いで「配送コストの削減」と続く。性年代別でみると、男性60代では「法規制の整備と社会的合意」や「自動配送ロボットに対する教育・理解の普及」といった自動配送ロボットの存在が正当に認められるために必要なことが高く、女性の40~60代では「データセキュリティとプライバシーの保護」といった利用者を守るために必要なことが高い。
▼調査概要
調査名 | 宅配ロボット(自動配送ロボット)に関する調査 |
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調査対象者 | 全国70歳未満男女 |
調査内容 | 自動配送ロボットに関する調査、自動配送ロボットのイメージ(知っていると回答した人)、自動配送ロボットのイメージ(知らないと回答した人)、自動配送ロボットの利用意向、自動配送ロボットの利用意向の理由、自動配送ロボットの有効なシーン、自動配送ロボットの抵抗感、商品の種類における抵抗感(食品)、商品の種類における抵抗感(家電製品)、商品の種類における抵抗感(ファッション商品)、商品の種類における抵抗感(化粧品・美容製品)、商品の種類における抵抗感(ヘルスケア商品)、商品の種類における抵抗感(趣味・娯楽関連)、商品の種類における抵抗感(ブランド品)、自動配送ロボットの不安要素、自動配送ロボットの普及に必要な要素、自動配送ロボットの普及に最も必要な要素 |
有効回答数 | 800サンプル |
割付 | 性年代均等 |
調査期間 | 2023年7月25日(火)~2023年7月27日(木) |
調査方法 | Webアンケート |
調査機関 | 株式会社アスマーク |
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株式会社アスマーク